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Hello world, we are Staple.

岡 雄大 | YUTA OKA
代表取締役 
岡山に生まれ、米コネチカットと東京で育つ。育つ過程で触れた世界の多様性や、旅をする中で触れた日本の地域毎の文化的ルーツの複雑性に魅了され、旅をし続けることを仕事にしたいと考えるようになる。大学卒業後は、スターウッドキャピタルグループの東京及びサンフランシスコオフィスで不動産やホテルブランドへの投資業務に従事。その後シンガポールで独立し、ホテルブランドへの投資戦略や経営企画に関するコンサルティングを行うが、2019年からはInsitu Japan(現 Staple)の本格稼働を開始。
広島県 瀬戸田と東京都 日本橋に拠点を置き、都市一極集中ではない社会を見据えた場やまちの企画・開発・運営に情熱を燃やす。仕事をしていない時はスノーボードかバスケかお酒。山大好き。海は好きだけど泳げない。
早稲田大学 政治経済学部 卒業
岡 雄大のプロフィール - Wantedly
株式会社Staple, 代表取締役 株式会社Staple 代表取締役 岡山に生まれ、米コネチカットと東京で育つ。育つ過程で触れた世界の多様性や、旅をする中で触れた日本の地域毎の文化的ルーツの複雑性に魅了され、旅をし続けることを仕事にしたい / ...
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2022年8月を以ってStapleに社名が変わり、新しい仲間が役員として加わり、会社も加速していきます。加速した船の遠心力で振り落とされそうになった時にこそ読み返したいnoteになるよう、とりあえず筆をとってみようと思います。

さっき人生で初めて屋久島空港に降り立ちました。プロペラ機でのソフトランディングとは言えない着陸後、機外へでると青い空で目が眩み、ムワっと大地の香りがしました。平屋の空港建物へ歩いて向かうと「YAKUSHIMA」というレトロなフォントがお出迎え。コロナ禍の2年半、感じてこなかった
「あぁ、これが旅だよなぁ。」
と、なんとも言えない感情が沸いてきて、深いところでそれを求めていたのだと痛感した瞬間でした。

旅を続けたくなる美しい世界であって欲しい

自然環境が失われていくこともそうだし、文化の継承と変革のバランスが崩れることもだし、なによりグローバリゼーションと都市化が進んでいって、どこにいっても同じような場所・モノが増え続けることを目の当たりにすると寂しい気分になります。僕は「旅を続けたくなる世界」或いは「旅を続けることのできる世界」とは、実は文化的資本、自然環境的資本、経済的資本の絶妙なバランスで成り立っていると考えています。

Stapleは「ご近所」と呼ぶ、市町村などの単位よりもさらにミクロな範囲*を仕事のフィールドに考えています。ホテルや住宅、オフィス、レストランや総菜屋をつくり、ひいてはその土地ならではの教育、再生可能エネルギー施策などの事業を密度の高いエリアで行います。そうすれば、歩ける範囲が目に見えて魅力的になって、隣人と会う機会が増える、地域内で食料やエネルギーなどベーシックインフラが循環する、人口減少傾向の中で地域外から多様な人々が街へ関わることで総関係人口は倍数的に大きくなる、ニューとオールドが混ざりあって活力のある美しい景色となっていく___。

瀬戸田をはじめ、これから増えていく関わりを持つご近所において、文化的資本、自然環境的資本、そして経済的資本全てを上昇気流に乗せつつも調和している状態がつくれたならば、そこはきっと住み良く、気の良いローカルが鼻歌を歌いながら商店街をあるいていて、フラッと旅でその地を訪れた誰かの心を動かすと僕は信じています。

*ミクロな範囲:尾道市瀬戸田町での取り組みで言う全長400mほどの「しおまち商店街」。端から端まで20分くらいで歩く事のできるエリアが理想。

誰と成し遂げるか

結局どんな崇高な理念や概念を語っても、一番大事なのは誰とやるかだよねって思うわけです。そして「誰とやりたいか」を突き詰めると「どんな人生を生きたいか」という問いに行き当たります。

「どんな人生を生きたいか」の問いに対して僕はいつもエイドリアン・ゼッカさんを思います。出会いは彼が82歳の時。89歳になった今でも、ありがたいことに彼との縁は続いています。

そんな彼が83歳の時、それまで30余年かけて育ててきた会社から不条理な退任を強いられることになった場面で、僕は奇しくもその場に居合わせました。その時の彼の背中を思い出すだけでも心がえぐられます。彼の退任後、自分もその会社と関わらなくなり、連絡を取らなくなって「さすがに引退だよね」と思っていたんです。

それから3年経った頃、ゼッカさんから「新しいホテルブランドをローンチするからぜひ来てくれ」とベトナムのカントーに招集されることに。そこで自分がこれからどう人生と向き合うべきかを定義づける印象深いシーンに出会うことになったのです。

100人以上が参加した華やかなオープニングセレモニーが終わり、夜11時をまわって部屋へ戻る人たちも出て来た頃、ゼッカさんはホテルのバーへと静かに移動していました。12時をまわる頃には、ワインやウィスキーを片手に彼と過去時間を共にしてきたスタッフや、一度は袂を分かったビジネスパートナーたちが一人ひとり、彼のもとに近寄り「おめでとう。本当におめでとう。」祝福する姿が。老いも若きも集まり「あの頃はゴメン」「あの頃は楽しかった」などと語り合いながら、暖かな輪がバーには広がっていたのです。ゼッカさんはその場でずっとニヤニヤしながら「お前とは次は○○をやりたい。あの街はどうなった?まだ美しいか?」と乾杯をする度に聞いていました。85年分のbitter & sweetが詰まった会話と光景に胸が熱くなりました。そして、85歳のおじいちゃんが誰よりも未来の話をしていたのが印象的だったのです。

「仕事は最高だ。友達でも家族でもなく、仲間になれる。」

開業前から数えるとStapleはもう少しで4歳になろうとしていますが、僕が85歳になる頃には会社は53歳になります。それまで今の仲間たちとずっと一緒に働けるわけではないでしょう。Stapleも形を変えていくでしょう。それでも一度仲間になった者同士の繋がりがずっと続いて、20年後、30年後、ふとした瞬間にまたStapleに戻ってきたりしながら「今度はこの社会課題を一緒に解決しよう」「これを一緒にやってみようよ」と85歳まで言い合いたいものです。

会社が細い木から大樹に育っていくようなものなのだとしたら、今いる仲間は年輪の様に確かに刻まれ、これから50年分の年輪が刻まれながら育つのでしょう。人生も会社の道も長く険しい。でも最高の仲間がいれば楽しいし、一人では解けなかった大きな社会課題を解決できる。僕にとって会社とはそういうものです。

開業前から数えるとStapleはもう少しで4歳になろうとしていますが、僕が85歳になる頃には会社は53歳になります。それまで今の仲間たちとずっと一緒に働けるわけではないでしょう。Stapleも形を変えていくでしょう。それでも一度仲間になった者同士の繋がりがずっと続いて、20年後、30年後、ふとした瞬間にまたStapleに戻ってきたりしながら「今度はこの社会課題を一緒に解決しよう」「これを一緒にやってみようよ」と85歳まで言い合いたいものです。

会社が細い木から大樹に育っていくようなものなのだとしたら、今いる仲間は年輪の様に確かに刻まれ、これから50年分の年輪が刻まれながら育つのでしょう。人生も会社の道も長く険しい。でも最高の仲間がいれば楽しいし、一人では解けなかった大きな社会課題を解決できる。僕にとって会社とはそういうものです。

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