はじめまして。
サンブリッジで「人と組織」の領域を担当している庄中(しょうなか)です。
今回は特に学生の方によく聞かれる私の経歴についてお話ししたいと思います。
個人的には、楽しかった経験も苦い経験も含めて今があるのですが、よく変わった経歴だと言われます…
株式会社サンブリッジ 組織人事企画室
庄中 萌(Moe Shonaka)
神奈川県出身。東京農工大学大学院修了後、大手専門商社に新卒入社。電力事業に携わるが、仕事のあり方と自分のキャリアに疑問を持ち退職。2018年5月にサンブリッジに第二新卒として入社。組織人事企画室で人事として新卒採用や中途採用、研修、組織活性化等幅広く携わる。
小学校~大学学部時代:バスケとお絵かきと自然と。
小学校4年生からバスケットボールを始め、その後、中学⇒高校⇒大学とバスケ部に所属していました。社会人になった今でもやるくらいバスケが好きで、いわゆる体育会系と分類される人間だと思います。一方で図工や美術の授業も好きで、小学生時には美大に行きたいと思っていました。また、昔から自然科学も好きで、小学生の頃は“21世紀こども百科”をよく眺めたり、近所の海岸でひたすら貝殻を拾って、貝殻の図鑑を作っていました。そんな幼少から学生時代を過ごす中、理系に進み、大学では工学部で化学を専攻しました。大学の周囲の友人は大学院へ進んで研究職に就く人が多く、そういう方向に進むんだろうな、と漠然と考えながら大学院へ進学しました。
大学院時代:「なんでも研究対象になるんだよ」教授の一言で広がった「研究」の定義。
今でも忘れられないのが大学院時の研究室の教授が「なんでも研究対象になるんだよ」と渡してくれた、教授の娘二人がインフルエンザにかかってから、治るまでの変遷をまとめた論文でした。この薬を飲んで何時間後に熱は何度だったか等々...そういった情報を記録してある奥様との共著でした。また、新規購入したカーナビがどれくらい精度がいいのか試すために、知っている場所にも関わらずカーナビについていったらすごく狭い道に連れていかれたり、目覚まし時計をすべて分解して中を確かめてもとに戻したりー、とにかく日常のあらゆるものが研究対象だよと。
その研究室に入るまで、「研究」というと壮大なテーマや解決すべき社会問題があることが前提であるとなんとなく思っていたのですが、なんでも研究であると感覚的に理解できたことは大きな気づきでした。もうちょっと正確にいうと「研究」というよりも、すべて「仮説の検証」の繰り返しだということです。
商社に入社するも早期退職。「私って社会不適合者...?」
大学院を修了後、研究職の道は選ばず、日系大手の専門商社へ入社しました。研究は好きだったのですが、これを仕事にするのは違うと感じたからです。しかし、年功序列の考え方や終身雇用が信じられている環境が肌に合わなかったこと、また、人生100年時代と言われている中で80歳まで現役かもしれないのに、このまま大企業にいては食いっぱぐれるのではないか、という危機感や焦燥感から、社会人1年目の3月に転職を決意しました。
一方で、いわゆる大企業に就職したのに、その環境に馴染めなかった自分自身に対して“社会不適合者なのかもしれない...”という絶望感もあり、そのときお世話になった転職エージェントには「私は社会不適合者なのかもしれません…。私に合う会社ってあるんでしょうか…」と相談していました。
そのとき「庄中さんにも合う会社ありますよ」と言って紹介してもらったのがサンブリッジでした。当時エージェントには「おもしろい人がいるから会ってみてください」と言われ、当時バックオフィスの責任者だった現代表取締役社長の梶川に会いました。カジュアル面談を行い、1時間くらい話したところで「人事はどう?」と聞かれたときは驚きました。2018年3月当時、サンブリッジにはまだ人事機能を担う組織はありませんでした。ただ、今後作っていきたいと思っている、と。
そんな中、ほぼ新卒で人事未経験の私を人事として採用したいと提案してもらえるとは思っていなかったので驚きましたし、未経験の人事担当を中途で採用する会社は多くないので、その方針から判断しても、挑戦できる環境なんだろうなと思い、「飛び込んでみよう」と決めました。
仕事って「仮説⇒検証」の繰り返しだ…。
研究では自分なりの仮説を立てて、実験や分析をして仮説を検証し、うまくいけば仮説が合っていると言えますし、間違っていれば再度仮説を検討し、また検証していく、というのを繰り返していきます。
サンブリッジに入社した当初、思うように仕事を進められない時期がありました。
その時、当時は上長だった現代表取締役社長の梶川に、「研究も仕事も同じく仮説の検証だと思うよ」と言われたことがありましたが、その時は同じものだとは思えませんでした。
仕事をしていく中で、「庄中さんは“why”が足りていないんだよ」と梶川に言われ続ける中、やっと私の中で気づき、つながったことがありました。それはしっかり考えて仕事ができていない、ということです。考えが足りていないから、仮説もなにもなく、とりあえずやってみることしか、当時はできていなかったんですよね。そして仮説がないから、当然内省もできず、改善に繋げられない。そんなループの中にいました。そんな経験から自戒も込めて、2019年新卒研修のテーマを「Whyを問える大人になる」に設定したこともありました。笑
人事をやってみて思う、「人と人もやっぱり化学反応」
理系ということもあってか、物事はロジカルで合理的であってほしい、と基本的には思っているタイプの人間です。しかし、「人と組織」の領域というものはロジカルで合理的に割り切れることが少なく、それが難しいところであり、面白いところであると日々痛感しております。
そんな日々の中で思い出すのが大学院時代に聞いた「人と人も化学反応なんだよ」という教授の言葉です。学部生が研究室を決めるとき、研究室見学をするのですが、その際に「研究室の雰囲気はどうですか?先輩や先生には質問しやすい環境ですか?」と聞かれることがよくあります。それに対して教授は、「例えば研究室に4人のメンバーがいて、うまく回っていたとしても、そこに新たに1人加わって5人になったら関係性は変化するから、うまくいく組織かどうかはわからないよね。人と人も化学反応なんだよ」と答えていたのをおもしろいな~、と思ったことを今でも覚えています。
他社でうまくいった人事施策が自社でうまくいくかどうかは別だと言われますが、それは当たり前で、例えば、企業を一つの反応系とすると、効率良く新しい化合物が生成できている環境に、新しい“人事施策”という名の触媒や物質を加えたら、より反応が促進されることもありますが、突如反応が止まってしまい、化合物が生成できなくなる=事業や組織がうまくまわらなくなることもあります。大学院の研究室の話と同じですよね。
会社の目標を達成するために「人と組織」に仮説と検証を繰り返しながらアプローチする。
人事の仕事は、私にとって、学生時代にひたすら行ってきた研究活動と同じだと思うようになりました。
サンブリッジで働いて約3年、「変わっている」と言われる私の経歴が線になって繋がりはじめていると感じています。
人と組織を探究し続ける
私が人と組織に携わってきた3年で気づいたことの一つは「個々が最も輝ける場所は千差万別」であるということです。学生の頃は誰でも努力したらなんとかなる、できないのは努力が足りないことがだけが原因だと思っていましたが、必ずしもそうではないことがわかりました。
これまで、ある部署で成果が出なかったメンバーが部署異動後、どんどん成果を出している姿を何度も目にしてきました。部署を異動することはネガティブに捉えられがちですが、人間ですし、得意・不得意だけでなく、上司やチームメンバーと合う合わないもあって当然です。
また、そもそも私自身、前職の環境は違うと感じ、自分は社会不適合者だと思っていましたが、その後入社したサンブリッジでは3年続けて働くことができています。もちろん大変なことや失敗することもありますが、様々経験や挑戦によって、成長を実感する生活を送ることができています。
サンブリッジでは個の強みを活かすことを大切に考えていますが、個々の強みが違うように、それを活かせる場所もそれぞれ異なります。個の力を最大限活かし、チームで成果を出すことのできる適切な配置や組織作りを今後も探究し続けていきたいです。感覚だけに頼らない、もっと科学的な組織づくりにも興味があるので、そういった取り組みも今後進めていきたいですね。