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ユーザーの興味や社会のトレンドをいかにして定量化するか?

NEW STANDARDでは、メディア『TABI LABO』の運営で得られたデータを元に、ミレニアルズのインサイトを可視化する「インサイトツール」を独自に開発し、他事業に活用しています。

このツールを活かしたアイデア発想や広告の企画について、NEW STANDARD代表の久志、プランナーの早崎、インサイトツールを開発したエンジニアのNakajiが語りました。

『TABI LABO』のデータで
ユーザーインサイトを発掘

「インサイトツール」は、特定のキーワードを入れるとそれに関連する『TABI LABO』の記事を抽出し、その併読コンテンツからユーザーの興味関心を探り、マインドマップのように表示してくれるツールです。暗黙知になりがちなメディア編集者の知見を、データ&ユーザードリブンに可視化したものであり、アイデア発想をサポートしてくれます。

「当社では、メディアを媒体としての機能に留めず、ケイパビリティとして他事業に活用する方法を模索していました。それが、ミレニアルズを中心に生まれている世界の新しい価値観をまとめたレポート『GROBAL CREATIVE REPORT』や、このインサイトツールです。

『TABI LABO』では、毎日世界中のトレンドや潮流などの情報を収集し、読者に届くように文脈や背景を添えて発信してきました。なので、それらが日本に浸透するまでの流れや、逆に文化の特性を理解した上で浸透しない理由などの社会文脈を抑えています。それに加えて、読者コミュニティをもっています。このような特徴から、ミレニアルズの独自のインサイトを捉えられているわけです」(久志)

属人的なクリエイティビティを
ロジックで補強せよ

インサイトツールを開発した背景には、『TABI LABO』編集者やクリエイターの発想をロジックで補強したいという欲求がありました。

「クライアント企業に企画提案する際に、属人的なやり方ではなく、そのクリエイティビティをインサイトデータで補強し、論理的に説明できるようにしたかったんです。またインサイトツールを使えば、広告を出した後の報告資料でも、データに基づいて施策の振り返りや次の打ち手の検討が可能になります」(Nakaji)

実際に、通常記事の企画やクライアントへの提案において、インサイトツールをどのように活用しているのでしょうか。

以下の画像は、旅と併読されているコンテンツのキーワードを抽出し、「ミレニアルズ&Z世代の旅への潜在的欲求」を探ろうとした事例です。「下北沢」と「旅」というキーワードの記事が併読されていることから、旅はもはや非日常なものではなく、日常のなかで自分の世界を広げる行為であるという価値観を読み解きました。

某スポーツブランドのランニングシューズに関する広告で『ランニングの初心者』をターゲットにした企画を考える際には、次のようにツールを活用しました。

「インサイトツールで『TABI LABO』の過去の記事をリサーチしてみたんです。すると、ランニングというキーワードとともに、『うつ病』などのメンタルにまつわるキーワードが多く出てきました。そこから着想を得て、ランニングを『心が疲れた際のメンタルケアの方法』として位置づける記事広告をつくりました。結果として記事閲覧数や読了率も高く、よく読まれた記事になりましたね」(早崎)

また、クライアントに新規提案をする際のディスカッションのネタや説得材料にもなりやすいと、早崎は言います。

「同じテーマで各メディアが競合プレゼンをする際に、どうしても出てくる案は限られますよね。そのなかで、独自のユーザーインサイトを持っていることは、当社のメディアに出稿する意味づけになりやすく、そこが強みだと思っています」(早崎)

インサイトツールの今後の機能改善や利用用途の拡張について、Nakajiと久志は次のように語ります。

「ツールって、なかなか使われないことも多いじゃないですか。だからこそ『アイデア候補』の機能だったりを磨き込んでいくことが重要だと思っています。プランナーのメンバーとも定期的に打ち合わせを行いながら、ツールを改善していきたいですね」(Nakaji)

「なぜこの切り口なのか、なぜこの企画なのか、自らのクリエイティブを論理的に説明できるクリエイターは限られていると思うので、このようにテクノロジーの力を借りてそれを実現できるのは強みだと思っています。また、アイデアを考えるときに自分ひとりで考えたり壁打ち相手を探すのって難しいじゃないですか。そんなときに自らのアイデアを補強するツールとして利用し、企画やクライアント提案のために活かしていければと思います」(久志)

記事内で紹介した事例以外にも、NEW STANDARDでは独自に開発したインサイトツールを活用し、様々なプロモーションを行なっています。企業やブランドの従来の価値を新しい基準や価値観で捉え直し、クリエイティブやコミュニケーションを創造します。

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