ハピタスのPM(プロダクトマネージャー)を担当している西です。
技術畑のWebデザイナーからプロダクトのビジネス責任を持つPMへの転身例として、自身が身に着けてきたスキルや経験を挙げていくシリーズ4回目の投稿になります。
①Webデザイナー
②Webディレクター
③新規事業開発
④PM
と職種別で書いていきます。
④プロダクトマネージャー
プロダクトマネージャーの役割は、世界で闘うプロダクトマネジャーになるための本等で定義されていますが、顧客にとって真に価値のある製品を世に届け、よりよく改善し続ける活動に責任を持つものだと解釈しています。
略すとPMとなる職種で混同されやすい「プロジェクトマネージャー」との違いで言いますと、プロダクトマネージャー=What、Why(何を作るか、なぜ作るか)を定義し責任持つ人、プロジェクトマネージャー=How、When(どう作るか、いつまでに作るか)を定義し責任を持つ人というイメージです。Webサービスの開発では両者ともエンジニアやエンジニア出身者が担当することが多いと思います。前者については必ずしもエンジニアリングのHowに精通している必要はないですが、オーダーする製品を開発するプロセスへの理解は必須なように思います。
ハピタスのプロダクトマネージャーは私が担当していた期間においては、実質的には事業責任者としての役割を担っていました。事業責任者とは、サービスが目指すゴールを設定し、ゴールを達成するための事業戦略を策定し、全ての活動(営業、マーケティング、システム開発、デザイン、カスタマーサービス等)がゴール達成に向けて正しく実施されているか管理していくのが主な業務になります。ハピタスは現在のところオズビジョンの屋台骨であり、200万人の会員や年間40億円以上の売上を上げる規模の大きなサービスです。顧客はユーザーとクライアント(ASP・広告主)の両方で、この規模のサービスを運営していくにあたり必要な知識や経験は幅広いものが要求されます。
私のキャリアの軸はデザイナーですから、上記の範囲においてカバーできる範囲が限定的で、正直なところ非常に苦労しました。一方で、ハピタスの運営体制は、各チームに5年以上担当しているベテラン社員がいるため、Howについてはチームにお任せで粛々と進めることが可能でした。組織をマネージメントしていくスタイルは人やフェーズによって様々ですが、私の場合は事業責任者としての経験が浅いまま大規模サービスの担当になってしまったため、テーマとして「成果を上げるために、いかに現場に気持ちよく動いてもらえるか」を中心に据えて様々な施策を講じていきました。唯一自信を持てたのは自分自身がこのサービスが好きであり、運営している組織もまた好きであることでした。ハピタスは長らく顧客志向を掲げて運営していますから、これを共通言語としてよくオーダーをしていたように思います。
事業責任者として難しく感じたこと、十分にパフォーマスを発揮できなかったことは沢山あります。たとえば事業戦略の策定では、気を抜くと「戦術」レベルに小さくまとまってしまい箸にも棒にもかからない感じになってしまいますし、そもそもポイントサイトは参入障壁が低い上に差別化が難しいビジネスモデルですから、どうすればお客様に選んでいただけるのか、日々悩みがつきないものでした。結局のところ、外部環境にアンテナを張りつつお客様を理解することに尽きるのでは、と最近では考えています。
私自身のキャリア変遷について職種別で紹介してきましたが、面接でお会いした方には何度か「読みましたよ!」といっていただけています。ひとつのキャリアプランとして何等かの参考になっていればこれ以上なく嬉しいです。私自身は4月からまた別のロールを持ちますので、さらに成長を重ねて行きたいと思っています。