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SESから2次請けソフトハウスに変化した会社の、未経験プログラマー育成の戦術の変化  2022.03.29


昔かいたやつとか古くなったので、今バージョン書いとくか的な話。
IT業界内でのポジションが変わっているのと、さすがに6年7年前とは市場も変わってきたことなどもあり。今に合わせて新規で書いてみた。


〇ふるいやつ
SES前提で、どうやってエンジニアを高効率育成するか。その手法。
(未経験からだいたい平均3年で設計者)


市場の変化で実行が難しくなっているかもしれない。
まあ、貴方がこれからSESで勝負するならば、参考になる....かなあ?



1.市場の変化(2016くらいから見て)

上記リンク先の手法は、当時いたSES市場での平場営業を想定したものなのだけど。当時に比べてSES市場は大きく変化したんじゃないかと推測。実際、

〇2019年前後に、中堅SES会社の事業売却が多かった。
実際、2022現在でもそこそこ売り買いされてんじゃないかなぁ。仮に『事業継続した方が儲かる』のであれば、事業売却はしなかったはずで。事業が経営層から見切りをつけられた状態であったのではないか。(2020オリンピック後に不況来るとの予測もあり、ロースキル中心の組織では大事故につながる恐れもあったと考えられる)

〇2020-2021に、新型コロナ不況。
かなり事業領域によるのだが、仕事がない会社も結構あった。つまるところ、しわ寄せが行き、未経験の仕事が減る。経験3年くらいが平場での決定ラインだったらしい。


●それでどうなった?
・職歴偽装が増え、それを前提に市場が構成され(?)未経験決定ラインが高止まりしている?

コロナ期に経歴偽装の経歴書が飛び交ったのは、ガチ情報です。いやーめっちゃ飛んできた。当時は経験3年くらいが決定ラインなので、3年くらいに盛ってたんじゃないでしょうかね。今は2年くらいがラインみたい?です。(2022.03現在・※コロナ明けタイミングは2021年の後半くらい)

さて、経験2年~3年などの要求ハードルでは、バーターでもなかなか決まりませんよね。そもそも先輩がそのくらいの経験なはずで。なので、バーター狙いで剛の営業(待機上等でチーム参画決まるまで営業する)をすると、チームごと待機って危険性が高くなってきます。
つまり、リスクやコスト背負って頑張って育成するタイプのSES会社は、生存が難しくなってくる訳でして...。この業界はもうダメかもわからんね。

なお、2010年代中頃までは、経験半年~1年もあれば、開発案件への参画は十分に可能でしたし、バーターも現実的なコストで実行可能な手段でした。

コロナ期当時はスクール生等が無限応募してくるので、それをとりあえず内定(案件が決定したら入社決定)し、偽装経歴書を営業会社にばらまけばOK。怒られるのは営業会社。短期終了で待機になっても、休職させて雇用調整助成金GetでOK。求人サイトも激安価格と。まあ、そんなことができてしまう。
闇のSESの方々には、コロナは良い時期だったんではないかな....。


・そもそも、SES領域の仕事のみが減っている? ゆえに未経験決定ラインが高い?

SES領域からの調達の際、偽装のケースが多数含まれるとして。ふつー、怖くて手を出さなくなっていきますよね。これが上記と並行で進行している可能性もあります。実際、ゴリゴリの営業スタイルの大量採用SES会社が、未経験を決められないので採用数を絞っているなど、昔では考えづらいことも起きている様子。(彼らは偽装側ではなく、とばっちりを受けた側。)
なお、営業が市場判断の際に重視する指標は『案件数』や『単価』ではなく、『採用ハードルの低さ』です。高額だが決まりもしない案件は、無いのと一緒です。


・再委託制限のせいで市場内部の会社が層化してきている。

市場の層化に至る背景をかいつまんで説明すると。
SI案件(業界内でのボリュームはかなりデカい)には再委託制限がつき、多くは3次の社員までくらいに限定されます。(個人事業主の扱いは発注者によって異なる)なかには、そんなこと言ってる場合じゃない案件などもあり、商流無視でアサイン可能だったりもしますが。

平場営業すると言う事は、基本的には2次や3次の会社が構成したチームの増員枠。その不足分を補う形の単発需要を狙うと言う事だったのですが、再委託制限により減少。
SES営業は再委託制限がない、Web系・ゲーム系の発注者の案件を狙うべきという事になります。これらの単発需要の案件が、SES市場では『案件情報』として、SES会社間を飛び交う事になります。
(『Rubyの仕事が多い』とかの報告は、SI案件が減少し、Web系案件の流通量が増えてた為ではないかと思われ。※なお案件の重複も多い)

2次や3次の固定パートナーが少ない会社・Webベンチャー等の経験が少ない発注者。これらの調達能力が甘い発注者が偽装経歴書の被害者となっていた訳です。
しかし近年、特に2次3次のソフトハウスが、新規のパートナー企業を信用しなくなってきている印象もあります。まあ実際、我々がそう感じている訳ですし、他のソフトハウスの営業がそう考えててもおかしくないですな....。


・Webベンチャーへの新規投資が細ってきている?

これは調べると、肯定する情報も否定する情報も出てくる、あまり信ぴょう性のない推測になりますが。ともあれ、一部のザルザルの人材調達で調達資本を溶かしまくったインチキっぽいベンチャーが、永続性のあるビジネスモデルとは到底言えず。バレてしまえば、この辺のザル案件は減るはずです。現状はわかりませんが、そうなる事に不思議はなさそうです。

※2022.08.04追記
グロース市場の株価が下がってるとか、戦争で景況感が不透明だなぁとかで、ベンチャー企業の資本調達が難しくなっているのは事実だった模様。先行きについては不明。


・そんな訳で、とりあえず平場のSES市場での育成の難易度が上昇・有効性が低下。
と言う事にはなっていそうです。



2.SES → ソフトハウス への変化

エンジニアバブルと言う、市場内の広い範囲で理不尽な離職がさく裂しまくった時期を体験し。弊社でも採用ターゲットの見直しや、組織戦の重視と言った営業上の戦術変更がありました。この間に未経験採用を控えた事もあり、コロナ期とはいえ商流も確保。時節柄もあり、図らずも社内一致で『チーム参画・信用・枠の確保』の路線で集中する事になります。

ようやくはっきりソフトハウスっぽい領域に参入した状態とも言え。SESビジネスモデルとの違い(メリデメがある)を感じていく事になります。


・いろいろな変化

〇なんかふつうに仕事決まるね。
顧客の需要が『経験〇年のひとがほしい』から、『プロジェクトを進める上で〇〇を担当する人がほしい』と言う具体的なモノに変わります。中間会社がいないので【作業を実施可能】である事を既に参画済の既存メンバーが顧客に対して直接保証できます。さらに、顧客へリターンを出せる内容ならば、数か月の計画を前提にした提案もできます。これら信頼関係を前提にした提案はSESの平場市場で営業するよりも全然決定する感触で、SES領域から来た営業マンは、まずこのことに驚きます。
※これは同時に、SES平場市場では必要な実力以上のハードルが設定されていると言う事を証明します。
 

〇社内のコミュニケーションが重要になった
【作業を実施可能である】事を既存参画メンバーが保証できる。事が効果的である為、運の要素が減少、必然のアサインが発生します。ただしそれは『新規メンバー候補が既存の参画メンバー陣から信用されている』前提になります。
既存メンバー陣は、より良いチーム運営、顧客への成果提供の為、より良い新規メンバー候補を求めます。知らない人に関しては保証ができない為、知っている人の中からの抽出となります。つまり、個人的に狙っている案件に参画中のリーダー格に【知られる・信用される】必要があります。これは逆に言えば、『実務能力があるならば、あとは社内で能動的に動く事で、結果をほぼ確定で引き寄せられる』と言う事になります。


〇成果・信用の重要性
つまり、【リーダー含むチームで参加】【低ハードルな増員枠を確保】し、【SES市場に出る前においしいところを全て自社で頂く。】戦術な訳ですが。その遂行には顧客に対して成果を出して権限を得る必要があります。

SESと変わってくるのは、中間会社が存在しないため、成果を出せばダイレクトに信用が得られ、権限強化。出せないならば、切られる。と言う実力が影響しやすい戦場である事です。

【なんか頑張ってるところをアピールする】とかも求められていません。準委任だろうが請負だろうが、要求は一緒です。契約の違いによる影響もさほどありません。異業界では当たり前ですが、常に結果が要求されます。

※注記 2022.03.30
【なんか頑張ってるところをアピールする】
SIもいろんな顧客・ケースによっていろんな種類の建前を使わなければいけない都合上、まったくない訳ではないよとの指摘がありました。


〇個人レベルの技術・工程選択の自由度は低下
それなりの規模の話に会社単位で関与する為、完全に個人にフォーカスした案件選択と言うものができなくなります。この点はSESの方が優位で、案件のマッチ精度確保による理論上の成長速度はSES側の方が出ます。(理論上はSESが最速だと思う。)
会社の得意とする領域によっても変わりますが1チームの規模は5名~20名などになるのが一般的で、一件のプロジェクトの、会社全体のスキルへの影響度は高いものになります。
会社全体視点で、得るべきスキル・業務知識を選択。そして集中。など、全社的なキャリアマネジメントが要求されるようになります。


〇案件数はとても少ない。
【自社の社員が主体的に関わっており、権限も得ている案件。 かつ、そのプロジェクトでちょうど増員の話が出ている。】と言うものがボコスカある訳はありません。普通は、『数件』になります。
『ウン千件!』と言うのは、メールベースでSES市場を流れている案件を、自社のターゲット案件とカウントしたものになるかと思います。ビジネスモデルの違いによるものですね。


このように市場のシフトにより発生する勝利条件の変化に対応する必要が発生。
新市場でのデメリットを抑え、メリットを活かす動きを要求されます。


3.ひっくるめると、どう育成するって話に?

まあ、2.の項目で説明したメリットを活かすよう立ち回る事になりますわな。
さて。

やることは、下記。

『SES市場に流れる前に良質案件を確保』
 ●『若手投入枠を優先で得る』
 ●『高ブランド領域プロジェクトの優先参画枠を得る』
 『次期トレンド領域プロジェクトの枠を事前確保する』
『上記を活かし、次の戦略展開に必要な能力を会社全体で得る』

ですね。商流ない頃は超腹立つわとか思いながら見てたムーブだわ。
より細かい話をすると。


①チーム参画を希望する顧客を重視する

実は、発注者の需要は2種類。

・優秀な個人だけを調達。直接管理したい。
・チームで責任を負ってもらい、管理コストを下げたい。

前者が派遣っぽい需要。後者が請負っぽい需要といえるだろうか。この辺、顧客の勝手であって、特に良し悪しは無い。が、今回の戦術前提で取引するのであれば、後者の【チームで責任を負ってもらい、管理コストを下げたい】が有望な顧客層となる。


・優秀な個人だけを調達。直接管理したい。の場合
『管理手法が未整備なのだが、自前で開発体制を持ってしまった。』みたいなパターンが多い印象。
基本的にはコストが安い『社員』で経験者を雇用したいのだけど、それもなかなか難しい。なので、『社員』とおなじ要件で外注を調達する。

なので、管理面で手のかからない『優秀な人だけください』となり、『優秀層に受けが良い(?)要素技術』を選んで技術選択していたりする。発注金額も結果的に高くなる傾向で、フリーランスとしては実に良い顧客層。

なんだけど、ぶっちゃけ単品で良いトコだけ持っていかれても、会社レベルとしてはワリが合うとは言いづらい。スーパー個人依存で単発120万で発注くれるよりは、未経験などロースキルが60万~80万でふつうに決まる方が組織戦前提の受注者としてはありがたいのである。

そういう訳で、その手のタイプの会社(ソフトハウス勢)が手を引き、フリーランスのエージェントや、営業会社タイプのSES会社が集まってくる。他の同タイプの発注者と天秤にかけられ、高額な発注金額となっていくし、現在の様に悪質な受注者が増えれば、事故物件みたいな自称エンジニアが送られてきたりもする。

SESガチャのSR排出率の低さを嘆く声もSNSではよく見られるが、こういう構造。
成果にコミットするタイプの受注者とWinWinの構造を作れなかったので、離脱されてしまったのよ。


・チームで責任を負ってもらい、管理コストを下げたい
まあ、今回の話の流れだと、我々はこっちの需要狙いになるよね。
ポイポイと若手を放り込めばいいという話ではないので、まったくの旨い話って訳でもない。
発注者の背景を読み取り、彼らの立場で推測して、先回りで提案してやれる必要もある。

顧客の希望は要は『管理コストかけたくないし、丸投げしたい』と言うもので、丸投げで回ってくれる分に関しては口出しもする必要が無い。未経験が入ろうが、ちゃんと回してくれればいいよー。って感じ。
もちろん、ちゃんと回せないならば顧客は手を突っ込んでくるし、人員も計算できる人達で固めてよとなる訳で、継続的な成果が必要です。 すくなくとも座ってりゃOKみたいな話ではないです。


②未経験向けの案件・中堅以上向けの案件と、2種を狙って確保する。

まず、個人ではなく自社チームで担当範囲のQCDを担保すればよい訳なので、未経験者レベルのアサインも期待できる。単価が低めでハイレベルな人員の確保が難しい発注者となれば、発注者・受注者間で納得の協業体制と言うものは実現できる。
あくまで担当範囲のQCD担保が前提であり、成長に期待できないロースキルはアサインできない。(自社のメンバーがひっかぶる上、成長しないので次の一名の参画もその分遅くなる)ガバガバ採用で数で勝負ってのはできない訳だが。 優秀な一名を確保、その一名を確実に経験者にできる点については効率で勝る。数よりも、いかにちゃんとした人を採用するかが重要となる。

つぎに、技術ブランド確保や次期トレンドに関わるものなど、要求が高く、人気があり、利益の確保を行う事ができる、いわば『フラッグシップ案件』的な案件の確保も重要。こちらもやらないと、時代の変化に取り残される危険がある。
この領域の仕事、客観的に見て高ブランドな領域で、その領域の顧客やその社員と組んで仕事するわけであり。さすがに外部の人がDisるのも難しいんじゃなかろか。これ。こちらは単価も出る分、他のビジネスパートナーさんとの協業も期待できる。

これらの実行は会社の成長や他の社員の能力の平均的高度化、ひいては『マトモなメンバーだけで仕事する』を実現するものであり、多くのエンジニアが希望する環境を実現する、正のスパイラルである。
この構造のキーマンとして稼働する事は自社内から強く承認されることであるし。なにより顧客からの評価も高いものになる。(個のレベルの瞬間的な生産性ではなく、チーム規模のQCD担保に継続的に成功しているので。)

まあ、もちろん人にもよるんだけど、やってて『面白い』わけやね。こういうのは重要だ。

③投資価値のある、社会人マインドの人を採用しようね

そりゃー、1年2年でぶっ飛ぶヒトを採用しても仕方ないのである。

彼らの多くは、自社の上司の話などは聞かない。なんか、エンジニアなのかどうか怪しい誰かの言う事の方が信用に値すると考えたりする訳だ。 彼らに対して3年・4年目以降に担当可能なハイブランドなプロジェクトを用意したところで、おそらくは無駄である。人間がみな論理的に判断して行動すると考えてはいけない。彼らはそこまで考えない。

この層を採用してしまうと、被害は馬鹿にならない。
・貴重な確定育成枠を消費。
別の人入れてたら、もっと利益出てた(機会損失の発生)
・成長した別の人が、得たであろう新規のチャンスすべて。
・成長した別の人が、育成したであろう部下が産む利益すべて。
・育成フェーズだけでぶっ飛びの為、顧客も投資しなくなる。
・時間と労力を水の泡にされた上長のダメージは大きい
・最悪上長や同僚の離職を誘発する。(真の『優秀な人が離職する』パターン)

本戦略の相性は最悪で、とにかく絶対に採用してはいけないのである。
数うちゃOK派遣で運よく育てばラッキー!と言う戦略との相性は良いひとたちだと思うので、その手の会社さんに任せよう。求人の内容も戦略に応じて変わる訳で、実際、うまいことマッチングするようにできている。最悪採用してしまったとしたら、他の人と隔離、ロースキル案件でよしなにやって頂く等の手段も検討すべきだろう。

逆に、継続的な付き合いが期待できる人員であれば、入社時の即戦力度はある程度後回しにしても、中長期の視点では大きなリターンを産むともいえる。(上記の被害リストの内容がプラスに反転。)


④エンドの新規事業や投資トレンドにのっかる

これはソフトハウスの戦略と言うよりは、BAMV特有の戦略。
浅い商流で権限を得るぞ戦略では、レガシーシステムの運用・継続開発などのハードルがあまり高くないプロジェクトを主軸にすることもできるが、古くから存在するソフトハウスがすでに陣取ってる領域でもある。ここに後発で刺さるイメージが持てなかった。

というわけで、BAMVのエンジニアの要素技術は先進的なものを重視。また、アジャイル開発を担ぐことになる。で、これらの要素に合うのは、ド新規の開発。新規事業や新規ビジネス領域の為の開発案件だったりする。

実際、通信インフラの高度化や、コロナの影響などもあって、既存のBtoCのビジネスをしている大手のエンドユーザー、流通・物流・しまいには自動車メーカーなど、コンシューマーに対してWeb経由でのアプローチを検討する事になる。すなわち『新規Webサービス』のPoCや企画段階からの技術支援とかも出てくる訳で。 様々なビジネスの中でこういった経験をできるのは、ベンダー側で、準委任で仕事を取る会社の明確な利点だと思う。


なお、おそらくはご想像の通り、単価連動型の仕組みとの相性は悪い。全体が稼いだ利益を育成の為に再投資していく必要があるからである。

全体の技術レベルを一定以上に保ちつつ人数を増やしていくと言う事は、先々『所属技術者の量・質・組織力を必要とする他のビジネス』を自分達主体で実行する上で必要なことで、つまり、それらのビジネスを行っていく事が自分たちの中長期的な生存や、成功につながっていくのだという共通認識が必要と言う話になる。 一生SESとか下請ポジで安泰かって、そんな甘い話はないよな。

まあ、会社の中長期のビジョンなんかは、会社ごとに異なる話であるので、善悪はない。
要は従業員と会社間の期待値がすり合ってればよい訳なので。



4.客観的に、まとめ

こういう訳で、商流が上の方に来るとその分責任と権限を負う為、権限を使ってマトモな思考の若手をパワーレベリングする。みたいな感じになっていくようですね。新卒採用を考えるのもこの辺りからではないかと思います。

その分、個人個人の自由度は下がり、会社のスタイルによってはJTCっぽい雰囲気を醸したりもしそうです。そういえば、新卒採用=JTC多い 印象もありますね。

全てにおいて優位を取る戦術・スタイル等はありません。
業界経験者はともかく、新卒の方や業界未経験者の方など、当記事を応募先検討の際などにご参考にして頂けますと、この記事もなんかの役には立ったなと言う話になるかと思います。



5.BAMVの今後の育成

※2022.08.05の追記
ウチの求人を調査している人向けのおまけ。
育成に関わる、この先やること。計画している事


・受託に手を出そうかな。

『1.市場の変化』で前述の、未経験決定ラインが高止まりしている?の話もあって、しばらくの間は、『直エンド・元請け配下の商流でチーム参画し、未経験枠を作る』戦術で、実際に用意できる枠の数が、採用できる新卒・未経験者の最大数になっています。

無理してSES市場に参入、未経験営業をするとどういう事になるかと言うと、『優秀な新卒(中途未経験)者を採用しても、経歴偽装のゴミに競合負けする』ことになる訳で、売上、受注機会、待機期間などが相当な事になると容易に推測できます。

受託開発(請負契約)に関しては、正直なところ、弊社の強みが活かせるわけでもなく、体制維持の無理筋の受注の発生なども想定でき、離職率の増加はあっても利益面でのメリットは薄いであろうと推測していましたが、採用できる未経験者の絶対数が少ない事による優秀な人材の採用機会のロスや、無理筋なSES市場での未経験営業で予測される無駄なコストを考えますと、受託での育成は割に合う部分が出てくるだろうと考えるようになりました。

SES市場が良貨を駆逐したので、今まではコストが合わなかった請負市場での育成が、検討のテーブルに乗るようになったと言う事ですね。

優秀な新卒・未経験者であれば、半年も計算して置けばそれなりに戦力化できる訳ですし、戦力化までの予算を事前に確保さえして置けば、他の営業コストは不要で、こちらの都合で開発案件に投入できます。現状のSES市場でまともに売上が付くのよりは早く戦力化できるでしょう。
この際、ガバガバで大量投入しますと主力メンバーが倒れる事になりますが、受け入れ判断の権限をプロジェクトチーム側に持たせ採用側と連携させていけば大丈夫かなと。



・新卒採用の比重を増やしていきたい。

受託でもコスパが合うなと言う話にも関連しますが、中途採用の難易度が上がると推測しています。

背景としてまず、『育成する企業の淘汰』が挙げられます。
特に、我々ソフトハウス層ではなく、SES層の企業が苦しいことになっているはずです。育成や将来を見据えての技術投資・営業的な投資をしない代わりに、目先の給与を高く設定しますよと言う高還元系のSES会社が増え、同じステージにいるSES会社が草刈り場に。育てても離職されるので育成投資のリターンが減少。加えてコロナ市場、経歴偽装の大量増加なども育成企業のコストを増加させます。

そこに、近年のスクール等による、IT業界に過剰な期待を抱いた未経験者、テイカー気質の人員、ジョブホッパーの増加など、ともかく育成投資の回収に関しては悲惨な状況で、さすがに私も『いま起業してSES業界からスタートしてたら詰んでたかも....』とか思っちゃいます。

ともあれ、育成する企業の減少は、中途市場への経験者の供給を減らすこととなり、2年間のコロナ期もあって、さらに育成された人材の数は減っているのではないか。そしてこれは継続的なトレンドではないかと推測しています。

また今後、プログラム学習受けた組がIT業界に入ってくるだろうと言う事もあり、そのあたりも気になります。というわけで3年内くらいには新卒採用とその育成スキームを強化。立ち上げておきたいと思っております。



・XR領域の調査・研究。

メタバースとかその辺の話なのですが。

メタバース来るわ! とかではなく、一気に普及する段階になったら、我々が担当するシステム開発の内容も一気に変化する可能性があるので、備えておきたい。とりあえず今のうちは触って遊んでおくか的な角度です。

まー、日本企業やるきないか、少なくとも大手同士で組んで市場抑えようとかそういう動きは見えませんでしたので、多分国内から強力なプラットフォームが登場する事はないなぁ(爆) と想定。
となれば、海外のプラットフォーマーの勝ち組が、一呼吸遅れて日本に入ってくることになりますね。

かつて、ERPパッケージ、スマートフォン、クラウドサービスと、市場に大きく影響を及ぼす製品・サービスに早期に絡んで担いだ会社さんは、その後大きく成長。ブランド等もそこで獲得していたりします。そういうチャンスがあるのであれば、乗っかれるようにしておきたいです。(ゴール設定がこの辺なので、別に出遅れ感もないかんじ。)

危機に備えるという視点では、(現段階では考えづらいが)XRプラットフォームがなにかしら一般化し、普及。既存のWebの需要がXR側に移行していく事態の発生や、XRと既存ビジネスとの連携を考える大手の事業会社もふつうに出てくるでしょう。

そうなってしまえば、その状況に対応する以外の道は無いというか、たぶん我々に話が来るわけでして。
まー、無視して安眠できる話ではないなと。


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その他の記事へは、下記リンク先が記事一覧となっておりますので、そちらからどうぞ。

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