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人からはじまる、まちづくり
人口1万人の過疎地、宮崎県都農町(つのちょう)でまちづくりを実践する株式会社イツノマは2020年設立。人口減少、少子高齢化、若者流出が加速する地域の課題解決につなげるべく、未来のグランドデザイン作成、商店街再生、空き家リノベーションを実践。町内唯一の中学校で総合学習・キャリア教育を年間15時間、中学生の地域クラブ「まちづくり部」を主宰、小学生のゼロカーボン推進チームを結成し町議会に政策提言。こどもたちがまちの未来を自分ごととして捉え、まちづくりの体験ではなく当事者として参画するしくみづくりを推進してます。
価値観
「まちづくりの仕事、都市と地方、どっちがいいですか?」とよく聞かれます。都市は市場・需要が大きいけど競争が多いので「競争に勝つ力」が求められます。地方は競争がいないけど、市場・需要がないため、「需要を創る力」が求められます。さらに、都市には多くの情報や拠点、人脈があるため「インプット」するには有利。地方にはインプットの機会は少ないけど、実践する=「アウトプット」の機会は豊富。ぼくらがいる宮崎県都農町(つのちょう)は人口1万人の過疎地なので、より一層、需要を創り出す創造性とアウトプットしまくれる環境です。
イツノマの社名の由来でもある「いつの間に」のスピード感がぼくらの信条です。グッドデザイン賞ベスト100を受賞した、「都農町デジタル・フレンドリー」の企画は、実質1ヶ月で町長に提案、2ヶ月後には議会で1.7億円の予算が可決されました。高齢化・若者流出が加速する町において、のんびり議論している時間はありません。都農町は理屈より「まず、やってみる」を評価します。町の人たちとの日常的な会話の中で、「これが一番問題」という内容を見つけたらすぐアイデアを出して企画にまとめて、役場や町長、議会に最速で提案していきます。
地方創生・まちづくりに関心を持っている大学生が増えているなと実感しています。一方、地方の現場に目をやると、株式会社としてまちづくりを実践している会社はそれほど多くはありません。小さな市場でベンチャーとして経営していくのが難しいからだと自覚しています。ぼくらの経営も決して楽ではありませんが、その分、リアルな地方や経営の体験を提供できます。人口1万人の規模ならではの距離の近いあったかい人間関係や、スピード感を体感していただきながら、過疎地で稼いでいく難しさや面白さもリアルに感じていただきたいなと思っています。
地方で働くことのメリットは若手にチャンスが多いこと。絶対数が少ない若者世代。特に、地方のまちづくりにおいては高齢化、若者流出が深刻な課題。まちづくりは未来志向であるべきですが、未来を担う若者がいなければはじまりません。そのような背景を踏まえて、イツノマでは20代社員と大学生インターンを中心に会社を経営、まちづくりを実践しています。都市部の大企業で5年、10年かかって担当できる業務を、イツノマでは入社当日から担当。これからの不確実な時代において大切なことは「まずやってみる。失敗したらすぐ修正」と考えています
人からはじまる、まちづくり。すべては人と人との対話、関係づくりからはじまります。イツノマでは、社長、社員、大学生インターンを問わず、その日あったことはその日のうちにをモットーに、情報の種類に応じて、対面とSlackを中心にコミュニケーションをとっています。毎週月曜日の夜は「まちづくりゼミナール」を開催。大学生を中心に、まちづくりやキャリアに関する問いを投げかけ、正解のない答えをみんなで探究していたり。新卒社員は社長と週3回、1時間の1on1を実施、デジタルでは伝えきれないまちづくりや経営の行間を共有します
創業以来、町内唯一の中学校、「都農中学校」でまちづくり教育を担当しています。中学生たちに伝えているのは「起動人材」になること。自分からコトを起こし、ヒトやマチを動かしていける人材です。自分からコトを起こすには、失敗を恐れないチャレンジが何よりも大切です。中学生たちに言うからには、ぼくら自身が、実践していくことがマストです。昨年の9月には、それほど観光資源もない町で、コロナ禍のタイミングながら、まちづくりホステルALAを立ち上げました。失敗への不安より「欲しい!」「やりたい」が上回ったのでチャレンジ中。
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