テラスカイ・テクノロジーズ(以下、テラテク)では、カスタマーサクセスエンジニアを目指し、コミュニケーションやロジカルシンキング、クリティカルシンキングといった汎用性の高いビジネススキル(ポータブルスキル)を習得するための研修を定期的に行っています。12月にはクリティカルシンキング研修を第1回、第2回に分けてオンラインで実施しました。ハンズオンも交えたこの研修には50名ほどが参加し、「クリティカルシンキングとは?」といった基礎から実践までを学びました。
カスタマーサクセスに必要なビジネススキル「クリティカルシンキング」とは?
テラテクが目指すのは「カスタマーサクセスエンジニア」。カスタマーサクセスなので、お客様のビジネスの成功を支援し、顧客満足度を高めることがミッションになります。お客様の成功支援のために必要な「課題解決や提案」といったアクションにはビジネススキルが不可欠。クリティカルシンキングはこのビジネススキルのひとつになります。ある事象を批判的に捉えて、本質的な課題は何か、それに対する仮説・回答は何かということを客観的に考え抜く思考法でエンジニアだけでなく、さまざまなビジネスシーンで活かせるスキルとして注目されています。
客観的な視点を持つと良い理由としては、正確な事実を基準に判断できる、矛盾点や漏れを見逃しにくい、ミスやリスクを回避しやすい、事実に基づく円滑なコミュニケーションがとれる、新たな発見につながるが挙げられます。例えば、どこかの会社に訪問する際、「どの電車のルートが良いか?」と考える場合。そもそもその会議は必要なのか、移動手段は電車が良いのかなど、前提からさまざまな視点で考えるのがクリティカルシンキングです。つまり、業務においてはお客様が悩んでいる課題は「本当の課題なのか」を考えること。実はそれは表面的な問題で本質は違うかもしれない、そもそもの前提が違っているのかもしれない。そのような思考が重要だという課題への向き合い方から研修は始まりました。
ハンズオン「オズボーンのチェックリストを活用していろんな角度で考える」
第1回の後半はアレックス・F・オズボーン氏によって考案された、アイデアを生み出すためのフレームワークを活用したハンズオン。Meetに分かれて「皆に読んでもらえる新しいDMを作りたい」というテーマについて、チェックリストを用いてグループワークでアイデアを出し合いました。
リモートながらどのグループもとても楽しそうに盛り上がった15分間。意見出しが終わったら、それぞれ発表まで行い、多角的な視点や意見で考えるクリティカルシンキングの大切さを実感する時間になりました。
カスタマーサクセスのために必要なスキル、クリティカルシンキングを習得
第2回の前半では、実際に現場のプロジェクトで起こった事例をもとに、課題の本質を考えることの重要性について説明がありました。「ITのプロジェクトにおける上流工程では、抽象的な課題を具体的に解決策に整理することが求められます。つまりクリティカルシンキングが必須のスキルであるといえます」と、研修の講師を務める大崎さんは強調します。
今回のハンズオンは、「グループワークをもっと効率的に進めるには?」をテーマ例にして、フレームワークを用いてあるべき情報の整理、そして、クリティカルシンキングのステップで考えをまとめていきました。
クリティカルシンキングのステップとして、①すべての関係者の洗い出し、②業務ヒアリング、③仮説の妥当性の検証、④真の課題が正しいか検証、⑤課題が適切か判断、⑥思い込みがないかどうかを意識、というプロセスを紹介し、参加者にはグループワークを通じて客観的に考えることを実践的に体験してもらいました。
クリティカルシンキング研修について、講師担当の大崎さんは「この研修に限らず、テラテクの研修は講師陣が完全にゼロから設計しているので、社員の実例や悩みを反映した、実践に活かせる内容になっています。特にクリティカルシンキングなどのビジネススキルについてはエンジニアだけでなく、営業や管理部門など、どの職種の方の業務にも活かしてもらえる内容です。全社員に身に着けてほしいスキルなので、ぜひ積極的に参加してほしいです」と話していました。
▼アンケートより参加者の声
- 見方によって見え方が変わるというのが印象に残っています。多角的な視点から見れるようにしたいです。
- 仕事をする中でクリティカルシンキング(前提を疑う)がなぜ重要なのかというお話を聞き、そもそも今まで自身は基本的にロジカルシンキングでの考え方ばかりしていたということに気づく良いきっかけになりました。
- オズボーンのチェックリストを使って広い視点でアイデアを発想すること。グループワークの発表も聞いて、同じアイデアでも自チームと別チームで当てはめているチェックリストの項目が異なることも面白いなと感じた。
- エンジニアの実体験一人目の方の話が印象に残りました。お客様からの要望を鵜呑みにするのではなく、なぜ必要になったかの背景も踏まえて組織を実装する必要があると学びました。
- クリティカルシンキングのステップについてが印象に残りました。これまで私は何かを考えたり説明する際、具体化したり数値化することが苦手で、なんとなくで進めてしまうことが多かったです。しかし、今回のようにチェックリスト的な形で考え方のナビゲーションがあるとわかりやすいと感じました。今後、社内外問わずコミュニケーションに生かしていきたいです。