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新卒ビジネスマナー研修はなぜ、「やらされ」になるのか?

皆さん!こんにちは!
株式会社情熱の採用担当です!!

本日は、いつも毛色を変えて、弊社取締役である矢間(やざま)のコラムをご紹介します!
弊社は創業から15年を迎え、これからチャレンジをどんどんしていく予定なのですが、15年間貫いてきた信念があります。それが、「どうすれば、日本全国の人々は仕事に情熱をもてるのか?」です。

研究を進めていく中で多くの気づきを蓄積してきたので、今回はそのうちの一つをご紹介します。それではさっそくどうぞ!!

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新入社員にマナー研修の成果が定着しない理由

「新入社員研修の定番と言えば、ビジネスマナー」という企業さんも少なくないでしょう。

15年以上新卒研修に関わってきた私から見ても、研修にビジネスマナーを取り入れている企業さんは極めて多いと思います。矢野経済研究所によると、2018年度のマナー研修の市場規模は、専業の事業者だけでも70億円にもなったそうです。

定番化の理由としては、

・新人を預かる企業の責任として、マナーを身につけさせることは最低限守るべきラインであるという考えがある
・「昨年もマナー教育をやったから今年も」という考えが踏襲されてきた
・毎年、新入社員の配属先から人事教育担当者へ、「新入社員が元気よく、笑顔で挨拶できない。できるようになってから配属させてほしい」というフィードバックが来るから

という部分が大きいかと思います。
この「新入社員が元気よく笑顔で挨拶できない」という極めてシンプルな問題ですが、こうして定番化するほどビジネスマナー研修が行われているのにも関わらず、依然として解決できずにいるという企業さんは少なくありません。これはなぜなのでしょうか?

人事教育担当の方にこの質問をすると「配属先の先輩がやっていないから」という答えが真っ先に上がります。しかし、これはその先輩が悪いというわけでもないのです。なぜなら、毎年同じ問題が起きているということは、その配属先の先輩が新入社員だったときにも同じ問題が起きていた可能性が高いためです。

すなわち、今の新入社員と同じ「元気よく笑顔で挨拶できない」状態であり、「先輩もやっていない」状態だったということです。となると、部下や後輩が出来た今となっても、この極めてシンプルな問題を持ち続けている可能性があります。

解決策は、「元気よく笑顔で挨拶する」目的を理解・納得してもらうこと

これを解決するのは、「なぜ、元気よく笑顔で挨拶するのか?」という質問に、本人が納得して答えられる状態をつくるということに他なりません。世間にこの問題が蔓延したままであるということは、その状態を作ることができていないマナー研修が世の中に多く存在しているということでもあります。

「目的が無い、分からないものに対し、自発的な行動を生むのが難しい」のが人間であり、逆に「目的が明確に理解できるものに対しては、自発的に行動しやりがいを感じる」のが人間です。
こうすべき、だけでは人は動かないのです。

皆さんは、「なぜ、元気よく笑顔で挨拶すべきなのか?」に対する答えを、自社の新入社員へ明確かつ論理的に回答してあげることができるでしょうか?特に、売上、利益、個々人の幸せにどう関係するのかを説明できるでしょうか?

誰も「元気よく笑顔で挨拶する必要があること」について明確な答えを持っていないのはなぜか

どうして、誰も「なぜ、元気よく笑顔で挨拶するのか?」に納得する答えを見いだせずにいるのでしょうか?

その背景には、学生時代の教育や文化がありました。ぜひご自身の人生を挨拶にフォーカスして振返ってみてください。多くの方が、以下のようになっているのではないでしょうか。

[幼児期]「みんな元気よく笑顔で挨拶しよう!」という文化。批判者はいない。
[小学校低学年]「みんな元気よく笑顔で挨拶しよう!」という文化。批判者はいない。
[小学校高学年]上記の文化が弱まる。「元気よく挨拶をするのはダサい」と批判する者が出現。
[中学校]さらに弱まり、批判者が増加する。授業や部活時など一部の場面でのみしっかり挨拶する機会がある。
[高校]批判者がマジョリティに。部活時など一部の場面でのみしっかり挨拶する。
[大学]そもそも挨拶することさえ珍しい。
[社会人(新入社員)]小学校低学年ぶりに「元気よく笑顔で挨拶しよう」を求められ困惑。

といった構図です。

したがって、新入社員に「元気よく挨拶すること」を求めるのであれば、しっかりとその必要性を伝えて納得を促す教育が必要になってくるのです。

新入社員に「元気よく笑顔で挨拶する」意義を納得させるには、バリューによる教育が最も有効

新入社員が「元気よく笑顔で挨拶する」ことが出来るようになるには、まずその必要性について納得できるように話し、理解してもらうことが必要です。そしてその際、最も有効なのは、バリューによる採用と教育であると我々は考えています。

まずは、採用の時点から「元気よく笑顔で挨拶する」ことは自社のバリューであるということを伝えましょう。

“人に重きを置いている”、“仲間を大切にしている”といったバリューをお持ちの企業さんは多いかと思います。そこに紐づけて、「挨拶は元気よく笑顔で」というバリュー(価値観)があるということ、そしてそれに共感してくれる人に入社してほしいと思っているということ、それが嫌いな人は合いませんということを強く打ち出すのです。

入社後の教育のタイミングから何が正しい、間違っていると伝えていくよりも、採用時点から伝えた上で教育をしていく方が、「なぜ、元気よく笑顔で挨拶するのか?」への納得度を高めることになるためです。

「人間関係と成果には相関関係があり、人間関係をよくするには、挨拶が極めて重要で……」といった説明の仕方もありますが、理論だけでアプローチをしてしまうと「はいはい、うるさいな……」とハレーションが起きやすいのです。やはり一番は、「この会社のバリュー(価値観)なので」と言い切って教育をするのがいいでしょう。

「先輩がやっていないから」とは言わせない。新人や若手が特に元気のいい挨拶を求められる理由

また、「必要性は分かったけど配属先の先輩がやっていないから」と言われないように、“新入社員や若手社員が特に元気の良い挨拶を求められる理由”も明確に知っておく必要があります。

これに対する回答は、
「『①20代のAさんが元気よく笑顔で挨拶する、②50代のAさん(同一人物)が元気よく笑顔で挨拶する』だと、①の方が周りにプラスの影響を与える力が大きいから」
です。

人事担当の方であれば、“新入社員から見られる意識”というものは「既存社員が我が身を振り返り、モチベーションを高めるのに有効」だということをご存知かと思います。もちろんこれは挨拶に対しても同じことが言えます。

けっして50代は元気よく笑顔で挨拶する意味がないということではありませんし、当然、知識や経験、能力等においては20代よりレベルが高いです。しかし、元気よく笑顔で挨拶することで周りにプラスの影響を与える力においては、20代の方がはるかに大きいのです。

また、「元気よく笑顔で挨拶することは、新入社員の役割である」という伝え方でも良いでしょう。企業が即戦力となる中途ではなく、教育の工数や費用がかかる新卒を採用するのは、いるだけでメリットがあるからです。既存社員の成長を加速させたり、モチベーションを上げたりする効果を期待して、企業は新卒を採用するのです。

新入社員にもそれを伝え、最も成果に対する責任を負わなくていい代わりに、「会社で一番明るく、元気よく、笑顔で仕事をする」という責任を与えましょう。

採用時に自社のバリューを伝え切ることで、新入社員研修の効果を最大化する

いかがでしたでしょうか。以上の通り、新入社員に「元気よく笑顔で挨拶すること」を求めるのであれば、ただビジネスマナーの研修を行うのではなく、理解と納得を得るための教育が必要です。

そしてそのためには、まず採用の時点から自社のバリューとして打ち出しておき、教育時に腹落ちをさせやすい状況を作っておくこと。そして、新入社員の影響力について話すことが重要なのです。

なお、バリューだからという伝え方をするのであれば、もちろん教える側も出来るようになっていなければなりません。「元気よく笑顔で挨拶できない」まま新入社員時代を過ごしてしまったという方も、これを機に改善を図ってみてはいかがでしょうか。

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