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第2外国語にチャレンジして克服した語学コンプレックス 後編

遅すぎる海外への挑戦を始めたそんな私の語学への向き合い方、そして完璧に喋れるわけではないのですが、語学コンプレックスを克服して開かれた海外での生活のお話をご紹介したいと思います。

前編はこちら

急速に伸びたイタリア語と消えゆく英語

短期留学中、後半にはイタリア人や、イタリア語を学んでいる外国人と過ごす時間がほとんどを占め、
イタリア語しか使えない語学習得には充実の生活が1ヶ月ほど経ちました。

そんな留学生活の中、私が夢中になっていたことといえば旅行です。

イタリアからヨーロッパ各地へ飛ぶ格安のチケットを毎日のようにチェックし、激安チケットを見つけては週末の度にどこか旅行へ行っていました。

フランス、スペイン、ギリシャ、ドイツ…ヨーロッパではそれぞれの国が近く、多様な文化に足を伸ばせばすぐに赴くことがでいます。

ヨーロッパは国も違えばほとんどの国で言語が異なります。
そんな中一番便利で確実な言語はもちろん英語ですが、その頃の私の頭にはもうイタリア語の単語、文法しか残っていませんでした。

スペイン経由でフランスへ旅行に行った際、飛行機を降り、タラップを下った瞬間にあることに気がつきました。

携帯電話を座席のポケットに置いたまま出てきてしまったのです。

急いで地上係員の人に話しかけるも、ここはもうフランス!彼女は私に「英語話せる?」と尋ねます。
脳内が全てイタリア語に変わっていた私には簡単な英語ですら口から出ず、出るのは全てイタリア語、、、必死に英語を思い出すもなかなか口に出せずちょっとしたパニックに…

そんな状態の時に親切な別のスペイン人の女性が訪ねてくれました。
彼女はスペイン語で私に話しかけると、私はなんとなく何を言っているのがわかったのです。

そう、イタリア語とスペイン語は少し似ているラテン系の言葉なのです。

彼女もイタリア語が少し分かるらしく、お互いちょっと変なラテン語の会話で私の携帯電話の状態と座席を伝えることができました。
そしてスペインの女性はなんとその状況をフランス語で係員に伝えてくれたのです。

ヨーロッパでは英語はもちろん、隣接する違う言語の国の言葉の文化にも親しみやすい環境にあるせいか、母国語、英語に加え、第三言語を話す人が多いような気がします。

ラテン語がベースとなって広がったヨーロッパ圏の言語は共通する文法や単語も多く、他の言語を習ったわけではないけどわかる。という人がよくいます。
事実私はスペインではほぼイタリア語で貫いていました。

そんな言語の多様性に触れたフランスの滞在では何かあるたびに英語にトライするも、壁にぶち当たると「英語は難しいけどイタリア語ならイケる」と説明し、
仏女A「エエェェ、、、イタリア!?どうしよう、そういえば元彼イタリア人じゃなかった?」
仏女B「イタリア人だったけど彼フランス語喋ってたわよ、、でもなんだっけ… come stai?(ご機嫌いかが?)」
こんな具合でイタリア語を話し、英語が出ない日本人。というキャラとして、言語パニックに巻き込む
という騒動を何度か引き起こしつつ、現地の人と触れ合っていました。

そんなほろ苦い経験をすると私もいよいよ実感します。

やはり英語だと。

その後3年、イタリアへの思いをひきづりながらも決意した海外長期渡航先は、マルタ島でした。

マルタ島は地中海に浮かぶ小さな国ながら、イギリス統治の歴史があり、マルタ語と英語が公用語となっている国。
ヨーロピアンが英語を学ぶ人気の留学先で最近では日本人にも人気が出てきています。

マルタ島では英語のための語学学校に毎日通い、ヒアリング、スピーキングの基本的な会話ができるようになっていましたが、私の脳内はやはり混乱していました。


それは、ルームメイトや学校の友人がほぼ全員イタリア人だったからです。

夏休みのバカンスで英語の勉強をしに来ている彼らは、学校では熱心に英語を話すものの、学校が終わったオフの時間はイタリア人同士、イタリア語で楽しく過ごしています。
そんな生活を続けていた3ヶ月間で私の英語…でなくイタリア語はメキメキと上達していきました。


その後、私は家庭の事情などもあり南米ブラジル、サンパウロへ移り住むことになります。

ブラジルはポルトガル語を話します。

このポルトガル語がこれまたイタリア語とよく似ていて、少しの質問や受け答えなどはポルトガル語を知らない私でもなぜか会話が成立してしまうという珍事が発生しました。

そんな混乱の中でも、サンパウロで出会った友達は国際的な人が多く、英語でのコミュニケーションをとる機会が多かったのです。

そうです、いよいよ待ちに待った英語を使ったコミュニケーションの幕開けです!

ブラジル人の友達の場合、彼らもなれない英語で接してくれます。
聞き取りにくい発音や知らない単語もお互い補いながら耳を貸し合い、会話は日に日にサマになっていきました。

語学学校でみっちり勉強したという自信も手伝ってか、以前のようにイタリア語と混同しパニックになることもなく、ましてや、数年前、言語コンプレックスを持っていた頃の外国人とは触れず当たらず…なんてマインドは跡形もなく会話を自ら楽しむようになっていました。

もちろん英語もネイティブとは程遠いカタコトで話が最後まで通じなかったり、肝心の話のオチがスムーズに言えず悔しい思いをすることはありますが、ちょっとした単語や文法の間違いを怖がったり恥ずかしがったりはしません。

英語が苦手だと思っていた頃は、世界の人たちは英語が完璧で、苦手なのは日本人である私たちだけなんだ。。なんて、言い訳にもならない理屈をつぶやき、英語を話すことを避けていました。
そんな私でも、第三の言語に触れ、言語の広がりや海外の人たちの言語に対する向き合い方を知り、英語、語学に対するコンプレックスはすっかりなくなりました。

そしてサンバカーニバルに参加したりする。

今では、念願だった大好きなイタリアで生活し、イタリア語での会話はほとんど困ることなく生活をしています。

イタリア語が完璧な訳ではありません。

「少し間違ってるけど伝わるレベル」で大いに結構。

そんな気楽な気持ちで日々過ごしています。


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