チャットボットを通してユーザーのブランド体験を向上させるBX(ブランド体験)プラットフォーム「BOTCHAN」を提供しているwevnal(ウェブナル)。
D2CやEC領域を中心にさまざまな企業に導入されていますが、セールスメンバーはわずか6名。創業者の一人であり、CSO(Chief Sales Officer)を務める森元昭博さん曰く、少数精鋭のチームでありながらも成果を出す秘訣は「徹底的な伴走型営業」と「非効率の最大化」にあるといいます。
今回はそんな森元さんにこれまでの歩みを振り返りつつ、14期に入ったwevnalの新たな営業戦略と展望を語ってもらいました。
営業の真髄は「親切活動」。新たな営業スタイルへと舵を切った理由
──CSOとしてセールス部隊を統括されている森元さんが、特に注力されていることを教えてください。
現在は「BOTCHAN」プロダクト全般における営業戦略やメンバーのマネジメントに注力しています。
100人以上の組織の中でセールスメンバーはわずか6名と、かなり少数精鋭のチームです。その上プロダクトも5つあり、顧客の業界も多種多様なので覚えることが多岐にわたります。
それでもプロダクトの事業成長を牽引していくために、研修資料を充実させることで現場のメンバーが効率的かつ的確に業界知識・業務知識を習得できるようにしています。
──資料も拝見しましたが、かなりボリューミーに作り込んでますよね。
そうですね。これは「BOTCHAN」というプロダクトの特性上、いわゆる「THE MODEL型」の営業プロセスの分業化ではなく徹底的な伴走型営業が求められていたからです。
セールスチームがハブとして動きながら、マーケティング部門やCS部門との連携を行い顧客の課題を解決していきます。
──なぜそのような営業スタイルを確立されたのでしょうか?
弊社は成果報酬型のビジネスモデルです。つまり、顧客の成功が私たちの事業の拡大にも欠かせません。そのため、顧客やパートナーに伴走しながら改善を重ね、効果を最大化する必要があるとこれまでの広告代理店での営業経験から理解していました。
また、チャットボットのプロダクトは開発出身者が立ち上げていることが多く、テックタッチが一般的です。そのような市場環境の中で、wevnalなら顧客対応や提案力で差別化をすることができると踏んでいました。
──伴走型営業の必要性が分かりました。森元さんにとって営業はどんな活動ですか?
新卒時代から一貫して営業に取り組んできましたが、営業とは「親切活動」ではないでしょうか。
営業と聞くと「モノを売りつけるだけ」というイメージが強いかもしれません。でも本来は「顧客自身が気づいていない潜在意識を引き出し、プロダクトを通して解決していくこと」こそが営業としての真髄だと考えています。
かくいう私も、前職ではとにかく電話営業をして少しでも受注を増やすことに邁進していた時期がありました。顧客のサクセスを無視して自分が受注するためにガンガン電話をしてプッシュする。その結果、たしかに受注は増えた一方で解約も多かったんですよね。
今振り返ると、事業成長のためには顧客課題の解決が何よりも不可欠だと感じるようになったのは当時の経験があったからかもしれません。
徹底的な伴走型営業には「非効率の最大化」が重要
──徹底的な伴走型営業を実践するために重要な要素を教えてください。
“余白”ですね。SaaSビジネスの場合、効率化を求めるあまり“定型化した営業ロボット”のような人材育成に注力してしまうことが多いのですが、私は余白こそ本人の個性や良さを引き出し、営業力を強化させる要因になると考えています。
もちろん提案の型やヒアリングシートも用意しておりますが、それを埋める作業になってしまったら元も子もありません。本来やるべき営業の役割としては不十分です。私としては、むしろ余白を楽しんでほしい。
例えばですが、オンライン営業が当たり前になっている今、逆に訪問した方が受注率は高いんです。
それは対面のほうが余白のある雑談が生まれやすく、信頼関係の構築や細かな課題の発見につながるからだと考えています。いわゆる非効率の最大化が、結果につながるのではないでしょうか。
──お話を聞いていると、事業成長だけではなくメンバー本人の成長をすごく重要視されているように感じました。
そうですね。私の役目は「やりがいのある環境を提供すること」と「正しい努力ができる土台を作ること」です。
メンバーの能力を最大限に伸ばしていくことで、wevnalという看板がなくてもマーケットに必要とされる人になってほしいと考えています。
近年はエンジニアなどの開発職の希望者が増える一方で、営業職を希望する人は減っているかもしれません。また、AIの発達によって代替される職業も出てくると思います。しかし、作ったものを売るためには必ず人が関わります。だからこそ、営業職の価値はまた見直されるのではと予測しています。
ただしそれはトップセールスに限るもの。今のメンバーをどこでも活躍できる人財へと引き上げることが私の責務ですね。
金融業界は顧客のペインが大きいからこそ挑戦する価値がある
──14期ではどのような業界に注力するのでしょうか?
これまで販路を拡大してきたD2Cビジネスや美容業界に加えて、金融にも注力していきたいですね。
金融はエントリーフォームが煩雑で個人情報の取り扱いも厳しい一方で、顧客課題の解決によるインパクトが大きいと考えています。
利用者層の幅も広いぶん、情報へのアクセスのしやすさも重要です。例えばチャットボットに音声案内を取り入れるなど、テキストのみに留まらないコミュニケーションが可能になれば、コールセンターの負担削減にもつながります。
──金融業界に注力する中で、どのような点が課題になりそうでしょうか。
プロダクト面とビジネス面にそれぞれ課題があります。
まずプロダクト側は、5つあるプロダクトのうちエントリーフォームの「BOTCHAN EFO」。個人情報保護の観点から、慎重に顧客と議論を行いながら進める必要があります。ほかのプロダクトについてはフィットするイメージがすでについているので、まずは「BOTCHAN AI」や「BOTCHAN Engagement」の開発を先行して進めていく想定です。
またビジネス側に関しては私自身も含めて業界理解がまだまだ足りていないので、さらなるインプットが必要です。業界に注力する以上、しっかり特徴を把握しながら進めていきたいと考えています。
wevnalのセールスに求められる「3つのスタンス」
──今後の展望を教えてください。
wevnalでは5つのプロダクトを「BXプラットフォーム」として展開していますが、まだ管理画面が別々で存在しているなど製品が独立してしまっている点も多々あります。
ブランド体験向上の実現に向けて一気通貫したプロダクトを提供できる点がwevnalならではの強みだからこそ、完成形を作り上げていくことが中長期の目標です。その構想を叶えるために、セールスとしてトップラインを上げて事例を作っていくことが重要な役割だと考えています。
──wevnalのセールスとして、求められる資質を教えてください。
「素直」「謙虚」「負けず嫌い」。この3つのスタンスが揃っていることですね。具体的には「変化や課題を受け止められる素直さ」、「周りのサポートへの謙虚さ」。そして「やり切る力」です。
もちろん過去の実績や会社と個人の目指す方向性の一致も大切ですが、大前提としてこの3つのスタンスを持っていることを重要視しています。
会社はあくまで一つの箱でしかありません。私は創業当時から今までも一貫して「何をするか」より「誰とするか」を大切にしてきました。仕事をする上で人とのつながりは欠かせないからこそ、一緒にゴールを目指すことにワクワクできる方と一緒に仕事がしたいと思っています。
wevnalでは現在、事業の拡大に伴って、あらゆるポジションの方を募集しています。 会社にご興味を持っていただいた方は、まずはお気軽にご連絡ください!
取材協力:CASTER BIZ 採用