1
/
5

【CTO×CPO対談】店舗に関わる膨大なデータ×AIで、店舗経営の新しいカタチをつくっていく

※このストーリーは、noteで発信した記事を転載しています。

【CTO×CPO対談】店舗に関わる膨大なデータ×AIで、店舗経営の新しいカタチをつくっていく|株式会社カンリー 公式note
こんにちは! カンリーでエンジニア採用を担当している宮本です。 "カンリーの未来"についてボードメンバーに話を聞いてみる企画の第3弾は、CTO小出とCPO(Chief Product Officer:最高プロダクト責任者)友近の対談をお届けします。 ...
https://note.com/canly/n/n183b0d86b87f


こんにちは! カンリーでエンジニア採用を担当している宮本です。

”カンリーの未来”についてボードメンバーに話を聞いてみる企画の第3弾は、CTO小出とCPO(Chief Product Officer:最高プロダクト責任者)友近の対談をお届けします。

プロダクトを通して世の中へ、人々へどのような価値を提供したいのか。そのためにエンジニアとプロダクトマネージャー(PdM)は何をすべきなのか。エンジニア部とプロダクト部をリードするお2人に、語っていただきました。

執行役員CTO 小出 幸典

慶應義塾大学大学院修了。アクセンチュア株式会社を経て、2014年7月に株式会社Gunosyへ入社。メディアプロダクトの配信アルゴリズム開発や、全社データ基盤構築等を担当し、2019年7月にCTOに就任。2022年より業務委託としてカンリーの事業に携わり、2024年9月に執行役員CTOに就任。エンジニア部を管掌。

▼参考記事:カンリーのエンジニアかくあるべし

カンリーのエンジニアかくあるべし|株式会社カンリー 公式note
こんにちは!「店舗経営を支える世界的なインフラを創る」をミッションに掲げる 株式会社カンリー でCTOをしている小出です。 この記事は『カンリー Advent Calendar 2024』の25日目(最終日!)の記事として執筆しています。カンリーではAdvent Calendarは初めての試みでしたが、無事、最終日まで完走できたことを嬉しく思っています。 (寄稿して頂いた皆さん、ありがとうございました :) adventar.org 以前、入社エントリを書かせて頂いたのですが、「これから何をしていくのか」
https://note.com/canly/n/naf5da26f9d30


執行役員CPO 友近 玲也

Sansanに入社後、名刺アプリEightのUI/UXデザイン、グロース、ブランディングに従事。同時にEightのUI/UXデザインチーム組成にも携わる。その後、自身で会社を立ち上げ、大小さまざまな企業のプロダクトグロースを支援。BCGのデザイン・PdM組織立ち上げチームにも参加。2021年より執行役員CPOとしてカンリーに参画。全ブロダクトの戦略〜事業拡大を担う。

▼参考記事:領域を融かしていく、カンリープロダクトチームの考え方

領域を融かしていく、カンリープロダクトチームの考え方|株式会社カンリー 公式note
はじめまして。 カンリーでプロダクト部を統括しているCPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)の友近です! 自己紹介 まずは私の経歴を簡潔に話します! いや、やっぱりやめて、思いの丈を伝えながら所々で経歴含めた自己紹介していくことにしました。 ...
https://note.com/canly/n/n5505d76880a6


工数削減から利益の創出へ

小出さん(以下、小出):
実は、前から友近さんに聞いてみたいと思っていたことがありまして。プロダクトの優位性とでもいうのでしょうか。カンリーを使ってくださっているお客さまは、どんなところに良さを感じてカンリーを使っている、または、使い続けてくださっているのかなと。

友近さん(以下、友近):
現状でいうと、プロダクト単体ではなくサービスとして優位性があるのかなと思っています。BPOとSaaSを足したサービスとしての考え方と同じで、カンリーの場合、BPOに当たる部分がカスタマーサクセス(以下、CS)になります。

優位性になる要素は、あと2つあると考えています。ひとつは、価格設定。もうひとつは、複雑な機能をたくさん盛り込むのではなく、店舗経営者が使いやすいよう、体験と機能をシンプルに設計していることです。ただ、正直なところ、機能で差別化していくのはむずかしいと考えていて、今後はより本質的な価値を提供することにフォーカスしていきたいなと思ってます。

小出:
もっとたくさんの価値を提供できる可能性があるということですよね。

友近:
はい。今、確実に提供できている価値はプロダクトとCSによる作業工数の削減で、ここから間接的にMEO(※1)としての集客ができている状態です。つまり、プロダクトだけでは「集客」という価値を最大限に提供できていなくて、お客さまとCSが一緒に考えて、更新していく作業が必要なんですね。

(※1)MEO:マップ検索エンジン最適化の略で、Googleマップなど地図検索エンジンで検索結果が上位に表示されるようさまざまな施策をすること



では、僕たちが提供したい価値とはなんなのか。これまで1週間かかっていた作業を85%以上削減できたとして、その時間を集客とか収益向上のような本質的な店舗経営の課題に向き合う時間に当てさせてあげることなんですね。これが実現できれば、「店舗の顧客接点を最適化する」というビジョンにもっと近づけるのではないかと思っています。

小出:
SMB向けにはカンリー丸投げ集客(※2)といったサービスもあるとはいえ、お客さまにやってもらわなくてはならない部分が、かなり多いですからね。もっと本質的なところに目を向けてもらうために、お客さまとCSの作業工数を減らし、価値創造に当てられる時間を増やしてもらいましょう、と。
(※2)カンリー丸投げ集客:Googleマップ運用を中心にHP制作や広告など、最適なパッケージを提供するサービス

友近:
おっしゃるとおりです。最終的にはAIやAIエージェント(※3)を取り入れて、お客さまやCSが「考えること」を極限まで減らしつつ効果を最大限にできたらいいなと。また、AIを取り入れることがプロダクトにおける体験向上のひとつにもなると考えています。
(※3)AIエージェント:本来、人的資源を必要とする複雑なタスクを自動化できるAIツール

間接的に集客するだけでなく、直接的な集客をサポートできる新しい概念も取り入れていきたいんですよね。そうすることで、作業工数や考える時間を大幅に減らせて、店舗がお客さまに向き合える時間を増やせるというわけです。広い意味でのマーケティング支援ができるという意味で、大きな意義があるのかなと。

小出:
この前、萩野さん(CIO)と話したときにも「最適化」というキーワードが出てきました。ブロードキャスト(同じタイミングで同じ情報を一斉に送る)的な方法でコストをかけて集客すれば利益がでるのかというと、そうではなくなってきているんですよね。実際、GoogleやAmazonは顧客の購買行動データを持っていて、そのデータを使って広告を配信したりレコメンドしたりして、利益をあげているわけですから。

友近:
データを集めれば集めるほどパーソナライズできて、利益にもつながるという話ですよね。店舗の場合、来店者に関する情報など秘匿性の高いデータを分析できるようになれば、どういう事業者、店舗にどのようなアプローチをすれば良いのかがわかるようになり、双方にとってのメリットが作れると思います。

さらにAIを組み込むことで、CSなどの人力支援と併せてカンリーに任せておけばすべて解決できるという世界が、いよいよ現実味を帯びてきますね。

新規プロダクト開発は、予測できないことが起こるからおもしろい

宮本:
データという軸で、どんな価値提供ができるのか、優位性につながるのかについて、詳しくお聞きできればと思います。

友近:
集客と採用それぞれのファネル(※4)に相関を持たせられるのが、カンリーならではの強み、優位性になると思います。現時点でいうと、カンリー店舗集客(※5)は集客、カンリー福利厚生(※6)は採用というファネルがあって、店舗の顧客=潜在的な採用人材、ロイヤルカスタマー=アルムナイ(元従業員)という捉え方ができると思うんですね。



実際、GBP(※7)で求人募集を出したところ、これまでの5倍の採用につながるといった成功事例も出てきていて、シームレスなシナジーを生み出せるようになってきています。
(※4)ファネル:顧客が商品やサービスを知ってから購入・導入に至るまでのプロセスを図式化したもの
(※5)カンリー店舗集客:ホームページやGoogleマップ、LINEなどを効率的に管理できるツールで、広告に頼らず自社の力で集客できるよう支援
(※6)カンリー福利厚生:位置情報を利用した福利厚生サービスで、雇用形態や働く場所に関係なく使えるのが特徴
(※7)GBP:Googleビジネスプロフィールの略。Google検索やGoogleマップなどにビジネスや店舗情報を表示し、管理できるツール

最初に優位性の話をしましたが、やはり単体の機能ではなく、店舗事業者さんの体験を良くしていくという方向性で、何が提供できるのかを考えたほうが筋が良さそうな気がしています。

小出:
トータルで、パッケージとして提供するイメージですかね。〇〇のデータがあるから〇〇の体験が作れて▲▲のデータが集まる、▲▲のデータがあるからまた別の▲▲という体験が作れて■■のデータが集まる。単体ではなくデータ群でやるからこそできることがあって、これを広げていきつつ、レバレッジを効かせながらいろいろな体験を作り出していく。

すでにやっているところだと、カンリー店舗集客で得た店舗データがカンリー福利厚生導入の足掛かりになって、従業員のデータが集まる。カンリー福利厚生で得た従業員データで、自社の人材データベースが作れるようになり〜、という感じのことですね。

友近:
そうですね。ちょっと別軸の話になりますが、こういう大量のデータが集まってくる環境は、エンジニアにとっておもしろいんじゃないかなと思うんですよね。プロダクトとしても、もっともっとおもしろいことができるようになりますし。

小出:
複数プロダクトがある状態でサービスや事業の設計、データがどうあるべきかなどを俯瞰して考えカタチにしていく経験って、なかなかできる機会がないですからね。もちろん簡単ではないので、友近さんも僕もうんうんと唸りながらやってはいますが、めちゃくちゃおもしろいです。

宮本:
お2人とも、採用向けにいい感じでまとめてくださり、ありがとうございます(笑)。
プロダクト単体ではなくトータルで価値提供を目指すとのことですが、プロダクト単体として提供したい価値とトータルで提供したい価値は、どのように関連づけていくのでしょうか?

友近:
全体から逆算していくイメージですね。会社全体の一番上にある大きな目的から、ちゃんと枝分かれしたものになっているかどうか。要は、プロダクト戦略が会社全体の大目的=戦略に紐づいているかどうかが重要だと考えています。

宮本:
ちなみにカンリー福利厚生は、どのような目的、戦略があって作られたものなんですか?

友近:
参考にしたのは、インターネット広告事業を展開している企業です。ホームページやLINEなど一般的なメディアに加え、独自メディアを持つことにより、ネットワーク効果でものすごく成果を出していたんですね。ネットワーク効果とは、同じネットワークに属するユーザーが増えるとユーザーの効用が高まることで、情報を変えればカンリーでも同じことができるなと考えたんです。ちなみにこの場合、店舗検索ページやカンリー福利厚生が独自メディアになります。

なお、最初の段階では、カンリー福利厚生を使っているお客さま間での相互送客などのネットワーク効果を狙っていました。

宮本:
そうだったんですね!


小出:
若干、偶発的な要素があったのかなと(笑)。もちろん、当時からHRに進出していくぞという気持ちはあったわけで。いろんな意味で、転換点になったプロダクトですよね。

宮本:
なるほど。新しいプロダクトを作るときは目的や戦略から考えていくのが定石だけど、すべてを予測することはできないと。

小出:
そうですね。HR領域で今、開発しているプロダクトも、めちゃくちゃ試行錯誤してますし。予測は立てるものの、そのとおりに進むとは限らない。でもだからといって、予測を立てるのをやめてはいけないんですよね。どんな効果を生み出せるのか、どんな価値を提供できるのかを常に考え続けなくちゃいけない。

一方で、カンリー福利厚生のように思わぬ効果やシナジーが生まれることもあって。こういう予測不可能なことが起こるのが、新規プロダクト開発に関わるおもしさのひとつだと思います。

エンジニア部とプロダクト部が一丸となって、インサイトを追求する

宮本:
主に、データやAIの活用についてお話しいただきましたが、ほかに取り組みたいことはありますか?

友近:
エンジニア部とプロダクト部で横断的なリサーチチームを作って、定量的・定性的なリサーチとヒアリングをやれるようにしたいですね。

カンリー福利厚生カンリーワークを開発しているHR事業部では、定期的にユーザー会を開催して、積極的にヒアリングをしています。一方、カンリー店舗集客は現状、CSのヒアリングが中心となっています。これ自体はとてもありがたいことで、競合と比較してカンリー店舗集客にない機能などは把握できているのですが、まだまだユーザーの解像度が低いと感じていまして。もっとインサイトを深掘りしなくちゃと思ってます。

宮本:
インサイトを深掘りするには、どのようにリサーチやヒアリングをするのですか?

友近:
単にお客さまの声を聞けばいい、というものではないんですね。お客さまが本当に欲しいものって、たぶん、お客さま自身も気づけていなくって。

小出:
1つの例として、「CSVというインターフェースが欲しいと言われるものの、本当に必要なものなのか?」という議論は、たびたび出ますよね。自社とカンリーのデータ、どちらをマスター(正)にしているのかであったり、日々どのように運用しているのかを聞いておかないと、本当は何に困っているのかがわからない。この状態で何かインターフェースや機能を作ったとしても、お客さんの運用の一連の流れに上手くはまらなくなってしまうんですよね。

友近:
おっしゃるとおりです。今、思い出したのですが、2年ほど前にカンリー店舗集客に関してヒアリングを実施したんですね。そのとき、日々の投稿をどうやってしているのかを見せていただいたら、カレンダーで投稿スケジュールを管理されている会社が複数ありまして。

この時点ではどのお客さまからも「カレンダー機能がほしい」というご要望はあまりなかったのですが、カレンダーで投稿を管理する体験をモックで作ってみたらすごく反応が良かったんです。なにが言いたいのかというと、やはり、潜在的なニーズや課題は、普段の行動や困っていることから見つかるものなんだなと。こういうインサイトをたくさん見つけて、プロダクトに素早く反映していきたいですね。

こういったことができるようになれば、データ、AI、インサイトを活用した、本質的なプロダクトのグロースができる環境が整う気がします。

小出:
そうなると、データやサービスの規模が大きくなって、また、どんどんおもしろくなってくると。

友近:
アイデアなどをカタチにできるチャンスも、たくさんありますからね。店舗の未来を創るというチャレンジを一緒に楽しんでいきたいですね。


このストーリーが気になったら、遊びに来てみませんか?
テックカンパニーの組織を創る/店舗DXを推進する企業でエンジニア採用責任者
株式会社カンリーでは一緒に働く仲間を募集しています
9 いいね!
9 いいね!

同じタグの記事

今週のランキング

カンリー 採用広報担当さんにいいねを伝えよう
カンリー 採用広報担当さんや会社があなたに興味を持つかも