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第2回 社員インタビュー『Torobo Eye開発ストーリー』

こんにちは、広報担当の吉澤です。

第2回 社員インタビューでは、今年1月にプレスリリースを発表したTorobo Eyeの開発責任者である岡をご紹介させて頂きます。

岡 弘之

東京大学工学部システム創成学科卒業。東京大学大学院新領域創成科学研究科情報生命科学専攻修了後、キヤノンに入社。同社において、10年以上にわたり複合機の画像処理技術を研究開発。当社ではTorobo Eyeシリーズの画像処理アルゴリズム開発に加えて、画像認識や機械学習、ロボットの遠隔操縦などといったロボットの上位レイヤーのソフトウェア開発に従事。

-Torobo Eyeについて教えて下さい

Torobo Eye は対象物の三次元形状を計測するための3Dビジョンセンサです。ロボットに搭載しやすい小型・軽量であり、それでいて産業で従来より使われている三次元カメラと同程度の高精度を備えた製品となっています。また、他社の産業用の三次元カメラに比べて価格を低く押さえてあり、現場導入がしやすいという利点もあります。



-開発の経緯を教えて下さい

今から2年ほど前に、タオルを人型ロボットでハンドリングするシステムを実装する案件がありました。当時は3DビジョンセンサとしてIntel社の安価な製品(RealSense)を使用していましたが、精度が不十分なため作業成功率が頭打ちとなっていました。そこで他社の高精度な産業用3Dビジョンセンサを導入しようと考えたのですが、いざ見積もりをとってみると非常に高価でびっくりしました。また、他社の産業用3Dビジョンセンサはサイズや重量が大きいので、私のシステムでロボットに搭載して使用するには難しいと感じました。

この課題に対してどう対策しようか悩んでいたところ、とあるSIerからも同様の課題を聞くことがありました。これはもしや世の中の多くのロボットシステムでは同様の課題があるのではと思いました。

ちょうどよい3Dビジョンセンサが無いのなら自分達で作ろうと考え、社長からも賛同を頂きながら個人プロジェクトとしてスタートしました。そして技術的に必要なところは社内メンバーのフォローをもらいながら、個人プロジェクトを進めていきました。このように社内では各エンジニアが隙間時間で独自に研究開発を行い、そのプロセスやアウトプットに対して会社もフォローしていく風土があります。



-開発に苦労した点はありますか?

個人プロジェクトがスタートしたとはいっても他の業務は減っていないですから(笑)、日々の業務の隙間時間を見つけてなんとかプロジェクトを進めていきました。

また、私の専門は2Dの画像処理ですが3D画像処理についてはそれほど詳しくなかったため、アルゴリズムの調査・検討から始める必要がありました。メカ・電気チームの協力のもとプロトタイプを製作して、アルゴリズムの検証を積み重ねていきました。

こうして約1年間かけて基礎技術が確立し、その後9か月間で製品化を行い、そして販売に至りました。これは大手メーカーではできないスピード感だと思います。

-開発から製品発売まで1年9ヶ月とはとても早いですね

東京ロボティクスには、機械設計や電気設計をはじめロボットに関わる全ての専門家が集結していて、且つフラットな組織になっているので、エンジニア間の連携がしやすいことが大きいと思います。大手メーカーは、部門が細分化されていて、部門を跨ぐ毎に稟議や申請書が必要だったりするので、このスピード感は弊社だけだと思います。

-そもそも、なぜロボットの会社でセンサなのでしょう?

ロボットにとってセンサは外界認識のためにとても重要です。当社はロボットを開発しているからこそ、ロボットエンジニアが欲しいセンサを作れると考えています。その一例がまさにTorobo Eyeシリーズとなっています。

また、私はかねてより前職での画像処理の経験を活かして新しいセンサを作りたいと考えていましたので、私が作りたかったから当社でセンサを開発した、とも言えます。

-今後の目標について教えてください

東京ロボティクスでは各エンジニアが開発した技術や製品を世の中にアウトプットしていくという社風があり、会社としてもそれを推奨しています。また、各エンジニアも自身の技術力に満足することなく常に自己研鑽し、互いに刺激を与えあっています。現在、まさにこの活動が実を結んでおり、どんどん大きなことができているという実感があります。

私もTorobo Eyeを製品化したことで満足することなく、世の中の人が誰も思いつかないような手法の新しいビジョンセンサを開発していきたいと考えています。それが私の当面の目標です。


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