こんにちは、ユニラボ採用チームです。本日は、9月からユニラボにジョインしたデザイナーの柿本さんにお話を伺っています。ユニラボのデザインチームのお仕事や、事業会社のデザイナーに求められることについて伺いました。
柿本 泰人さん
2010年に美大を卒業後、新卒で任天堂株式会社に入社。8年間、コンソールゲームやハードウェア内蔵アプリ、スマートデバイス向けアプリのデザインを担当。その後、株式会社リクルートでAirレジやAirレジ ハンディなどのスモールビジネス向け業務支援ツールのデザインに携わる。2021年の9月からユニラボに入社。
事業会社のデザイナーに求められるスキルや考え方とは
―― 様々な製品やサービスのデザインを担当されてきた柿本さん。ユニラボに転職を決めた理由は何でしたか?
まず、自分自身でも利用したいサービスになる可能性を感じたことです。私も専門分野でない仕事を外注する際に、相場感が分からなかったり、発注先を選ぶのに時間がかかることなどへの負を感じたことが何度もあったので、アイミツが解決しようとしている課題には最初から共感できました。
また、長期的に活躍できる会社を探していたので、最初に代表の栗山さんとカジュアル面談をした際に、ユニラボとして10年後にどのようなことを達成していたいか、という話をできたことも大きなポイントになりました。
デザインチームがない状態からのスタートとなりましたが、プロダクトデザインを中心とした全体的なアウトプット品質改善、そしてチームビルディングを着実に進行しているところです。
―― インハウスデザイナーとしてのキャリアが長い柿本さんが考える、事業会社のデザイナーに求められる特性とは何でしょうか?
インハウスのデザイナーは、作って納品したら終わりではなく、計画▶︎設計▶︎開発▶︎リリース▶︎振り返り▶︎さらなる改善計画▶︎・・という開発のスパイラルに継続的にコミットすることが求められます。どのような戦略に基づいて各施策を行うかを理解した上で、自分でも課題を見つけ、改善施策を生み出していく能動性が必要だと思っています。
――柿本さんはご自身のキャリアの中で、デザイナーとして経験値を高めるために意識してきたことはありますか?
飽きっぽい性格にも起因しますが、なるべく新しい事にチャレンジできる環境に身を置くことです。
アプリケーションやサービスデザインの分野で会社全体、あるいは部門のチーフのような役割を担えるだけの対応力や判断力を身につけるため、これまでやってきた事の繰り返しにならない、新しい経験を得られそうな環境を選ぶことを意識してきました。
どのような経験と経験を掛け算していくかは、希少価値の高いキャリアを形成する上で、どんな職種でも意識する必要があると思います。例えば私の場合、ビデオゲーム業界からSaaSプラットフォーム領域へとキャリアチェンジしましたが、膨大なアセットを効率的に制作するために構築されたビデオゲームの開発環境に身を置いた経験や、3DCGや映像の制作経験は、WebサービスやiOSアプリケーションの品質担保・業務効率化を目的としたデザインシステムのセットアップにもとても役立っています。
また、日々の業務や生活の中では、インプットとアウトプットのバランスを意識しています。多忙な中でも本やワークショップ、カンファレンスなどから得られるインプットを、実業務の中でうまく消化してアウトプットしていくようなスパイラルを描けるタイムマネジメントをしたいです。
―― 事業会社のデザイナーをしていると、ビジネス職やエンジニアなど、他の職域のメンバーとコミュニケーションを取る機会が多いと思います。柿本さんはどのようなことに気をつけてきましたか?
お互いの得意/不得意分野や、やりたいことなどを理解し、ワークフローの各接点ではその時々で最もうまくワークする分担にすることを意識しています。例えばチームに情報設計が得意なディレクターがいれば、figmaやmiroなどでワイヤーを書くことをお任せすることもありますし、いなければデザイナーがやる場合もあります。また、メンバーの増減、工数の空き状況やスキルセットなどを考慮しながら、誰がオーナーとなるかを施策単位で変えたりすることがあります。チームビルディングの過程で、メンバーのスキルマップやモチベーションの源、地雷など自己開示をするワークショップをして、相互理解を深める取り組みを行ったりもしています。
―― ユニラボの中で、デザイナーやディレクター、エンジニアなど職域の異なるメンバーがどのように協働するのが理想だと思いますか?目指す姿を教えて下さい。
関わる人全員がプロジェクトの全体感を把握し、戦略レベルで同じ目線を持てる・・そのためにオープンかつコンパクトなチームであり続けたいですね。コミュニケーションが重要なのは言うまでもありませんが、一方でミーティングの数が増えすぎないように、情報伝達経路はシンプルにすることを心がけています。
アイミツCLOUDのチームを例に挙げると、オンラインでもオフラインでも参加できる全体定例やスプリントレビューといったオープンな会議体で、戦略の共有から指標の定点観測結果、各メンバーの担当案件の共有まで行っています。結果、各々の当事者意識が高く、良いチームの雰囲気になっていると思います。
裁量のある環境で課題に向き合う面白さ
―― 現在のユニラボのプロダクトデザインの現状について教えて下さい。今感じている課題はありますか?
どのプロダクトも、ユーザー志向な改善施策をもっとスピーディに実行していく必要があり、チーム全体として馬力がまだまだ足りていないと思います。体制的には、特にフロントエンドに強い人が少なかったり、QAの体制が確立されていない点が大きな課題です。
また、UX品質向上のためには、デザイナーはもちろん、開発に関わるあらゆるメンバーがデザインシステムやアクセシビリティガイドラインについて体系的に理解していることが重要で、勉強会などを通してチーム全体のリテラシーを高めていきたいと思っています。
―― 柿本さん自身は、どのような時に仕事のやりがいを感じますか?
モチベーションの源泉はシンプルにお客様に喜んでもらえることなので、ユーザーから近い距離でフィードバックを得られる現場が好きですね。ユニラボでは、社員自身がチームでアイミツCLOUDを利用して発注業務を行っているので、ユーザー目線を持ちやすいところは良いですね。他の社員が行っている発注業務を観察して課題を発見することもあります。他にもユーザーインタビューなど様々なリサーチを通して、お客様自身も気づいていないような潜在的課題やニーズを見つけ、改善案を提示した時に良い反応が得られると達成感があります。
現在デザイナーが主導しているUX改善施策はヒューリスティック調査に基づくものが多いですが、一方で発注者・受注者双方から頂いたフィードバックを次の施策につなげていくサイクルもでき始めています。課題やニーズ発見のルートをどのように作るかはチームとして議論を続けています。
―― デザイナーとして追っている指標や、施策の振り返り方について教えて下さい。
展開している3つのプロダクトはどれもCVRをKGIとしていますが、施策単位ではその趣旨ごとに指標が変わります。デザイナーとしては、リリースした機能が狙い通りにユーザーに利用されているかに最も興味があるので、PV数やページ/セッション、直帰率などの中間指標の他に、ヒートマップツールを使ってユーザー行動をモニタリングしたりしています。
強いデザイナー組織を作っていくために
―― ユニラボのデザインチームを、これからどのように強くしていこうと思っていますか?
ベースとなるブランドアイデンティティやデザインシステムがあった上で、チャレンジポイントで各メンバーのスペシャリティを発揮できる体制を目指しています。少ない人数でも安定的に品質の高いアウトプットをしていくために、生産効率性を重視する場所と、時間をかけて注力すべき場所を適切に仕分けるメリハリが必要かなと思っています。
また、これまでは1人のデザイナーが1つのプロダクトのあらゆるアウトプットを担当するような体制でしたが、現在は各デザイナーの得意分野と担当する領域がマッチするように採用・アサインを進めているところです。
――最後に、今ユニラボにデザイナーとして入社する面白さについて教えて下さい。
これから先、どのフェーズであってもデザイナーが自分の持ち場で広い裁量を持って仕事ができる場所であり続けたいと思っていますが、特に今は良くも悪くも白地だらけですし、全社的にプロダクトの品質改善にとても前向きなので、ダイナミックに改善していける面白さがあると思います。
チームごとに体制やワークフローは異なりますが、どこを担当しても上流からプロジェクトに関わることができますので、それを望んでいる方はぜひ扉を叩いていただきたいです。