「研修の内製化」は最近の人事施策のはやりの一つだと思います。トレンドを受けたわけではありませんが、次世代リーダーを対象とした内製化研修をスタートしました。人事が事業成長を支援するというコンセプトから「CHAIN(Challenge and Innovation) Suport System Standard」(通称 CHAIN-SSS)と銘打っています。今日はCHAIN-SSSを企画・実現するにあたって準備した内容を共有します。
1.課題を特定する
当社ではこれから4年間で年間10名、合計40名を採用する計画です。現状の倍の人員になりますが、マネージャーやリーダーが将来的に不足することが見込まれます。日々の業務では学びづらいリーダーとしての心構えやスキルを身につけるために、研修内製化を企画しました。また、リーダー研修は、リーダーになる前後1年間で実施しないと効果が出づらいという科学的な根拠もあります。現状を踏まえて、このままでは将来課題になるであろうことに対して、ギャップを埋めるための研修を実施することにしました。
2.研修を設計する
前職でも研修内製化の経験はありましたが、初めてきちんとした研修設計を行いました。具体的には、研修のニーズ分析を行ない、「打ち手として研修を行うことが正しいのか」から考えました。ニーズ分析の方法は、目標と現状のギャップを捉えて、その原因を特定し解決策を考えるというステップです。解決策で研修が適切であれば、研修ニーズを考え、研修ゴールを設定します。戦略策定の基本であるギャップアプローチに近い手法ですので、個人的には違和感なく考えることが出来ました。
3.研修内容を考える
最後に研修内容を考えます。ポイントは何を実施するかの中身から入らないことです。その前に、「どうなったら組織成果につながるか」そのための手段として「何を実施するか」の順番で考えるべきです。研修内容は研修講師の学びと経験に大きく左右されます。私自身が講師を務めることから「どのような価値を提供できるか」を考え続けていますが、これまでの学びを最大限盛り込むことができればと考えています。
4.研修効果を測定する
最後に研修の効果測定ですが、一般的には4つの切り口から行ないます。「反応」「学習」「行動」「成果」の4つです。
「反応」とは、研修内容の印象を調べるため、満足度、有用度、自己効力感を測ります。自己効力感という単語は聞き慣れないかもしれませんが、簡単に言えば「自分でもできる!」と思えたかどうかです。研修直後にアンケートで測ります。
「学習」とは、知識やスキルを学んだかを調べるため、テストやロールプレイを行ないます。研修前後はもちろん、研修中に測ることもできます。
「行動」とは、学んだ内容の転移や研修後の行動変化を調べるため、活用度を測ります。研修後数か月立った後、アンケート、インタビュー、行動観察を行ないます。
「成果」とは、研修によって事業にどのような変化あったかを測定します。売上、粗利などの事業KPIの変化を測定します。
しかしながら、特に「成果」まで行くと研修の効果があったのかなかったのかだけで測定するのは極めて難しいことがわかります。逆に「反応」を測定しても成果につながる研修だったのかを測定することは出来ません。効果測定をどこまで実施するかも研修設計時に考えておくべき一つだと思います。
まとめ
先日第1回の研修が終了しました。概ね良い評価を頂きましたが、改善点もフィードバックして頂きました。建設的なネガティブフィードバックを受けることで、研修内容もブラッシュアップされていきます。継続的にフィードバックを頂きながら、価値ある研修を実施したいと考えています。
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