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スパイスファクトリーは、世界がより良い方向に向かうよう変化を加速させる “触媒” としての役割を全うすることをミッションとしたDXエージェンシーです。
これまで、様々なバックグラウンドやスキルをもつ当社の社員のインタビュー記事を公開してきました。
インタビュー記事はこちらからご覧いただけます。
今回から、新たな試みとして社員同士の対談をお届けします。
第1弾は、スパイスファクトリーが手掛ける海外拠点設立とオフショア開発について、海外事業責任者の西川と FastDX Div. のエンジニアである角南が対談を行いました。
西川徳仁 | Nishikawa Norihito学生時代にセブ支店立ち上げを経験し、経産省事業にてベトナム現地の政府系コンサルティングファームでのインターン実施。卒業後タイにてプロモーションメディア事業の現地法人立ち上げ、ベトナムにて日系広告代理店の現地法人事業再生、その後ミャンマー現地法人管理、等の経験を得てスパイスファクトリーに入社。
角南淳 | Sunami Jun台湾で金融系スタートアップの営業職として従事、その後ディレクター職としてスパイスファクトリーに入社。現在はテックディレクターやバックエンドエンジニア職を担当。
目次
- 機会損失を減らし事業成長を目指す。オフショア開発拠点立ち上げの経緯とは。
- コストよりクオリティを。オフショア開発でも妥協しないものづくり。
- 国境を越えてワンチームに。離れているからこそコミュニケーションにこだわる。
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機会損失を減らし事業成長を目指す。オフショア開発拠点立ち上げの経緯とは。
ー まず、お二人の簡単な自己紹介と、どのようにオフショア開発に関わっているのかを教えてください。
西川:私はスパイスの海外事業責任者として働いています。スパイスには2021年12月に入社しました。2022年6月末からはフィリピンで、現地は法人設立に向けて、法人登記や人材採用、業務フロー策定、日本とのやり取りなどを行っています。
角南:私は FastDX Div. というSaaSを用いたDXをメインに開発を行う部署でWebエンジニアとして働いています。オフショア開発に関しては、海外拠点のエンジニアに対しタスクの依頼やスケジュール調整を行っており、最近はオフショア側のプロジェクトマネージャーと共有しながら、より良いチーム作りを進めています。
ー 角南さんと西川さんは業務上関わることはあるのですか?
西川:同じプロジェクトに取り組むということはないですね。オフショアという枠組みには2人とも関わっています。
角南:そうですね。西川さんは海外拠点の立ち上げ・組織マネジメントにコミットしており、私はプロジェクト内での動きになるので、私たちが実際に仕事で関わるということはないですね。
西川:直接関わることはないですが、国内のエンジニアとのコミュニケーションや業務のすみわけはフィリピン現地法人にとって重要な部分なため、角南さんとは今後も議論しながら進めていきたいと思っています。
ー では、まずスパイスファクトリーのオフショア開発拠点立ち上げの経緯を教えてください。
西川:海外事業に取り組む一番の理由は、、国内でのエンジニア人材の充分な確保が難しいことです。現在スパイスではありがたいことに、クライアントから仕事を依頼いただくことは多いのですが、人材不足によりお断りする案件が多い状態になってしまっています。この機会損失をなくすために、海外でも優秀な人材を確保し事業成長につなげようという動きが起きました。
ー では、拠点としてフィリピンを選んだのには理由があるのでしょうか。
西川:拠点を作る前から、スパイスでは一年以上フィリピンの企業にオフショアで一部開発を委託していました。その経験から、フィリピンのエンジニアに対する信用があったということがまず挙げられます。
角南:はい、私が主にフィリピンとのやり取りを担当しており、オフショア開発について一定の手ごたえを感じていました。また、フィリピンのメンバーとは、違う会社ではありましたが同じチームとして働いている意識が強く、ぜひ今後も一緒にやっていきたいという想いがありますね。
西川:また、フィリピンは英語が公用語であるという点も大きいです。スパイスには英語を話せるメンバーが多くいるので、ブリッジSEを挟まずに直接コミュニケーションがとれるのもメリットの1つですよね。
その他にも、市場成長が中長期的に期待できること、外資向けのIT人材が豊富であることなどから、最初の拠点はフィリピンにしようという決定に至りました。
コストよりクオリティを。オフショア開発でも妥協しないものづくり。
ー オフショア開発をする上で、スパイスならではのこだわりはありますか?
西川:一般的に、オフショア開発について、賃金は安いけれど品質は低い、いわゆる「安かろう悪かろう」のイメージがあるかと思います。ですがそれは、低賃金で海外のエンジニアに働いてもらおうとするからこそ発生する状態だと私たちは考えています。今回のスパイス海外拠点に関しては、コスト削減よりも優秀な人材確保を重視し、とにかくクオリティを優先しています。
そのため、フィリピンメンバーであっても、ポジションやスキルによっては日本のメンバーよりも高い賃金で採用することもあります。
角南:私がコミュニケーションを取る時も、オフショア開発だからクオリティが低くてよいとは全く思っていません。むしろフィリピンメンバーからもっとクオリティを良くするために日本側にこうしてほしいという提案を受けることもあり、同じチームとして”ものづくり”に対する価値観を共有していきたいと思っています。フィリピンメンバーにどう思われているのか不安に感じる時はあります(笑)
西川:角南さんはコミュニケーションがとりやすいと、フィリピンメンバーから非常に人気ですよ。(笑)
ー 現在のフィリピン拠点立ち上げの状況を教えてください。
西川:実は2022年7月にフィリピンオフィスのリノベーションが完了したばかりで、いまは全員で出社して1つのプロジェクトに取り掛かり始めたところです。法人登記には半年ほどかかるので、2023年を目途に法人設立を進めています。
角南:西川さんは、7月からフィリピンに行ってしまったんですよね。
西川:はい、今日は一時帰国しています。来週にはまたフィリピンに帰ります。
ー オフショア開発とは業務を海外の現地法人などに委託することだと思うのですが、スパイスではどういったことをフィリピンメンバーに任せているのですか?
角南:いまはコーディングを主に任せています。日本側からざっくりとしたスケジュールやタスクを依頼する方法です。しかし、フィリピン側ではアジャイル開発の手法を取り入れており、最終的にエンジニアに指示をだすのはフィリピンのプロジェクトマネージャーです。そのため、詳細なスケジュールなどを調整する際は、私たち東京オフィスのメンバーとフィリピンのプロジェクトマネージャーで、エンジニアメンバーの意見を聞きながら行います。
西川:開発フェーズにおいて、どこまで日本が担当し、どこからオフショアメンバーが入ってくるかはより良いものを現在模索中ではあります。これからフィリピンメンバーもさらに増える計画なのと、海外事業部として日本側に日英バイリンガルエンジニアを採用し、プロジェクト体制の強化を目指しています。
西川:また、フィリピンメンバーがやりがいをもって働けることも重要なので、コーディング以外にも彼らが興味とスキルがある分野には積極的にかかわってほしいと思っています。
角南:そうですね。これからオフショア開発に関わる日本側のエンジニアも増えると思うので、一緒に考えていきたいです。
国境を越えてワンチームに。離れているからこそコミュニケーションにこだわる。
ー これまで角南さんがオフショア開発に携わってから生じた問題点や苦労した点をおしえてください。
角南:オフショア開発を始めて間もないころは、日本側から依頼した成果物のデザイン再現性が低いという問題が発生していました。フィリピンにはスパイス独自の方法や組織文化が伝わっていないということもありますし、そもそもそれを理解するために必要な情報が届いていないということが原因だったと思います。
あとは、やはり言語の壁があるため、フィリピンから日本、日本からフィリピンへ、伝えたつもりの内容と受け取った内容が違うという事態が発生しやすく、そこは苦労しました。
ー そういった認識の違いや社内文化の違いをどう埋めていったのですか?
角南:デザイン再現性の低さについては、提出されたものをレビューしてから違いに気づく、ということを避けるため、提出の際にはエビデンスを載せてもらうように改善しました。また、タスクの依頼の際、KPTサイクルを活用して改善点を見つけていくことで認識の齟齬が生じにくくなってきたと思います。こういった少しずつの改善によって、成果物の品質は一定向上したと実感しています。
また、言語違いによる認識の齟齬をなくすために、日本のスパイスメンバーには大まかな完成形のイメージを伝えて任せてしまえばよいところでも、フィリピンに向けては、丁寧な指示と確認を心がけています。
西川:フィリピンメンバーからも、日本側と試行錯誤しながらフローを改善している意識はあるようで、プロジェクト実務に関わっていない私も成長は実感しています。
ー さらに品質を高めていくために工夫していることはありますか?
角南:一時的なものではなく、長期的な品質向上のためにも取り組みを進めています。
たとえば、東京オフィスでは頻繁にミーティングをして考え方を共有したり、気軽に画面を見せあいながら相談する環境が整っています。一方で、フィリピンとはこのようにフランクに接する機会がなかなか作れないので、日本とフィリピンの間に溝が生じてしまうのではないかと心配していたんです。
しかし、そういった状況を受け、フィリピン側が率先して疑問点を解消したり方向性をすり合わせたりする機会を定期的に作ってくれるようになりました。こうした機会は長期的な品質の向上に繋がっているのではないかと考えています。
西川:はい、現状だと角南さんだけでなく日本側CTOの泰とWeeklyでミーティングを行い、フィリピンと日本のコミュニケーションやオフショア開発の在り方などについて、フィリピンメンバーを交えて議論しています。
ー 今後のオフショア開発の目標を教えてください。
西川:フィリピン側としては、まずは日本側のリソースに頼らずにプロジェクトを回せる体制を構築することが目標です。スパイスはシステム開発からデザイン、マーケティングまで360°で対応できることが強みですが、海外事業はまずは開発から入っています。
東南アジアには文化的にデザイナーが少ないのですが、パートナーを組むなどして東南アジアでデザインに関する人材を確保するなど、開発以外にも”ものづくり”に必要不可欠なパートを担えるようになりたいと思っています。
角南:日本側としては、冒頭に出た「クオリティの高いオフショア開発」の実現に向けて国内のフローを整え、海外とワンチームになることですね。場所や文化が違っても、スパイスファクトリーとしてクライアントにサービスを提供することは変わりません。国が変わっても一定のクオリティを担保できる仕組みづくりに注力したいと思っています。
ー ありがとうございました。今後の海外拠点メンバーの活躍を楽しみにしています!
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