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【職人のテツガク②】「お父さんキモイ」が大ヒット!?究極のコンテンツを追究する孤高の職人

Faber Company(ファベルカンパニー)の「職人インタビュー」第2弾! ※第1弾はこちら

ヒットコンテンツを数多く発信してきた”コンテンツ・エバンジェリスト”に、職人としてのこだわりや着想のヒント、Faber Companyでの挑戦を語ってもらいました。

【中山順司】

株式会社freeeから2019年に当社へ。メディア運営、登壇・寄稿の実績多数。娘と運営するYoutubeチャンネルの登録者は2万人。常に面白いコンテンツを考え続ける「コンテンツ・ヲタク」。※詳細は最下部

『女子高生、「はじめてのパソコン」を買う』:中山が2018年に「ねとらぼ」で連載。Twitterで連載累計11000超シェア、年間人気ランキングTOP3。

『お父さんがキモイ理由を説明するね』:ITmediaで人気連載となり書籍化。思春期の娘と父のガチンコトーク!

消費するだけでは飽きる、24時間・365日稼働の"コンテンツ工場"

●分野を問わずコンテンツを作り続けるモチベーションって何ですか?

お金でないのは確かですね。趣味のロードバイクに関するメディアやYoutubeもやっていますが、アフィリエイト収益は二の次。時間単価で言ったらバイトしたほうが良いくらい(笑)。

僕は単純に自転車が好きで、自転車文化が根付いて楽しむ人が増えて欲しい。かっこよく言うと利他的な動機です。

「消費者」よりも「生産者」でいることが好きなんです。自転車を楽しむだけだと、ただ他人の仕事を消費するだけじゃないですか。自分が価値を提供していないと、どこか物足りなくて飽きてくるんです。常に、作る側でいたい。自分が作ったもので、少しでも誰かの心を動かしたり、行動が変わったり、楽しんでくれるのが喜びです。

例えば、以前に書籍化していただいた『お父さんがキモイ理由を説明するね』を読んだ人のブログを見ると、「子どもとの関係性が良くなった」等の感想が書かれています。僕は記事で紹介した商品が買われてお金を稼ぐよりも、こうして誰かの人間関係とか人生をいい方向に出来た方が嬉しいですね。

(写真:趣味以上の存在であるロードバイク。最近は社内で「自転車部」を立ち上げるとか!)

●どんな原体験があったのですか?

僕は初代ガンダム世代で、小4くらいにプラモデルが爆発的に流行ったんですよ。一時ハマったのですが、すぐに熱が冷めてしまいました。プラモデルって既にパッケージ化されていて、説明書通りに組み立てて色を塗れば、誰でも同じものになるじゃないですか。それがツマラナイと感じてしまったんです。

ファミコンも同じで周囲は全員やっていましたが、大人の手のひらで転がされている感じがしてしまって僕は一切やらなかった。今まで一度もゲーム機って買ったことがない。

逆に、中学生の頃に『エイリアン2』というSF映画にハマったんです。主人公らが使うパルスライフルという武器がほしくてたまらなかったけど、当時はフィギュアなんて売っていない時代だった。

そこで木材を買って、穴を開けたりヤスリで削って張り合わせたりして、自分でレプリカを作りました。そのとき「誰かが完成させたもので遊ぶより、自分で作る方が断然楽しいな」と気づきました。子どもの頃から”消費するだけのエンタメ”は性に合わなかったのかもしれません。


●そもそもコンテンツづくりに目覚めたきっかけは?

ブログが流行り出した2004年頃、僕が33歳のときです。

子どもの頃は小説家やテレビの構成作家に憧れていたのですが、チャンスがないまま成人し、その後インターネットで誰もが簡単にコンテンツを発信できる時代になりました。「これはチャンスだ!」と思って、サッカーのブログを書き始めたんです。仕事で誰かに命令された訳でもなく、完全に趣味として。

元々サッカーは好きだったけど、プロの記者には当然かないません。他人が手がけていないジャンルを考えた結果、海外サッカー情報を翻訳したり、素人目線で解釈して発信してみたらけっこうアクセスがありました。

5年間アメリカ留学していて英語は得意だったので、海外の文献やヨーロッパのサッカー協会のサイトを読み漁ってましたね。そうやって試行錯誤しながら、段々とPV数が伸びていくのが非常に楽しくて、すぐのめり込んでいきました。

(写真:膝を痛めたので40歳で引退・・・)


●コンテンツ作りで最もこだわることは?

「誰もやったことがないコンテンツを作る」かなぁ。僕は、前例があると嫌なんです。猿真似のようなことをするのは自分が許せない。ひらめいたことを既に誰かがやっていたりするとガッカリする(笑)。

自分ではなく他の人でも出来る仕事って燃えないじゃないですか。どうしたら自分にしか出来ない新しいコンテンツを生み出せるか、24時間・365日ずっと考えていますね。

差別化にこだわるって考えは、アメリカ留学がベースになってます。向こうでは、人と同じはダサいことで、自分の意見や考えを常に求められます。ティーンエージャーのときに「人と違っているのは良いことだ」と気づけたのは大きかった。日本に帰国して「過度に協調性を求める空気」がむしろ嫌いになったほどです。

(写真この画像は……大学時代、メガサイズのブリーフをくり抜いたものをユニフォームにしたバスケチームです。差別化を意識しすぎてこういう恥ずかしいこともしていました(笑))


●着想のヒントはどのように得ているのですか?

正直、マジックはなくて、アンテナの感度でしかないんです。とっておきの情報源があるわけでもない。

リアルでもネットでも得られる情報って大差はないでしょ?人が見過ごしている事象を「面白いなぁ」とか「なんでだろう?」と注目するかどうかの違いだと思います。つまり情報量ではなく、好奇心の感度の高さ。

ねとらぼ連載の『女子高生、「はじめてのパソコン」を買う』の着想のきっかけは、編集さんと「最近の若い子って、スマホは使えるけどPCは使えないよね」「新卒入社してPC操作で苦労するって聞くよね」という何気ない会話でした。

普通は「だから最近の若者はダメだ」で終わるところを、「待てよ…じゃあ、もし高校生にノートPCを与えたらどんな変化が起きるだろう?」って考えて、僕の娘(当時高2)にPCを買って、どう変化していくかを観察日記的にコンテンツ化したらヒットしました。

PCを使うと触れる情報が増え、興味嗜好が変わり、付き合う人間が入れ替わり、アウトプットの重要性を知り、教員志望だったのが経営学に興味を持ち、最終的には志望校と専攻が180度変わってしまった。つまり、PCきっかけで人生がシフトチェンジしたんです。我々も本人も想定外の変化で全員がぶったまげました。

ちなみに、娘は大学入学後にWebベンチャー2社でインターンしてて、1社はFaber Company(笑)。ミエルカチャンネルの撮影と編集をしています。親子が同じ会社で働いているという珍しいパターンです。

(写真:高校時代、マイクロソフト社でプレゼンする娘さん。PC1つでここまで劇的に変化するとは!)

●どうしたら他人が気づかない「面白さ」に気づける?普段から意識していることは?

好奇心に尽きます。子どものような素直さを持つ、先入観でジャッジしない、固定観念に左右されない。

たとえば、「TikTokなんてくだらん」ってのはおじさんの妄言です。「あんなに流行ってるんだから、何かあるに違いない!試しにおっさんTikTokデビューしてみよう!」と考えると、面白くなるじゃないですか。興味を持って楽しむ、ノリで始めるフットワークの軽さが大切です。

僕はブログを16年間、週2~3本ペースで書き続けています。当然、書くためには考えることが必要で、考えるためには情報を仕入れなくちゃいけない。だから、常にスイッチをオフにせず思考してます。

何かひらめいたら、自分宛にメールで送るかEvernoteにメモる。電車移動中、布団の中、自転車で走っているとき、食事中、なんならトイレの中でもやります。365日、"ひとりアイデア工場"のようなことをずーっと行ってます。

小さい頃から1人で黙々と己の道を歩む性格で、とにかく自分が面白いと感じること、興味があることを突き詰める職人気質。今の仕事をしていなかったら、陶芸家、戦場カメラマン、ラジオの構成作家、映画監督あたりを目指していたかも。結局のところ、義務感ではなく、好きだから16年以上もアウトプットし続けられているのだと思います。

写真:親子で趣味のロードバイク。なんと年間8,000kmを走破しているとか(驚)

初の週4社員で入社!強豪校の部活のような会社!?

●ところで、中山さんはどうしてFaber Companyへ?

前職のfreee時代にミエルカのユーザーだったのでそこが繋がりです。ある日、ミエルカ側でとあるミスが発生してしまったのですが、なんと代表の古澤が自ら謝罪の電話をかけてきたんです。担当者が電話で済ませるのがふつうだと思いますが、この一件で会社としての義理堅さや誠実さ、信頼感が強く印象に残っていました。

そしてfreeeを辞めるとき、たまたま古澤と食事に行くことになったのが入社のきっかけです。それまでFaber Companyを転職先に考えていなかったけど(笑)、「中山さんの知見を活かすために、我々も柔軟に変化していくし、なんならミエルカにダメ出しもしてほしい」という、Faberの型にはめ込もうとするのではなく、今の自分を活かそうと考えてくれる古澤の言葉に心が動きました。

もうひとつ、「週4社員制度」まで作ってしまったのも驚きでした。僕は個人事業も持っていたので、週5日フルタイムだと厳しいことが悩みの種でした。「だったら週4日で働ける制度をつくりましょう!」とすぐに意思決定してしまった。異能・異端な人材を集めることへの情熱、意思決定のスピードに驚きましたね。

●実際に入社してみて、Faber Companyはいかがですか?

職人的な文化が非常に水が合っています。多くの社員がSEOやコンテンツ作りに対して飽くなき探求心を持っていて、ヲタクなのがすばらしい。

経営陣やマネジャー陣が率先して頑張るので、下の者も手を抜けない(笑)。全員が根本的に仕事好きで、オン・オフすらしない社員も多い。本気でやるからこそ得られる楽しさがある会社だと思います。

あと、強豪校の部活のような空気がある。体育会ってネガなイメージがあるかもだけどそうじゃなく、本気で全国優勝を目指しているからこそ要求度が高い部活の雰囲気…って言えば伝わりますかね? 試合中も上下関係関係なくフツーに「守備の切り替えをもっと早く!」とか「インサイド絞ってパスコース消せ!」って互いに言い合える感覚です。


●現在はどのような挑戦をされていますか?

主にYoutube「ミエルカチャンネル」とSNSの企画・運営、Youtubeに関連する新プロダクト開発を担当しています。

Youtubeチャンネルについては、SEOやWebマーケティングに携わったり、興味がある人が新しい知見を得られるチャンネルを目指しています。まずは、僕たちが成功事例をつくり、企業のWebマーケティングでYoutubeを活用する上でのロールモデルの1社となる。そして、その過程で培った知見を実装したYoutube版のミエルカを開発していきたいと考えています。

僕がFaber Companyにいる意義は、今までにない新しいものを生み出すこと。ちょっとした改善ではなく、ドラスティックに物事を変えられるような価値を生み出していきたいと思っています。

●Youtuberに象徴されるように、クリエイターになる障壁が低くなりました。生き残る人、生き残れない人の差は何ですか?

当たり前ですが、結局は情熱があるかないか。お金や名誉だけが目的だと、成果が出るまでに心が折れてしまいます。

情熱があった上で勝負の分かれ目になるのは「己を客観視する力」。自分がどれだけ面白いと思っても、世間がつまらないと評価すれば、それはつまらないコンテンツです。

例えば、『鬼滅の刃』が世界的にヒットしているということは、何かしら"面白さの芯"があるはず。素直に世間の評価を認めて、目をそらさずに自分の実力や作品と比較して、潔く負けを認める。年齢や社会的地位も関係なく、あらゆる事象から貪欲に学べるかどうか。へんなプライドに邪魔されない素直さを持っているかどうかはけっこう大事です。

●最後に、どんな方にFaberに入社してほしいですか?

何歳になっても、子どものような行動力や好奇心を持っている人と一緒に働きたい。世間の価値観に染まっていない人こそが、何か新しいものを作り出すはずです。「前の会社では~」とか「一般的には~」のようなことを言わず、既存ルールに執着しない人がいい。

あとは、一芸に秀でた方。Faber Companyの職人陣は突出した強みを持つプロフェッショナルが集まっています。今後、規模が大きくなっても金太郎あめのような会社ではなく、異能・異端が特異を活かしあうチームでありたいと考えています。

ぜひ「我こそはWebの職人だ!」という方は、一緒に働きましょう!


【中山順司】1971年生まれ。2016年に株式会社freeeに入社。経営者向けメディア「経営ハッカー」の編集長を務める。2019年4月にFaber Companyへ。顧客向けのセミナーや講演なども担当。MarkeZine、Web担当者フォーラム、ITmedia等での寄稿、カンファレンス登壇実績多数。
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