この度、ストックマークはシリーズBラウンドで10億円の資金調達を実施いたしました。
資金調達によってストックマークが実現しようとしている未来とは一体どのようなものなのか、そしてそのためにはどのような人材が必要なのか。代表取締役CEOの林にインタビューしました。全2回に渡り熱い思いを語っています。
前編となる今回は、ストックマークが目指す世界観をお伝えします。
後編はこちら
プレスリリース
今年3月、Bonds Investment Groupや大和企業投資、NTTドコモ・ ベンチャーズ、WiLを引受先とした「シリーズB」での第三者割当増資を実施し、10億円を超える資金を調達しました。
全社員が力を振り絞り、サクセスパターンを作っている
ーー今回、資金調達を経て、各企業から注目されているその背景をどのように分析しますか。
評価していただいた部分はいくつかあるかと思いますが、大きくは3つです。
1) 巨大なマーケットを狙っていく野心的な取り組み
特にBtoBの世界でテキストの解析をSaaSとして効率化、付加価値化していくところは、全ホワイトカラーが使えるものをつくるという点でターゲットとするマーケットが巨大であること。
2) 強いチームを持っていること
高い技術力を持ってプロダクトを作る開発チーム、そのプロダクトの価値を訴求し“売れる”ビジネスチーム。
3) 「企業文化変革」というビジョン
*別章で説明
事業をここまで着実に進めてこられたのは、メンバーがストックマークのビジョンや野心にしっかり共感して、プロダクトの開発からオペレーションの改善まで幅広い業務を地道にこなしてくれたことが大きいと思っています。
——資金調達が完了した今の会社の現状をどのように考えていますか。
ここからさらに成長を加速させるフェーズへと突入していきます!
その中で今、一番大きな課題は「成功をどう図るか」ということ。当然、売上という指標はありますが、やはり、我々のプロダクトを使ってくれている顧客に価値が出せているのかが大事だと思っています。しかし、まだ成功パターンをガチッと定義できているわけではありません。だから今はチャレンジがすごく求められています。
今回のように10億円の資金調達となると、ステークホルダーも増えていきます。だから、より具体的に現実的にやっていかなければいけません。その中で、全員がstruggleしている状態と言えます。
スタートアップはシリーズAまでは“思春期”なんですよ。(笑)
夢やビジョンを語っていればよかったところからシリーズBまで進むと、より現実的に定量的な部分を測りながらどのような効果があったかと言うところまで具体的に計測していかないと、その先に拡がっていかない。だから今まさに全社でサクセスパターンを作りにいってるところです。
顧客とのシンクロ率を高めることが何より大事
ーービジョンを実現するためには、どの様な提供価値が必要ですか。
我々が考える『企業文化変革』のステップは、個人・チーム・組織の3つのレイヤーでそれぞれ3つのフェーズを掛け合わせた指標で、いかに組織全体を変革していくかを考えています。これを1つ1つ達成していくことが全社としてのロードマップで、現在地はフェーズ1です。
フェーズ1での個人は、世の中の状況は新規事業やDXなどと言われている中で、そのためのアプローチを多くの人が模索しているので、個々人の情報感度を高めることで“イノベーションの兆し”をつくる。
チームとしては全員が本気で知恵を出し合って新たなアイデアを生み出せるよう、“ナレッジシェアをする文化”をつくる。
さらに組織においては、それぞれのナレッジを流通させる。マネジメント・ミドル・現場の縦の階層、また部署間の横の壁を超えたコミュニケーションを生み出していく。
これは目新しいことではなく、シリコンバレーなどでも言われている話です。我々は、これを企業にしっかり浸透させていきたいと考えています。
フェーズ2は、個人がアイデアの質を高めていく。そのためにはデータを活用をしていくこと。社外のニュースや、社内のデータやナレッジを活用し自分のアイデアを自分で高度化していく。
チームは、ナレッジシェア=言い合っているだけじゃなく、コラボレーションしてプロジェクトが動き出す状態にする。
組織は、情報が流通していくと、誰がどんなマインドスキルを持っていて、誰が変革人材なのかが見えてきます。それにより、人材育成やリーダーの選定が適切になされ、組織でより良いコミュニケーションが生まれてくる。
——このフェーズ2に移行するまでに、どのくらいの時間が必要だと思いますか。
早くシフトできればそれに尽きますが、理想は3年後の実現です。フェーズ3の実現は5年後を目指しています。
フェーズ3では、個人は“全員がイノベーター化”して、定型的な業務はRPAやAIなどが担い、人間は高度な事業課題に自律的に取り組む状態。
チームとしては社内外の垣根を超えた“オープンコラボレーション”が実現し、ナレッジのシェアによって多角的なプロジェクトが推進される。
では、チーム、社内、社外の境目がなくなった時に組織の存在意義はというと、フェーズ3における組織の価値は個人のミッション・ビジョン・バリューに基づくデータや知見が最も蓄積されたプラットフォームとなること。人的資本の見える化が進むことで、組織設計や人材配置が柔軟に実施され、“人的資本の最適化”が実現します。そうなれば、個人が会社のリソースを使って、A社とB社を連携し新しい価値を生み出していくというような“企業”や“人”の垣根を超えた世界になっていきます。
——この企業文化変革のロードマップは、弊社が手がけるプロダクトの提供価値にも通じていますね。
まさしく。フェーズ1で情報流通を活性化するための『Anews』、フェーズ2では『Anews』と『Asales』で社内外のデータを組み合わせて構造化する。そしてコンテンツだけではなく、人と人のコラボレーションを促進させる。この構想が現実化すれば、一人ひとりのクリエイティブな発想や多彩なコラボレーションのきっかけをつくるうえで、情報分析ツール『Astrategy』がより活きるはずです。
使われているデータは、やはり“ビジネス”なのでテキストデータが多くなります。データを構造化し、その“人”を理解して企業の中にナレッジデータとして溜めていく。企業はプラットフォームとしての価値を広げていき、個人は自由に動きながら企業を活用して、自分のやりたいことを実現していく、そんな新しい世界、新しい働き方を作ってくプロダクトです。
——1日も早くこの構想を現実化するには、ストックマークで働くメンバーはどのような意識を持つことが重要なのでしょうか。
一番は顧客を中心に物事を考えることですね。どのような思いでプロダクトを使い、どのような期待や課題を感じているか、それをどう汲み取るか、顧客とのシンクロ率を高めることが何より大事だと思っています。
顧客の成功に熱狂できること(人)が一番大事。自分のプライドや想いだけじゃなくて、データ・ドリブンに顧客の成功体験を積んでいくことができる人。
全社員を見ると、ぶっちゃけ、まだまだ足りない人もいます。自分の興味だけじゃなく、本当に顧客価値につながっているのか?それは顧客にとってどうなのか?を全員が考えられるようにしていきたいと思っています。おとなしいメンバーもいます。でももっとつき上げなきゃいけない。もっと自分の意見を持ったり、もっとアウトプットしていく。その土壌はあるはずなので、意識を変えていって欲しいです。
どちらかといえば調整型が多いのかもしれません。もっとぶつかり合っていいんですけどね。(笑)
後編では、進化し続けるための社員のマインドや組織作りについてお話します。(後編はこちら)
<プロフィール>
林 達(はやし たつ):東京大学文学部宗教学科在学中、アジア向けのインバウンド旅行サービスを提供するスタートアップを設立し、大手旅行代理店との提携や行政との共同事業を成功させる。卒論のテーマは「宗教としての企業組織文化」。2011年、新卒入社した伊藤忠商事に5年間務める。伊藤忠商事では投資企画業務や投資先の経営管理や新規M&A推進業務に従事。2016年にストックマーク株式会社をCTOの有馬と共同創業。
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