今回は弊社について知ってもらおう!ということで弊社代表取締役 近藤修と弊社取締役 渡辺に会社創業までの話を聞いてみました。
写真を見てもお分かりの通り、インタビュー中も常に笑いが絶えず終始和やかな雰囲気の中、でこちらには書ききれない話もたくさん聞くことが出来ました(笑)
登場する人
近藤 / 代表取締役 CEO(写真左)
渡辺 / 取締役 COO(写真右)
Q,アクルの設立までの経歴を教えて下さい。
|近藤
97年に新卒で証券会社に入社してから外資系を含めた金融業界で社会人生活を送っていました。バックオフイス系の仕事でしたが、もう少し動的に、自分が主体となって動いていく仕事の方が自分に向いているのかなと思い、キャリアを振る意味もありましたが、会社を辞めて、海外放浪に出ました。ちょうど30手前でした。
その後アメリカはサンディエゴに留学します。語学学校に行ったり、大学で社会人向けのビジネスプログラムを受講したり、海外を2年ぐらい見て回りましたね。
↑ 記念すべき30歳の誕生日は、放浪先のメキシコシティでした。
日本に帰国してからは4年ほど独立系の投資会社でM&Aアドバイザリー、事業再生等に携わりました。
その後独立し、個人で投資コンサルティングをしていたんですけど、たまたま前の会社の元同僚を通じて、GMOペイメントゲートウェイ(以下、GMO-PG)で海外、主に東南アジアの決済代行会社に出資する案件があるので受けてくれないかという相談をもらいました。シンガポールとタイの決済代行会社に対する投資案件を業務委託という形で請け負いました。
そのまま、GMOーPGが本格的に海外事業展開にも力を入れていくということで、正式に入社して海外事業開発室というところで海外の現地法人の設立、海外の投資案件を担当しました。また、日本の法人が海外向けビジネスを展開する際に、ワンストップで海外の現地決済システムを利用できるサービスのプロジェクトにも携わっていました。
当時海外ではカード不正によるチャージバックが非常に多く、大きな問題になっていましたが、その課題に直面したのが、今のビジネスに繋がる源流であり、またきっかけとなります。日本国内では、チャージバック被害によるリスク意識はまだそれほど高くなかった時でした。
↑ GMO-PG時代。台湾でファーストクライントとなった土屋鞄さんの台北ショールームで。今と違って爽やか?(笑)
ある時、知り合いからチャージバックの損失を補填するサービスを提供するスタートアップがあり、海外展開で人を探していると。珍しいなと。しかし、そもそも海外ではチャージバックをそのまま補填するといったサービスはなく、それはものすごく可能性があるなと思いました。興味本位もありましたが成長性も感じその会社に飛び込みました。
その後、日本国内でもチャージバック自体が増加し、今後保証だけでは根本的な解決にはならないと悟りました。
そこで保証だけではなく、不正検知システム等と組み合わせることで、より具体的なソリューションを提供する会社を創業しました。それが2015年12月です。その後元々出資もしていただいていたショーケースの、子会社アクルとの合併を経て、今に至る、という形です。
|渡辺
新卒で人材派遣会社に入りました。イケイケな風潮で、ここのビルの上から下まで新規営業行きましょう、という形で1日100件の飛び込み営業とかをしたんですが、そういった業務を通じて「仕事に対する姿勢」「人それぞれ価値観がある」ということを学びました。
ただ、もっと自分が主体になってビジネスをやりたいということで退職しました。
人材派遣会社で様々な人と会った中で、英語を使える人も多く、いろんな会社から重宝されていたのを見て、単純に「英語っていいな」って思って、軽い気持ちからカリフォルニアを目指し留学に行きました(笑)。
↑ 左:愛車1962年式VWBUSと 右:カレッジ卒業時のショット
カリフォルニアではサーフィンばっかり、というのもあるんだけど、コミュニティーカレッジにも通い、ネット関連ビジネスを専門とする先生の授業を取っていました。
その時代って、Amazonの成長に陰りが出始めるなどネットバブルがはじけた直後でした。「クリック&モルタル」と言われていたんですが、ネットとリアル、両方持ってないと今後生き延びれないよっていう風潮があった時代。
ネット検索もYahoo!が圧倒的で、最近Googleっていう新しいの出てきたよね、と言われ始めたぐらいの時代でした。
通っていたコミュニティーカレッジの先生は「ネットでどうやってお金を得るかというテーマは凄く重要」と言っていて。
当時、ネットサービスをやってお金を得るということはまだまだ難しくてそれが出来ずに潰れていくスタートアップが多かったんだけど、その中で「日本のNTTドコモが凄いぞ」「iモードで情報量としてお金を取ってる」と注目されていました。
アメリカではネット上の情報にお金を払うという感覚はありえないから、「日本人ならiモードを調べてみたら」と言われ、ネットでどうやってお金を得るかというところを調べました。
当時、ネットでお金を取るとなると、支払いはクレジットカードがメイン。じゃあ、その仕組みはどうなってるんだろうと、クレジット決済について勉強を始めるきっかけになりました。
↑ 左:好きなサーフボードショップの前で 右:カリフォルニア在住日本人大会で4位のトロフィー
その後、アメリカと日本で就職活動をしている中でソニーファイナンスという会社でネット決済サービスを提供しており、カリフォルニアから履歴書を送った結果、縁があり就職が決まりました。
ここから、ネット関連決済の担当になって、決済の業界を歩き始めます。
クレジットカードでの月額課金は仕組みが無かったり、複雑だったりで覚えるのも大変でしたが、Yahoo!オークションの個人間取引でクレジットカードを使えるようにするというプロジェクトを担当し、実現することができました。
一方で、当時からネットオークションの世界ではチャージバックがものすごく起きていました。どの様に減らすかという取り組みに力を入れていて、カード会社との交渉を担当するなどの実務を通じて、チャージバックに関しての知識と経験を積みましたね。
その後、チャージバックを保証するサービスをやりたいという人がいて、自分の能力がそこで生きるんじゃないかと思ってそちらに参画しました。入った時は3人しかいなかったのかな…
その後、色々ありましたが、近藤さんが代表として設立した会社に参画し、合併を経て現職という流れです。
Q. 現在のアクルの規模・特徴について教えて下さい。
|近藤
会社としての規模は全体で6名ぐらい。10人未満の小さな会社ですね。
サービスとしては、元々チャージバック保証を提供していたんですが、今はカード業界でのチャージバックが非常に増えてしまっているので、不正利用を減らす検知システムの展開がメインになって来ているかな。
業界としてはかなりニッチな分野だと思いますね。
クレジットカードの不正対策に関するソリューションを提供している会社は国内でもそんなに無く、かつチャージバックを保証するサービスと、不正を減らす対策を総合的に展開している会社たぶん国内ではアクルだけなのかなと。
|渡辺
スペシャリストですよね。
|近藤
マーケティング商材と違ってディフェンシブなサービスなので、EC事業者が具体的な被害を受けないと相談を受けにくいサービスなんです。
だからそこまで営業リソースが必要というサービスではないですし、今は国内のほとんどの決済代行会社とパートナーシップを組み、被害が起きた時に紹介を受ける形でお客さんが増えています。
営業の人を増やして拡大をしていくというよりは、業界内でパートナーシップをうまく組んでクローズしていくっていう感じですね。
Q. お客様にはどんな会社が多く、どの様な課題を抱えていますか?
|近藤
お客様という意味ではオンラインショップを持っている会社で、決済手段としてクレジットカードを用意している会社ですね。いわゆるクレジットカード加盟店と呼ばれるところです。
その中で、チャージバックの被害を受けたための相談がメインですね。
|渡辺
その被害に対して、何らか手を打ちたい、というお客様が多いです。
クレジットカード不正利用の分野について詳しくないから、どういう風に手を打ったらいいか、というご相談ですね。
お客様によっては不正利用についてある程度知識がある人もいれば、全く知りませんという人もいるので、我々の方で噛み砕いてお客様に提案をしているような感じです。
Q. 将来的にどんなところを目指していきたいですか?
|近藤・渡辺
いい質問ですね(笑)。
|近藤
クレジットカードの不正利用被害の規模では、グローバルで圧倒的に大きいのがアメリカで、年間5000億から1兆円ほどのチャージバックの被害が出ていると言われてます。
日本はまだその1/10、500~600億円くらいなので、まだまだ被害規模は小さいんですよね。ただ、日本でも増えてきていて、特にここ2,3年で急激に伸びてきていますね。
国内で言うと、不正検知システムを提供する会社もあるんですが、総合的に不正対策を指南する所までは無く、総合的に不正対策ソリューションを提供できるのも、現時点ではアクルぐらいしかなのかなと思ってます。
まずはその日本のマーケットでナンバーワンになる。ナンバーワンのポジションを抑える、というのがここ1,2年の目標ですかね。
また、クレジットカードの不正っていうのもどちらかと言うとクレジットカード決済の仕組みに足りない点があることによる課題だと思っていて…
例えばカード会社がクレジットカード決済の仕組みをガラッと変えて、不正が起こらない仕組みができた時に、アクルのサービスは必要無くなります。
今のビジネスは未来永劫続くとは思ってませんので、まだ具体的には言えませんが、新たなサービス提供を中長期には実現しなければいけないですし、目指さなければならないと思ってますね。
|渡辺
業界でナンバーワンっていうのもそうですが、日本はアメリカの1/10ぐらいの規模でしかない。
元々日本自体が島国っていうこともあるのか見えないセキュリティに守られている所があると思っていて、どこか上品なところもあると思うんですが、そういう会社が世界に通用するサービスが展開できればすごく面白いんじゃないかなって。
日本だけじゃなくてグローバルというところも考えながらやって行きたいな、日本にずっといる必要もないんじゃない、と思ってます。
幸いに国際色豊かなメンバーがいるので。
|近藤
直近、イベントでWit Japanにブースを出展しましたが、海外のお客さんも来てて。
将来的には海外にもチャレンジしたい、っていうのはありますね。
海外の方が不正の被害は圧倒的に多いので。
そういうところにチャレンジして、アクルの可能性を広げていきたいというのはあります。
↑ こちらの写真は先日のWit Japanでの一コマ。
Q. 最後に、採用という観点でどういう人がアクルにフィットしそうかを教えて下さい。
|近藤
今はスタートアップということもあり数人の小さい会社なので…
大企業とは違って役割が細分化されてなく、自分で仕事を探さなければならないし一人でやらなければならないこともあるので、能動的に仕事ができて会社を成長させていく志を一緒に持てる人に入ってきてもらいたいな、というのはありますね。
チャレンジしたい人はウェルカム。
いろんな意味で自由に仕事ができるので、能動的にチャレンジできる人が合っているかと思います。
|渡辺
好奇心があって疑問に思ったことに対してマニアになれる人、ですかね。
今のカード不正利用の業界でいうとマニアになれる土壌はあると思うのでそれを楽しんでやれる性格の人は活躍できるんじゃないかなって思います。
|栗田(居合わせた栗田にも聞いてみました)
おっといきなり聞かれても…
この前、前職の先輩に、カオスな状態とか好きでしょ?というのを言われて。
決まったものをやっているとすぐ飽きてつまらなくなるというか…良くないんですが。
スタートアップは整備されてなくて、新規事業も正解がないものを模索して行くわけなので、カオスな中を交通整理してビジネスにしていくのが嫌いじゃない人、アレルギー反応が無い、って人は合っているんじゃないかなと思います。
|近藤
いきなり聞かれても答えられないもんですね。
もう少し面白いエピソードとか挟めれば…色々あったんですけどね。
実は会社創業時には色々あり過ぎて。濃すぎてここでは話せませんが、興味ある方は直接連絡ください!(笑)
インタビューにもあるとおり、社内メンバーの人数は少ないながらも金融・決済業界の出身であるため、入社間もなくクレジットカード決済をはじめとするフィンテック業界での事業開発に携わる事ができます。
自由な社風や個人の裁量が大きい一方で、個人の責任や成果は非常に重要になってきます。
新たな事業創出にチャレンジしたい方、一緒にビジネスや会社を創って行きましょう!