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“伝統×デジタルネイティブ”の感性で、新たな土屋鞄をつくる

1965年、東京の下町の小さな工房からスタートした土屋鞄製造所。オリジナルのランドセルや革鞄の製造販売を続け、創業から55年。500名を超える規模の組織へと成長した土屋鞄は、次のステージへと踏み出しました。そして2020年の今、これまでにない規模で次世代にふさわしい人材の獲得へと乗り出しました。

『つくる』『とどける』の先を一緒に考えられる人材を採用するための挑戦

これまでは中途採用で即戦力人材を採用してきましたが、事業の拡大にともない総合職として大規模な人材採用を目指し、2019年、採用を担当する人材開発課にも2名の新しいメンバーが加わりました。

店舗で働くスタッフや店舗開発スタッフの採用を担当する羽太 あゆみ(写真左)と、コーポレート部門とクリエイティブ部門の中途採用を担っている藤安 麻祐(写真右)です。

土屋鞄は、新たな未来を担う役割として、2021年度卒業の学生を総合職で採用する計画です。これまでも総合職の採用はありましたが実は数える程度。つまり土屋鞄にとって、これだけの規模の新卒採用は初の試みなのです。

まったく価値観の異なる職人の世界へ、異業界から飛び込んできたふたり

まったく異業界からの転職であること──。羽太と藤安の共通点です。

羽太の前職は楽天でした。営業として5年。その後マーケティング部でも働きます。

― 楽天に入社を決めた理由、これまでのキャリア、そして土屋鞄に出会った経緯を教えてください。

羽太 「自分の成長できるスピードが速く、海外で働けるチャンスがあるという理由で選びました。入社当時、社内公用語が英語になったことも魅力でした。
実は海外で生活したいとずっと考えていたのです。学生時代に留学するつもりができず、勤めてからも心残りで。結局30歳を目前に退職し、ワーキングホリデーでオーストラリアに渡りました」

7ヵ月後に帰国した羽太は転職活動を開始。エージェントから土屋鞄を紹介されますが、IT出身の羽太にとって土屋鞄は、最初「縁がない」という印象でした。

― その中で、土屋鞄製造所に入社を決めた理由は何だったのでしょうか?

羽太 「でも人事の方の話を聞くと会社自身のフェーズ的にも、これから採用組織を本格的に立ち上げるという話もおもしろそうだなと興味が湧きました。老舗なのにベンチャーみたいな雰囲気だとも思いましたね」

そこで羽太は、ふと、あることを思い出します。

羽太 「学生時代に海外を訪れたときに、“日本のものづくりってすごい”と感じる場面が多くありました。友人と“いつか日本の職人がつくるものを海外に出す仕事をしたいね”とよく話したのです。話を聞くうちに、それを思い出して。自分のやりたいことはこれだ、と。人事として関われるのも魅力でした」

一方、藤安は土屋鞄が転職4社目。非常にユニークなキャリアを持ちます。新卒でアパレル企業に入社。販売からキャリアをスタートし、人事系ベンチャー企業に転職後、さらに専門性を高めたいと転職エージェントに転職。IT、Web、メディア業界の法人営業として、採用支援のコンサルティングなどに約3年間携わりました。

― アパレル系から人事の職種へ方向転換されたのですね。

藤安 「もともと人事の仕事が希望でした。アパレルの後、ベンチャーを選んだのは人事の修行をしようと思って。そして、さらにキャリアを積みたいと転職エージェントに進みました」

転職エージェント時代の人脈が、土屋鞄との出会いにつながります。2年間、藤安が担当した企業の人事担当者が土屋鞄に転職。その人物から声がかかったのです。

― スタートアップやIT企業でキャリアを積まれた中、異業界の土屋鞄製造所に入社を決めたきっかけは何ですか?

藤安 「タイミングがよかったんです。私自身、仕事に自信がつき次へ進もうと思ったときでした。始めはITやWebの業界がおもしろくて、その領域に進むことも考えていましたが、この業界は私が人事でなくても伸びるなと強く感じるようになって。ちょうど今の自分だからできることや、自分らしさを出せる業界はどこだろうと考え始めていたんです」

こうしてまったく異業界から、羽太と藤安は土屋鞄へ合流してきたのです。

55年こだわり続けてきた「ものづくりの志」、その圧倒的な強さ


― 入社前後で、感じたギャップはありますか?

羽太 「ビジネスだから企業はお客様への見せ方を“考えて”発信しますよね。多少本来の姿と違ってもそれが普通。でも土屋鞄はまったく同じでした。

入社前から、ものづくりへの想いやストーリーは人間味があって素敵だと思っていました。入社してわかったのは、どの職種の方もその想いやストーリーを大事にしていることでした。ギャップのなさに、むしろびっくりしたんです」

藤安 「私は、羽太さんとは逆で、自分が想像していた以上にベンチャー企業に近いと感じました。採用チームは立ち上げたばかりだったので、よい意味でなんでも決められるし自由につくれて。 そして、クリエイティブやものづくりの部分で特化している人たちの、“すごさ”にも感動しました。ただ、その“すごさ”を、人事がどうやって伝えていくのかという部分が、まだ不足しているという印象はあります。

そして55年の長い歴史で多くのファンを持ち続けている事実も、土屋鞄製造所の強みです。個の力や魅力はものすごく強いし、良い製品をたくさんつくってきています。土屋鞄というブランドは非常に強いので、それをもっと生かすことに注力したいですね」

職人の世界は、いわば口伝伝承の世界。社内には技術や文化、いろんな資産が実は眠っていて、社内外に伝わっていないことも実はたくさんあると、羽太も藤安も考えています。

― 今後は人事としてどのような事に注力していきたいですか?

藤安 「共有する場をもっとつくりたいなと感じます。職人に学生のために現場を見せてほしいと依頼すると、すごく楽しそうに対応してくれるんです。本気で取り組んでいるからこそ、伝えられるものがあると感じました。それをちゃんと発信していける場も、つくっていけたら良いですよね」

羽太 「社内の情報共有はもっと改善できると思っています。前職では、定期的に朝会や月例会とか情報共有の場があり、他部署の考えや計画が自然とわかりました。土屋鞄も、ランドセル、大人向け鞄、コーポレートそれぞれの部門が独立しているけれど、より情報を共有できると素敵だなと思います」

まったく異なる価値観の仲間さえ巻き込む力、新風を吹き込む力を求む

― 会社が新たなフェーズにいる今―どんな人が仲間に来て欲しいですか?

藤安 「“熱量”とは55年の歴史を守りつつ、新しく変えるというフェーズだから必要です。いわゆるベンチャー企業のように、ゼロからすべてを立ち上げるより難しいと思います。能動的に動ける人材、土屋鞄がこう変わると日本がこう変わるよね、というような大きな視点をもてるような人材が仲間になってくれると嬉しいですね。

“純粋さ”は熱量の根源になるものだと思っています。純粋に熱量を出すために根っこをどう張っているか、何でも吸収しようとする力を持っているか、という観点です。 “遊び心”は、真面目さだけではない、ユニークさも大切という想いがあります。多様な価値観を共感できるか、人として信用ができるかどうかです。

もしかしたら、将来的には自分たちの上司になる人材かもしれないので、それを任せるためには実績よりも信頼が大事だと思っています。だからこそ、同じ方向を向いて頑張っていけるかな、というポイントは大切ですね」

初の大規模新卒採用にあたっては、社内の期待も大きいと言えます。それは「経営陣を目指す人材」を求めているから。

藤安 「ものづくりの領域では、つくる力はものすごくあるのにビジネス展開に弱くつぶれたり経営難になったりする会社が多い。でもビジネス面にも力を入れているのが土屋鞄です。

そのノウハウをグループ内の企業にも横展開したいし、それができる人材を求めています。入社数年後には、まったく業種の異なるグループ内の経営層に混じっていたり、新たなブランドを立ち上げたり、そんなこともありえます。むしろそこが理想の着地点だと思っています」

羽太 「今後、土屋鞄は既存のブランドに加え、新規事業にも積極的に取り組もうとしているので、自分で道を切り開いていきたいという希望のある人にも向いています。この新卒採用者から自分で事業を起こす人が出てきてほしいと思います」

創業から55年。歴史と伝統、その「ものづくりの志」に誇りを持つ土屋鞄。今、新たな飛躍の真っただ中、新鮮な価値観と熱量で一緒に羽ばたいてくれる人材を求めています。

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