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【レポート】コーヒー生産と消費について実店舗での実証実験から考える〜東京大学グローバル・コモンズ・センターの消費者行動調査への協力〜

スパイスファクトリーではサステナビリティに関する取り組みに積極的に関わって当事者意識を持ち協力可能なことを模索していきたいと考えています。


今回は東京大学未来ビジョン研究センター/グローバル・コモンズ・センター様のサステナビリティ消費行動に関する実証実験にご協力をさせていただきました。どのような取り組みだったのかなどについて、ご紹介していきたいと思います。

東京大学グローバル・コモンズ・センターについて

みなさんは「Global Commons(グローバル・コモンズ)」という言葉をご存知でしょうか?グローバル・コモンズとは、地球上の人類の共通の財産(生物多様性、気候、森林、海洋、大地やそこを巡る物質やエネルギーなど)を意味する言葉です。このグローバル・コモンズは今、人類の様々な活動や急速な経済成長の影響から危機に瀕しており、持続可能な未来に向け、その保全が喫緊の課題となっております。

東京大学グローバル・コモンズ・センター(東大CGC)では、このグローバル・コモンズを守る方法を見つけ、合意し、行動するために、今の経済活動を転換し、人類と地球が共に持続可能な未来を築くための方法を研究しています。私たちの人生の豊かさにとって、人によってはとても重要だという方もいるのではないでしょうか。今回はそんな中コーヒーに着目しました。

私たちが気づかないうちに、生産国で生産者や環境に影響を与えている可能性があります。
今回の実証実験は、どのような仕組みやコミュニケーションが消費者の行動変容を促し、よりサステナブルな消費行動に繋がるのかを検証するための実証実験でした※。

※ 本研究は「食料システム転換に向けたバリューチェーンアプローチによる転換施策の研究活動」の一環として行っています。

どんな実証実験だったの?

実証実験ブースの様子

今回は、2006年にニューヨークのグリニッジ・ビレッジで誕生し、世界で最も多様な街ニューヨークで圧倒的な支持を受けて、育ち、広がり、愛され続けたThink Coffeeの日本一号店で実施させて頂きました。Think Coffeeは、フェアトレード・ダイレクトトレードから更に一歩踏み込んで、農家のコミュニティ支援まで直接関与しながらコーヒーの買付を行っております。

画像引用:https://thinkcoffee.jp/our-coffee/

これらの体験設計では、当社メンバーが参加し、UXデザイナーを中心に行動変容につながるアクションについて仮説を立てながら体験の流れを作っていきました。
その他、店頭に掲示したポスターや実証実験に参加する際のアンケートQRコードを記載したコースターは当社のUIデザイナーがとても素敵に仕上げてくれました。

消費者の方々に生産地や生産者の映像や写真を見て、産地に思いを馳せていただきながら、生豆や焙煎した豆の違いを体感していただきました。その後、動画を視聴いただいたりクイズに答えていただき、最後にアンケートに回答いただくというのが一連の体験です。

動画やクイズでは、消費者にサステナビリティの課題を認識し行動を起こしていただくには、どのようなメッセージの伝え方が効果的かを検証するために、同じ内容のメッセージを4つの異なる動画(シンプル、ポジティブ、ネガティブ、ファン)と1つのクイズ形式で伝え、消費行動に何か影響があるのかを調査しました。具体的な選択肢として、実験に協力頂いた謝金としての100円を産地に寄付するか、キャッシュバックするか(100円玉をお持ち帰り)、動画やクイズを見て頂いた後にどちらかを選んでいただきました。結果についてはこちらでは言及しませんが、今後の実証実験の弾みとなるデータが収集できました。

何より、コーヒーを飲みながら、産地のこと、生産者のこと、地球の課題などについて、ご来訪していただいた皆さんに知っていただけたことは、社会に少しの価値を提供できたのではないかと思っています。1ピクセルずつ世界がより良い方向へ近づいていけるアクションができていたら嬉しいです。

アンケートには以下のような回答も寄せられました。

<アンケートの声>

・実際にコーヒー豆を育てている様子をはじめてみて、新鮮だった。(30代女性)
・初めてコーヒーの実を見ました。今まで、コーヒーを選ぶときに、コーヒーがどのように作られているのか考えたこともなかったので新鮮でした。(20代女性)
・思った以上に山の奥地に農園があることが意外でした。農園も小規模で自然に囲まれながら少人数で育てている印象を受けました。(20代男性)
・自分が普段の生活で使用している製品や食べている食品について、無関心だったことに気付かされた。(40代男性)



東大CGCでは、今回の結果も踏まえて、関連する企業の協力を得ながら、消費者行動変容の実証実験を更に進めていくとのことです。

スパイスファクトリーでは継続的にこの取り組みを産学連携の一環として何かしらの形で関わり、私たちもサステナビリティを意識した企業活動、気候変動に関するアクションなどにも積極的に取り組み続けていきたいと考えています。

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