『広告』 / 編集長
著作|雑誌『広告』
音楽家の坂本龍一さんが「作曲の大部分は過去からの引用。“発明”はせいぜい数%程度」というようなことを言っていました。この見地に立つと、世に存在するほとんどの創作物は、オリジナルとコピーの間にあって、完全なオリジナルなど存在しないと言えるのではないでしょうか。 とはいえ、つくり手としての僕は、「オリジナル信仰」にひどく囚われています。作品のアイデアが浮かんだら、必ず似たようなアイデアがないかをリサーチし、似たものが見つかるとボツにします。「オリジナルであること」を目的にものをつくっているわけではないのに、いつからこんなにオリジナルにこだわるようになったのだろう。