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【不動産マネジメント課インタビュー】聴いて、見て、調べる。不動産という大切な資産を活かし、求めている人に届ける。

聴いて、見て、調べる。不動産という大切な資産を活かし、求めている人に届ける

市場調査から募集・仲介業務と、幅広い仕事を担う不動産マネジメント課。形としてみえる「リノベーションデザイン」が注目されがちですが、実はそのデザインの起点はマネジメントの調査がベースにあります。そんなスペースRデザイン(以下、SRD)の中核をになう不動産マネジメント課に、その多岐にわたる仕事について聞いてみました。

箱田:不動産マネジメント課の成り立ちを教えてください。

徳永:設立時は、吉原住宅が所有する建物の仲介を主に取り扱っていました。徐々に、そこでの実績をみた他のオーナーさんからご相談をいただくようになり、仲介メインだったところから、今のようなコンサルティングまで仕事の幅が広がっていきました。

小林:SRD設立後、初めてのプロジェクトは他の不動産会社に仲介を依頼しました。ですが、それでは内覧された方が部屋にもった印象や、入居された方がなぜここに決めたのか、といったお客様の声はきけません。そういった情報に触れない限り、その部屋のリノベーションがどんな効果を生んだのか、本当の意味では分かりません。そこで、吉原住宅以外の部屋に関しても自社で成約させる力をつけようと、仲介部門を設けたのがいまの不動産マネジメント課の原点です。

△山王Rプロジェクトでの見学会。山王マンション401号室「soft – psychedelic(ソフトサイケデリック)」

箱田:設立当時から、取り扱う不動産の種類やお付き合いするオーナーさんも増えています。昔と今とで変わったことはありますか?

前田:オーナーさんの考えや要望をしっかり聞いて、理解することを心がけています。吉原住宅の建物に関しては、吉原がすでに方向性を打ち出しているので、それに沿って進めていきますが、ご相談いただく方は、ビジョンや方向性をどうするか迷っている方がほとんどです。なので、その不動産の特徴や、オーナーさんにあったやり方を導き出すことが、プロジェクトの第一歩になります。

小林:その不動産にあわせて、特別な契約や細かい募集条件を設定することもあります。

徳永:吉原住宅以外の建物に関わることで、わたしたちも、さまざまなケースを経験させていただいています。不動産は、立地、建物の規模、状態など同じものは無く、ある案件での経験が別の案件のヒントになることもあります。経験を積むことで、相談への対応力はレベルアップしていると感じます。

△新築のプロジェクト「ARK BASE HAKATA」

箱田:まずは「きく」ことから始めるのですね。

小林:はい。それはオーナーさんだけでなく、ユーザーさんに対しても同じです。どうしてその部屋が成約に至らないのか。募集条件なのか、立地なのか、あるいは部屋に問題があるのか。部屋を内覧された方からの情報で、問題の根本が見えてきます。答えはいつもユーザーさんや現場が教えてくれます。

前田:わたしたちの仕事は、オーナーさんとユーザーさんの間にはいることだと考えています。オーナーさんから想いを受け取ったら、それを、もっとも適した方へ伝えないといけません。そのためにはまず私たち自身がきちんとオーナーさんの想いや考えを理解する必要があります。そのためにも、「きく」ことはとても重要なプロセスです。

徳永:不動産に対する投資は決して安いものではありません。その大切な資産のことをご相談いただいたということに対して、責任をもって取り組む意味でも、「思い込み」や「常識」で済まさずに、しっかりとした調査やそれを裏付けるデータ・根拠をもって、提案をさせていただいています。

△オーナーさんが所有する不動産のメンテナンス工事などのアドバイスをすることも

箱田:不動産マネジメント課は会社の中でどのような役割を担っているのでしょう。

小林:ユーザーさんの声をきき、社内やオーナーさんに届けることです。良い方に入居していただき、賃貸経営を改善することが目的なので、ユーザーさんの声から市場の動向を把握し、部屋のデザインや募集条件に反映させ、よりいい入居者さんをみつける。そこが一番の役割です。

前田:賃貸住宅は市場の需要にマッチすることが重要です。部屋のデザインは担当の主観ではなく、お客様の声により導き出されるため、その声をヒアリングし社内に届けることを心がけています。また、そのような市場の動向はプロジェクトの企画時に方向性を検討する重要な情報となります。

箱田:日頃は、どのようなお仕事をしていますか?

前田:物件の募集に関わる一連の流れが主な業務です。物件のご案内、お申込みがあれば契約手続き、退去があれば募集の企画、それに関してオーナーさんとのやりとりなど。工事完了時には写真撮影、募集テキストを作成して、SRDのWEBサイトやポータルサイトに掲載します。

徳永:募集中の部屋・区画の情報発信は広報チームと連携してやっています。また、問合せや内覧された方から聞いた情報や感想などを記録し、情報発信の改善が必要と判断すれば、建物の魅力を伝える表現を見直したり、家具等を入れ、再度写真を撮影し、情報発信の内容を更新し、早期の成約に向け軌道修正をします。

箱田:「案内」はとても重要なポイントです。心がけていることなどはありますか?

小林:案内の時は、部屋を話題に一緒に楽しく話す、という気持ちでいます。入居者さんとわたしたちや建物との関係は、お部屋に案内するところから始まっています。ですので、入居後に誤解がないよう情報は漏れなくお伝えするのですが、こちらから押すことはほとんどないですね。気持ちよくご納得いただいたうえでご入居いただきたいので、最後の決断はご本人に、という姿勢です。

前田:こここでもやはり、間に立つ役割、ということを意識しています。多くのオーナーさんはご自身の考えに共感してくれる方、建物を大切にしてくれる方の入居を望んでおられます。また、部屋のひとつひとつには、なぜそのデザインなのか、これまでどんな使われ方をしてきたのか、などそれぞれ固有のストーリーがあります。それが、部屋の魅力のひとつでもあるので、案内時にはそこをきちんと伝えたいという想いもあります。

△見学の際にはその部屋のデザインについて、マネジメントスタッフがしっかりと説明

箱田:社会の流れを常に把握していることが求められますね。

小林:はい。住居用・事業用に関係なく、不動産の仕事は社会の動きと密接につながっています。なので、不動産の情報はもちろんですが、他の分野の動きについても情報をとるようにしています。企画のヒントは、意外と不動産以外のところにあったりします。

徳永:新しいご相談があると、実際の建物だけでなく、その周辺の建物や店舗の動きなど、最低限そのエリアのことがわかるくらい実地調査をします。だからこそ、SRDでは住居と事業用の両方の提案ができるのです。というのも、エリア全体の動きを把握しているので住居物件の相談があっても、ここだったら他の用途の可能性もあります、というのが分かるのです。それは冷泉荘や吉原住宅での経験から得たわたしたち独自のノウハウです。

箱田:受けた相談をさらに深堀して、本質的な課題を見つけ出すのですね。

小林:相談される方も、いろいろ考えて相談に来られます。ですが、やはり近視眼的に考えてしまいがちです。目指すのは、所有する賃貸不動産をいい入居者さんに継続して借りていただくことなので、調査をもとに、オーナーさんとよりよい形を話し合います。

徳永:わたしたちは、企画段階でターゲット(借り手)を絞り込みます。オーナーさんもですが、わたしたちも借り手の想定を明確にしないと、どんな企画を作ればいいのかが分からないからです。そこを情報を集めて明らかにし、お互いが目標を納得した上で実行に移していきます。

△リノベーション現場にも足を運び、アドバイスや課題が浮上すれば軌道修正をする

箱田:どんなときに仕事のやりがいや楽しさを感じますか?

小林:私は、不動産企画自体が社会との接点だと思っていて、いま社会の流れの中でこういうものが求められているのではと考えたことが、ぴったりはまったら嬉しいですね。そして入居者さんやオーナーさんからお礼の言葉をいただいた時など「誰かや社会の役にたったかも」と思えた時にこの仕事で良かったと感じています。

前田:不動産の仕事は、人の人生を預かる責任のあるものだと思っています。オーナーさんと入居者さんの関係をうまくアシストできて、その方々が喜んでくれたり、共感でつながってくれたときにはすごく幸せを感じます。

徳永:ずっとお付き合いのある方はもちろんですが、新しい方からご相談があるときは嬉しいですね。オーナーさんがSRDのよさを感じ取ってくれて依頼をしてくれた、ということですから。予想できなかったこと、想定通りにいかず苦しむこともありますが、それを共に乗り越えて、最後に成果としてお返しができたとき、直接「ありがとう」といってもらえたとき、それらの苦難が全てが帳消しされる想いです。

入居者さんとオーナーさんをつなげる。

オーナーさん、入居者さん、常に両方の立場に立ち、双方をつなぐ。建物は人が使ってこそ活き活きする、というSRDの考え方において、不動産マネジメント課はとても重要な役割を担っています。これからも、わくわくするような企画をつくっていきましょう!

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