『広告』 / 編集長
流通|雑誌『広告』
昔、自分がプロダクトデザイナーとして携わった商品が、いつのまにか発売されていたことがありました。つくるところだけを依頼され、納品したら「あとはこちらでやっておきます」と、あたりまえのようにそうなったのでしょう。このように、いまの社会では、「つくる」と「届ける」が分断されていることがよくあります。でも僕の場合、自分がつくったものが、いつどうやって受け手に届くのか知りたいし、かかわりたいという思いがあります。 だから、本誌『広告』の制作においては「どう届けるか」にも向き合うようにしています。もともとは大手取次をとおして季刊誌として販売されていたのですが、2019年のリニューアルの際に、「1円で販売したい」「毎回、価格も判型も変えたい」「発行スケジュールは柔軟にしたい」と、既存のやり方にあてはまらない要望を実現しようとした結果、取次で扱うのは難しいとなり、いちから自分たちで販路を開拓することになりました。