こんにちは、ドクターメイトのアオパンです!
ドクターメイトは、いつでも介護関係者のそばに医療がある安心をお届けするため、日中医療相談の他、夜間のオンコール代行サービスを提供している会社です。
この度ドクターメイトは、シリーズBラウンドにおいて、合計10億円の調達を完了いたしました。
そこで今回は、当社代表とCOOに加え、投資家としてドクターメイトを支えてくださっている、グローバル・ブレインの鈴木さんと、Aflac Ventures Japanの木村さんをお招きし「なぜドクターメイトに投資しようと思ったのか」を、根掘り葉掘り聞かせていただきました。
ドクターメイトが投資家と共に描く未来と、その面白さ。そして、そこに至るためにスタートアップが乗り越えるべき壁について語っていただきます。
登場メンバー
・鈴木祐介さん(グローバル・ブレイン Partner):写真中央右
外務省、マッキンゼーを経て現職。外務省ではフランス駐在や皇室・総理のフランス語通訳などを経験。マッキンゼーでは戦略や組織関連プロジェクトの他、全社変革プログラムの立案及び実行支援等に従事。現職では主に国内スタートアップに幅広く投資を行っている。
・木村沙織さん(Aflac Ventures Japan シニアアソシエイト):写真中央左
豊田通商にてIT開発/導入プロジェクト管理や自動車部品の輸出入等に従事。メキシコ駐在中は現地の組織・業務改善を実施。その後、ドリームインキュベータにて大企業向け新規事業コンサルティングに従事。 現在は、介護・データ領域のスタートアップ投資や関連M&Aを担当。
・青柳直樹さん(ドクターメイト 代表):写真右
千葉大学医学部卒業。皮膚科医として働くうちに、介護施設からの患者の状態に課題感を抱くようになり、ドクターメイト株式会社を創業。高齢化の進む日本において、医療介護の課題を仕組みで解決すべく奔走中。
・宮﨑共生さん(ドクターメイト 取締役COO):写真左
不動産企業に新卒入社し、以後も一貫して営業・採用職に携わる。リクルートキャリアおよびアソビューでの法人営業、マネジメント経験を経て、親族の介護体験を機に現場課題の解決をしたいと考え、ドクターメイトに参画。
事業モデルを聞いたら「逃しちゃいけない、出資すべきだ」と直感できた
ドクターメイトとの出会いは?
木村:2020年に、ドクターメイトさんが秋田の介護施設にサービス導入したというリリースを当社のメンバーが見つけて、会社の存在を知りました。当時、アフラック生命は介護保険の発売前だったのですが、出資・協業の観点でお話を伺ったのが始まりです。
青柳:「介護施設について勉強中なんです」とおっしゃってましたよね。そのころは積極的に出資を募る気持ちはなかったのですが、お話しさせてもらえたのはご縁でしたね。
鈴木:グローバル・ブレインとしては、最初の出会いはインキュベートキャンプですね。その後、モーニングピッチに出ていた青柳さんを見て、2020年の秋に当社のキャピタリストがドクターメイトのオフィスに伺って、お話を聞いてきました。ただそのときは「面白そうな会社なんですが、資金調達は入れなさそうです」と報告を受けて……。
それでも、詳しく事業モデルなどを聞いていくうちに「こんなに素晴らしい会社に投資できるチャンスを逃しちゃいけない」と思ったんです。我々が出資をしたら何を一緒にできるかをしっかり伝えて、もっとアトラクトしなくては! と思いました。
それで、キャピタリストに「次は一緒に会いに行って、どんなサポートできるか議論してみない?」と伝え、2回目から青柳さんたちとお話しさせてもらいました。
宮﨑:どういう部分で逃すまいと思ってくれたんですか?
鈴木:僕は前職がコンサルなので、すぐに成長性や利益率を試算しちゃう癖があるんです(笑)。その際に「これは伸びる会社ではないか」と直感したんですよね。その上で、社会課題を解決して未来を作るという想いもあって、そういう中長期的な目線もよかったですね。やはりVCとしては、世界を作っていく会社に投資できるのは嬉しいですから。
出資したいと思った理由はどんなところですか?
木村:鈴木さんのおっしゃるように、市場が大きくて利益が出て成長しそう、というのもあるんですが、ニーズがあるというのも大切でした。介護領域で、介護報酬加算(※)にも絡められるサービスだというのが大きな魅力でしたね。
※介護報酬加算……事業者が利用者に対して介護サービスを提供した場合に、事業者に支払われる報酬のこと。介護サービス向上のために、定められた条件を満たすと加算請求ができる。
人材不足の業界なので、人材紹介業で課題解決をしようとするスタートアップが多いと思うんですが、そうではない角度で切り込んだのが面白いなと思いましたし、チームとしても「すごくいいよね」と話していました。青柳先生が医師として、医療的な専門性を活かしているのも、他にはない魅力ですね。
鈴木:介護施設で投資検討のレファレンスチェックをさせてもらったときに、施設の方から聞いたお話がポイントでした。
青柳先生がその施設に初めて行ったとき、「何か助けられることはないですか」と現場の方の話を深く聞いて、どうしたら良くなるのかディスカッションしたそうですね。ロジカルに解決策を考えるだけじゃなく、強いパッションを持って「解決したいんです!」と熱い思いを語ってくれて、現場のメンバーからもすごく信頼を集めた、と。
ドクターメイトのサービスを使って残業が半減したという具体的な数字も教えてくれて、成果が出ているのもわかりました。何より「施設を挙げて、みんなで青柳先生を応援しています!」とおっしゃっているのを聞いて、現場に入り込めるいい代表、いい会社だと確信したんです。この話は絶対に、投資委員会で紹介しようと思いました(笑)。
青柳:知らなかった話もいっぱい出てきて幸せだ……。本当にありがたいです!
未来と世界を作る事業に関わりたいから、一緒に走りたい
ドクターメイトに関わることの面白みとは?
鈴木:青柳さんが良くおっしゃっている、医療介護費を適正化して教育予算を増やすなど、国の予算のあり方を変えたいというメッセージは、本当にそうだなと共感しています。現場の課題を解決するというのは、今、目の前にある課題そのものを解消させるだけではなく、中長期的に、サスティナブルに未来を作っていく仕事だと思うんです。
月次報告とは別に、経営陣のみなさまと月に2時間ほど時間をとって、中長期の議論をしていますが、それがすごく楽しいんです。医療と連携することで、介護の質を下げずに、むしろ従来よりも高い水準で、現場にとって無理のない状態を作る。そうして課題を解決したその先の「未来を作る」ところまで足を伸ばしていってほしいなと思いますし、そこを一緒に歩んで行けたらいいなと思ってますね。
木村:未来を作るというのは、我々も同じように楽しみにしているところです。アフラックもすべての人が自分らしく生きていく、という世界を作りたいと思っているので、同じ方向を向いている会社さんとご一緒できるのは嬉しいですね。介護現場の医療知識不足などを一歩一歩解決していった先で、きっと良いシナジーが生まれると期待しています。
鈴木:事業としてSaaSと言えると思いますが、医療と介護の連携は今後、インフラにもなるなと思ってるんです。テクノロジーを使いながら介護施設になくてはならない存在としてシェアを高めていくことで、まず面を取る。公共で賄えないところを社会インフラとして整えていき、そこから新規事業などで、さらに深く価値を創造していくことができるんですよね。プラットフォームとして介護業界を支える会社になっていくと思うと、すごくワクワクします。
青柳:成し遂げたいことをこんなに深くご理解いただけている。嬉しいですし、本当に心強いです。
10億調達のその先へ。変わる状況のなか、どこまで変わらずにいられるかが勝負
調達後に大切にしてほしいことは?
鈴木:今回、10億円の調達に成功したのは重要な一つの区切りではありますが、運転資金が用意されたことによって「ちょっと一息」な空気になって、疾走感や緊張感が緩まないといいなと思っています。これまでも、青柳さんの疾走と俯瞰のバランスや根底にある人柄が素晴らしいと思ってきたので、そこはずっと変わらずにいてほしいですね。
宮﨑:元々は6億円くらいをイメージしていたので、想定外な調達ボリュームなんですよね。僕らにとっても不安な部分ではあるので、ご教示いただきつつやっていきたいです。
鈴木:マーケットの環境が流動的な中で蓄えができるのはいいことですが、スタートアップは最速成長のためのスピード感も大切にしてほしいですね。「上場企業になっても、変わらず社長が想いをしっかり実現し続けている会社が伸びるよ」と、他の投資家さんもよくおっしゃってます。
むしろぶっ飛んだ行動し続けちゃって、VC側が「スピード感は素晴らしいけど、こちらの視点も重視してみようか」と、社長を止めるくらいの勢いでもいいと思います(笑)。むしろ、そうやって状況に応じて客観的・俯瞰的な視点を経営に追加するのが我々の役割かな、と。
青柳:頼りになります! やりたいことはたくさんあるので、みなさんがブレーキを踏んでくれるなら、安心してぶっ飛べますよ(笑)。
鈴木:あとは、組織規模が拡大しても、ドクターメイトの「すべての株主・すべての従業員が参加できる株主報告会」は継続してほしいですね。経営層と従業員の隔たりがなく、信頼関係や透明性が確保されているからこそできる報告会だと感じます。特徴的な取組だからこそ、何人の組織まで続けていけるかはチャレンジですよね。
これからのフェーズを乗り越えるためのアドバイスをお願いします!
宮﨑:これからドクターメイトは、いろいろなスタートアップが苦労しているフェーズに突入すると思うんですが、それを乗り越えていく上でのポイントってありますか?
鈴木:一番大切なのは、リソース分配の優先順位づけ。「経営的に真っ先にリソースを割り振るべき課題は?」という問いの答えが、タイミングによって目まぐるしく変わるのがスタートアップだと思うんです。朝令暮改になったとしても、それは悪いことではなくて、常に正しい判断、新しい挑戦をしていけるかどうかだと思います。
そして、その状況に応じて機敏に変わる優先事項に、しっかりとついていける組織を作ること。体制的にもマインドセット的にも整えておかないと、いい人材が入社してくれても、パフォーマンスが十分に発揮されなくなってしまいますからね。
……とはいえ! 今のところ、ドクターメイトにはそういった不安はありません。引き続きがんばってね! くらいの感覚です。
ドクターメイトが我々株主に対してファミリーとして接してくれるから、こちらとしてもどこまで一緒に遠くへ走っていけるか、多くの難問に対してどれだけワクワクする答えを見つけていけるか、楽しみにしています。そこに賛同してくれる人がもっと増えて、どんどん入ってきてくれるとさらに強い会社になっていくんだろうなと、期待しています!
青柳:イメージできることは実現できると思うので、初心を忘れずに頑張っていきたいと思います。引き続き応援よろしくお願いいたします!
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