エンジニア、プログラマーとして中途入社し、その後リーダーやサブマネを経てマネージャーになった安宅と長井に対談形式でインタビューを行いました。マネージャーになった経緯やマネージャーになって気付いたこと、必要な知識など。
二人から感じたのは管理職である今もエンジニアリングを大切にしていること。そして管理職ならではの知識の習得やコミュニケーションなど、広範囲に努力していることを知りました。
苦難を乗り越え、努力の末の今のようですが、ガツガツ感や熱さはなく(良い意味で!)、ゆるりとしていて(良い意味で!)、飄々とした雰囲気(良い意味で!)もあります。そういうところが当社の開発管理職らしいのかなと思いました。
二人の経歴についてはページ下部をご覧ください。
― 当初から管理職が視野にありましたか?
安宅:入社当初は視野になかったです。プログラマーとして力をつけようと思っていました。2年くらい経った頃に目標とする人物ができました。その人がマネージャーだったので、マネージャーを目指そうと思い始めました。目指した人物(マネージャー)はマネジメントに従事しているタイプではなく、インフラ、ディレクション、取引先との商談などなんでもできる人でした。
5年目のサブマネの頃に大きなSI案件を担当し、その案件が成功しマネージャーとなりました。難しい案件を苦しみながらも成功させたことが自信のひとつになりました。この経験を活かして、という視点に切り替わったと思います。マネージャーになって4年が経ち、マネジメントってなんだろうと考えるようになりました。
長井:私も同じで目指していたわけではありません。入社してからずっとエンジニア志向でそれは今も変わっていません。入社2年目くらいに当時の開発部長に「リーダーをやってみないか、マネージャーをやってみないか」と言われて。エンジニア志向の私ですが役職を断ろうという思いも特になく、求められたことをやろうという気持ちでした。またその部長もコーディングからなんでもできる人だったので、役職に就きながらもエンジニアリングに携わっていられるイメージがありました。
― マネージャーになってみて変わったことやわかったことはありますか?
安宅:マネージャーになってみるとお金の管理もしなければならなくなりました。簿記を学んで三級を取得し、「課長の会計力(著者:望月 実)」も読みました。タイトルは忘れましたが、リーダーの本も読みました。「メンバーをどうひっぱるのか」「リーダーとマネージャーの違いはなにか」「メンバーのアサインはどうするか」など、リーダーの本ですがマネジメント業務のヒントになることが多かったです。マネージャーになって気付いたのは、管理部などコーポレート部門とのコミュニケーションの重要さですね。備品・設備・環境づくりなどは管理部との連携が必要ですし、勤怠など労務管理もマネージャーの仕事です。当社の有休は時間休、半休、全休があり、かつフレックスタイム制なので有休の取り方のパターンがかなり豊富です。その時々にメンバーにとって最適な有休の取り方を管理部に教えてもらったりと。
長井:マネージャーってどういうものなんだろうと言うと「なんとかする人」ですかね。難しい仕事も大きな仕事も、あの手この手で円滑に進め遂行する。
ちなみにドラッカー著の「マネジメント」では、以下が書かれています。
(P・F・ドラッカー. マネジメント[エッセンシャル版]. ダイヤモンド社. より引用)
■マネジメントの3つの役割
・組織に特有の使命、すなわちそれぞれの目的を果たすための存在
・仕事を通じて働く人たちを生かす
・自らの組織が社会に与える影響を処理し、社会問題の解決に貢献する
■マネージャーとは何か
組織の成果に責任を持つ者
■マネージャーの2つの役割
・部分の和よりも大きな全体、すなわち投入した資源の総和よりも大きなものを生み出す生産体を創造すること
・あらゆる決定と行動において、ただちに必要とされているものと遠い将来に必要とされているものを調和させていくこと
■マネージャーの仕事
・目標を設定する
・組織する
・動機づけとコミュニケーションを図る
・評価測定する
・人材を開発する
■マネージャーの資質
学ぶことことのできない、後天的に獲得することのできない、始めから身につけていなければならない資質が、真摯さ。愛想良くすることでも人を助けることでも人付き合いをよくすることでもなく、一流の仕事を要求し自らにも要求する、真摯さ。
※かなりざっくり引用(抜粋)していますので、ぜひ著書をじっくりお読みください!大著「マネジメント 課題、責任、実践」はさすがに読む気が微塵も起きませんでした。この「エッセンシャル版」がおすすめです。初心者向けにまとめられています。
ここからはプライベートについて聞いてみます。
― プライベートはどうお過ごしですか?
安宅:平日は仕事帰りに 1日平均 15km 以上、走っています。休日は早朝に走ってから、子どもと外で遊んだり、出かけたりしています。山に走りに行き大阪府内の公園で開催されている練習会に参加することもあります。11月の淀川マラソンでSUB3(※1)を獲ったら同僚からあるご褒美をもらえることになり、ご褒美目的に今年の3月6日にマラソンを始めました。開始当初から比べると、体重は11kg減、体脂肪は11%減です。淀川マラソンまでマラソンを続けます。
※1 SUB3(サブスリー)とは、フルマラソンで3時間を切るという市民ランナーの目標
長井:子どもが寝たあとに、ホットプレートに パンと6Pチーズを並べて焼いて、ワインかウィスキーをちびちびやりながら、「Netflix」を見たりしています。6Pチーズも種類によって味が変わって、うまいんですよ!
長井の話を聞いて筆者も6Pチーズを焼いてみたのですが、待ちきれずカリカリになる前から食べ始め、途中からはそのまま食べるということになってしまいました。テーブルではなく、キッチンのコンロで挑んでしまったから?という言い訳です。
― 最後に、おすすめの本を教えてください。
■ 安宅のおすすめ
①「ランナーズ」
タイムを伸ばすためには、フォーム改善や体幹トレーニングが必要となるので、本を参考に取り組んでいます。他のランナーの声もたくさん載っているのでモチベーション向上にも役立ちます。
■ 長井のおすすめ
②「星を継ぐもの」(著者:ジェイムズ・P・ホーガン)
③「UNIXプログラミング環境」(著者: Brian W.Kernighan )
(写真左:③、写真右:②)
②「星を継ぐもの」
おすすめできるポイントは、まず体裁としてはSFものですが、物語の流れはミステリーで、展開に「あっ」と驚かされるところです。また、今回紹介しようと思った理由でもありますが、物語の大部分が科学者などが集まっての会議を描いているところです。全く意見の違う人たちが喧喧諤諤(けんけんがくがく)しながらもひとつの結論へ進めていくという、なにか仕事の再現を見ているようなところがあって、とても面白いです。
③「UNIXプログラミング環境」
私がプログラマーとしてこの業界に入るときに読んでいて、開発者としての基本的な考え方に強く影響を与えてくれた本です。 初版の1985 年から30年以上経ち、UNIXがLinuxへ変わったなどの進化はあります。しかし本質的なところは変わっていないので、これから開発の仕事に携わる方にもおすすめします。最近知ったのですが、2017年に改訂版が出ていますので、30年経った現在でも需要がある本だということですね。
安宅 哲二
<プロダクト開発部 第三プロダクト開発グループ マネージャー>
2009年7月に入社し、第二ソリューショングループに配属。2014年4月に同グループのサブマネージャーに就任。翌2015年5月より同グループのマネージャーに就任。2017年4月に第三プロダクト開発グループにマネージャーとして異動、現在に至る。
当社プロダクト「Synergy!」の保守をメインとした業務や、当社で請け負った SIの保守、開発業務を行う。
長井 健
<プロダクト開発部 第四プロダクト開発グループ マネージャー>
2009年に入社し、コアプロダクトである「Synergy!」を開発するチームにプログラマーとして従事し、1年程度でリーダーに就く。次にSalesforceのプラットフォームを基盤とするクラウド型のBtoBマーケティングツール「Synergy! LEAD」の開発チームに異動。開発からサポート、お客様交流会運営、セミナー実施までさまざまな業務を担当。その後「Synergy!」の開発チームにマネージャーとして異動、日々試行錯誤しながら「Synergy!」のメール、LINE、アプリプッシュ、SMSなど消費者向けマーケティングメッセージングサービスの開発をメインにするチームでマネージャーを現任。
おわりに
肩を組んだトップの写真ですが、筆者が肩組を要求しました。普段からこんなノリではないと思います。
安宅の若干の苦笑と長井の照れ笑いにやらされ感が漂っていますね。
※このコンテンツは、インタビュー時点の内容となります。