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「まずは好きなことをやり始めて、それをやり続ける」 20代のキャリア論をオズビジョン経営企画室室長に聞いてみた

こんにちは。オズビジョンで採用広報インターンをしている「たけぶち」(@k_takebuchii)です。

社員の方と話してると、「たけぶちくんは、将来何やりたいの?」「どんな業種に就きたいの?」って聞かれることがよくあります。

たいてい自分の未完成な答えを話しながら、「自分のやりたいことってホントは何だろ?どうやって実現すればいいんだろ?」と内省に及ぶことがほとんどです。

今回は、そんな悩めるインターン生が、オズビジョン経営企画室室長 岩名さんに20代のキャリア論を伺ったので、共有したいと思います!!

【目次】
〇「いかだ下り」のキャリア形成
〇これからの時代の働き方
〇「自分のやりたいこと」を探している人へ
〇今回の気付き

<岩名さん略歴>
平成12年早稲田大学卒。卒業後、大手金融機関にて融資・与信管理、事業計画の策定等に携わる。以後、IT、人事コンサル、エンターテイメント、小売、フィットネス等の業界において、経営企画、経理・財務、総務・人事、海外事業開発に携わる。


「いかだ下り」のキャリア形成

ーー「自分のやりたいことってホントは何だろ?」と悩む時があるんですが、岩名さんの考える20代のキャリア論はどういったものですか?

岩名 あくまでも考え方の一つですが、「いかだ下り」のようなキャリア形成もあるかなと思います。これはキャリアデザイン入門[I]基礎力編などの著者である大久保幸夫さんからの受け売りなんですが(笑)

(メモ)ある程度の職業経験ができるまで、上から降ってくる仕事をあれこれ選ばないで、がむしゃらに業務に取り組みスキルを磨くことが必要です。いかだ下りをするときは、とにかく目の前の状況に集中して、あれこれ考えず前に進むことが求められますよね。あの感覚に似ています。
出典:キャリアは「いかだ下り」「山登り」で考える
https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK05031_V00C13A9000000

ーー「いかだ下り」ですか。理想的な「いかだ下り」ができる条件とかありますか?

岩名 例えば、以下の4つです。
①深く考え過ぎない程度に忙しい状態であること
②組織または上司から高く期待されている状態であること
③携わる業務について意義深く表現されていて本人に同様のテイストで説明されていること
④適度な距離感で上司が伴走していて本人からアラートやヘルプを出せる状態であること

ーーうーん。「携わる業務について意義深く表現されていて本人に同様のテイストで説明されていること」とは、どういう意味でしょうか?

岩名 簡単に言うと「どんな仕事も大事であるという認識が共有されていること」です。「自分が担当している仕事は、こんな意味があって、この人たちに役立っていて、その質によって何が変わるのか」。どんな仕事であっても、その意義を本人が理解している。逆にいえば「この仕事はすごいぞ」と思う仕事であっても、しょせん1つの仕事。それ以上でも以下でもありません。この辺りは、有名なレンガ職人の話にリンクしますね。

(メモ)ライゾマティクス代表 斎藤精一さんの言葉も追記しときます。
僕は抽象と具体を行き来する...つまりミクロとマクロの行き来の速い人を尊敬しています。
学生によく言うのは「万里の長城のレンガを組んでいながら、何のためにレンガを組んでいるのかが理解できる人になれ」。小さな作業を積み重ねながら、それが大きな意味をなすことまで考えられると、世の中の見え方が変わってきます。
出典:イノベーションを起こすリーダーの思考・視点--朝倉祐介×前田裕二 リーダーズトーク
http://www.sensors.jp/post/life100leaderstalk_3.html

ーーそういうことを最初に共有してくれる上司って大事ですよね。「いかだ下り」を共にする「いい上司」の見分け方は何だと思いますか?

岩名 そうですね...
①自分への(高い)期待を具体的に伝えてくれる or not
②タイムリーかつこまめに会社の方針や必要情報を共有してくれる or not
③定期的に中長期的なビジョンを共有してくれて理解の時間を設けてくれる or not
④部署および個人の仕事の目的や意義をきちんと説明してくれる or not
⑤任せてくれるが見守ってくれる or not
⑥厳しくも身体面および精神面の両面で支えてくれる or not
特に、最初の3ヵ月~半年で教わる会社や上司の仕事のクセは残るので、その意味でも最初の上司は大事かもしれませんね。

ーー 「最初の3ヵ月~半年で教わる会社や上司の仕事のクセは残る」ってどういうことですか?

岩名 入社間もなくの時期が、最も無力で、教えてもらうだけでありがたい期間なので、その時に教えてもらったことが仕事の基本(見方によっては癖)として残ると思います。
私の場合だと、最初の会社が、すごく細かいルールが決まっていて、何事もルールに書いてある会社だったので、ルールの有無や規定を確認することなく勝手に進めるということが、今になってもありません。

あとは、仕事の期限の考え方も、今となっては良い習慣を身に着けられました。仕事は先に期限が決まる一方で、期限までには色々な障害が浮かび上がっています。でも最初の会社では、期限に関する言い訳の概念は存在せず、あらゆる事態に備えて期限管理を行う必要がありました。極端な話、決裁者が気分によって会社に来ない、といった理不尽な理由すら予測して動いていました。その意味では、予測する力も身につきましたね。

ーー「障害が浮かび上がるという前提で、期限管理を行う」ってことですね、、

岩名 そうですね。ただ、それは一側面であり、本質は「いかに多くの、かつ予想外の障害が浮かび上がってきても、遅延した場合の責任を自ら負う、言い訳をしない」という覚悟を持つことです。これは、実は誰かに強制されて渋々負うものではなく、自分自身で仕事をコントロールするプロとしての入り口に立てる、という良い側面でもあります。

これからの時代の働き方

ーー岩名さんの海外経験を教えてください!

岩名 子供の頃(4歳~13歳)は、両親について香港、バングラデシュ、パキスタンに住んでいて、日本人学校やインターナショナルスクールに通っていました。
社会人になってからは、ハワイとグァムの現地法人の管理業務責任者を務めていました。インドでは、ビジネスビザを単身乗り込み、現地法人の立上げから経営全般を行っていました。具体的には、従業員の採用、オフィス等の環境面の契約、提携企業や仕入先の現地開拓、管理事務等です。

ーー以前の記事で、「極端ではありますが、日本が無くなったとしても、世界中どこに行っても生き残っていくことのできる力をつけた時が一番安心だと思います。」とおっしゃっていたと思います。岩名さんの考える、「世界中どこに行っても生き残っていくことのできる力」「これからのグローバル人材の在り方」を教えてください。

岩名 「世界中どこへ行っても生き残っていくことのできる力」は、以前の会社では「場所を問わず、人を問わず働ける力」と定義していました。逆に言えば、特定の場所と人で発揮する力を身に着けてから、場所や人を変えてみるとも言えます。もし私がいま新卒の学生であれば、何らかの基準で選んだ職場で、とりあえず力を発揮できるようになる。具体的にいえば、とりあえず「いてくれた方が良い人材」になることを目指すでしょう。その段階を踏まえて、色々な場所で色々な人と働くことにチャレンジするのではないかと思います。

これからのグローバル人材の在り方は、前述の定義とほぼ同義だと思います。まず、能力面で不可欠になるのは言語力、とりあえず英語力は必要でしょうね。ただ、将来的にはもう1言語ぐらいは普通の時代になるかもしれません。一方、以前グローバル人材育成に携わっていて思ったのは、それぞれの社会の文化を超えられるようになる必要があるということです。

ーー「社会の文化を超えられるようになる必要がある」ですか、、捉えづらいですね。

岩名 個人的な経験則からですが、若いうちの方が修得しやすいです。あと、対応できる人は対応できない人の理由が分からず、対応できない人はどうしたらいいかすらわからない、という感じの内容であり、観点、考え方の影響が大きいです。あと、育ってきた環境や先天的要素も結構大きいです。

ーーなるほど。話変わりますが、以前「オフィスと社員はもう要らない」の記事を共有して頂いたことがありましたよね!!こうした発想は、副業、複業、リモートといった働き方をアップグレードさせた考え方だと思います。岩名さんの考える「これからの時代の働き方」を教えてください。

岩名 まず社会構造として、良くも悪くも仕事の価値がアウトプットそのものになっていくイメージがあります。逆に言えば、会社への忠誠心、対面でのコミュニケーション、その会社のクローズ情報といったものが価値を失っていくと思います。そうすると、一部の業界・領域では、少数の良質で安価な人(正確に言うとアウトプット元)に仕事が集中し、お金も集中するという構造が生まれてくるでしょう。

ただ一方で、最適化が一向に進まない業界・領域もあるでしょう。
そして、場所や所属を問わずに自由に働きたい人は、一部の業界・領域に所属して、そこで集中的に業務を請け負い、多くの報酬を受ける時代になるかと思います。一方で、最適化が進まない業界・領域には、相対的に能力では劣るが、不自由な働き方を厭わない人々が集中することになるでしょう。
長くなりましたが、つまり「今後の働き方」は、まずはどの業界や領域を選択するのかが第一段階の選択肢の分岐であり、そのうえの第二段階として仕事の多寡、報酬の多寡につながっていくと思います。

ーー「最適化が一向に進まない業界」の特徴にはどういったものが考えれますか?

岩名 例えば、医療業界です。丁寧に全力でやろうとするときりがなく(延命とそのコストは永遠のテーマになるでしょう)、また公共色が強いので、最適化、効率化が進みづらい気がします。また、ロボット等に担当させるにしても、責任の所在や倫理的な問題から、今後も遅々として効率化は進まないでしょう。


他の例としては物流業界です。一時期は生産性が向上しましたが、ご存知の通りでここ最近は、即日配送がなくなり、コストが高まり、やはり一時的に生産性が落ちている業界です。いくら、データは効率化しても、やはり現物はアナログにしか動かないからです。
これらの業界では、全業務プロセスにおいて人間に頼る割合が高いので、これからも人が多く集まることになるでしょう。

「自分のやりたいこと」を探している人へ

ーー「自分のやりたいこと」を探している人へコメントお願いします!

岩名 まず先に。つい最近のテレビで、著作「バカの壁」で有名な昆虫学者養老孟司さんの言葉を借りると、以下に集約されるかと。(正確ではないのですが、こんな趣旨だったかと)。

まずは好きなことをやり始めて、それをやり続けてください。やり続けていくと、やり続けるためにやらなければならないこと、乗り越えなければならないことが出てきて、やり続けるために何をしなければならないか、が見えてきます。それを通して経験することや知識全てがあなたにとって大切なものになるでしょう。

あと、私の勝手な予想ですが、多くの方が「自分のやりたいことをやっている人なんて多くない、ほとんどいない」と認識されているかと思います。しかし私自身が、ある程度自分の好き嫌いを大切にして、ある程度好きなようにやってきた感想としては、「自分のやりたいようになっている人は、思ったより多い」という感想です。


あなたの人生を本当に大切に考えるのであれば、やりたいことをやらない人生はあまりにもったいなく感じます。
人生を終えるときに後悔しないためにも、好きなことを続ける道を探ることをお勧めします。

(メモ)2018年9月24日 『V6の愛なんだ2018』3時間SP放送 「未成年の主張」全国大会での養老孟司さんの言葉「是非、好きなことをずっと続けて欲しいですね。すると、そのために学ばなければいけない事に気が付くはずです。続けていると、何らかの形で、かえってくると思います。」

今回の気付き

今の自分は何となく「見えない課題」に怯えてるような気がしました。目標はあるけど、何となく不安。「何者かにならなければならない」切迫感はあるけど、暗中模索状態みたいな。

その解決策は、それこそ以下の通りかと。

まずは好きなことをやり始めて、それをやり続けてください。やり続けていくと、やり続けるためにやらなければならないこと、乗り越えなければならないことが出てきて、やり続けるために何をしなければならないか、が見えてきます。それを通して経験することや知識全てがあなたにとって大切なものになるでしょう。

「いかだ下り」のキャリア形成にしても、これからの時代の働き方を考えるにしても、これを核に置くと、結構しっくりきます。

「見えない課題」にビビっててもしょうがないので、とりあえず突き進んで経験値を稼ぎ、「自分の課題の見える化」から目指してみようかなと思います!

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