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スタートアップの成長をバックオフィスから加速させる。ワンキャリア経営管理部の挑戦に迫る

「人の数だけ、キャリアをつくる。」をミッションに、複数のサービスを展開するワンキャリア。今後も事業・組織を拡大していく予定ですが、その成長の一翼を担っているのが、バックオフィスを管掌する経営管理部です。バックオフィスと聞くと、組織を陰で支える「守り」のイメージがあるかもしれませんが、ワンキャリアでは各事業部や経営層と積極的にコミュニケーションを図り、成長を加速させる「攻め」の役割も担っています。


今回は経営管理部長としてバックオフィスの中でも経理・財務・法務のマネジメントを担当する執行役員CFOの木村にインタビュー。成長に寄与したプロジェクトや目指す組織像を聞く中で、専門性を発揮しながら挑戦を続ける組織の具体像が見えてきました。


▼こんな人に読んでほしい
・経理、FP&A、財務、法務、IRのいずれかのポジションで、自分の専門性を発揮できる場所を探している方
・事業・組織の成長に寄与している実感を持ちながらバックオフィス業務に従事したい方
・上場企業、大企業からより幅広い経験を積むことができるスタートアップに挑戦したい方


▼プロフィール
木村 智明(きむら ともあき):株式会社ワンキャリア 執行役員CFO 経営管理部長
慶應義塾⼤学商学部卒業。2011年に有限責任監査法⼈トーマツに⼊所し、監査/不正調査等に従事。2014年公認会計⼠登録。2016年デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に出向し、M&A業務に従事。2020年に個人の会計事務所を独立開業し、同時にワンキャリアの常勤監査役に就任。2021年のマザーズ上場後、キャリアデータを中心にサービス展開していく中で、攻めだけではなく守りのバランスも取れた経営者の姿勢に共感し入社。2022年に執⾏役員CFOに就任。経営管理部長として、経理・財務・法務の責任者を務める。

納得いくキャリア選択ができる社会に。そのために監査役からCFOに転身


―木村さんはファーストキャリアで公認会計士の道を選びました。自己紹介も兼ねて、これまでの経歴を教えてください。

木村:会社という組織や利益を出す構造、お金の流れを知りたいという思いから、大学時代に公認会計士の勉強を始めました。2011年に新卒で有限責任監査法人トーマツに入りましたが、当時も「会社って何?」という興味が強く、M&A業務を経験するためにグループ会社に出向した時期もあります。
2020年、個人事務所を設立したタイミングでワンキャリアの常勤社外監査役として参画し、IPOに向けた監査役会の立ち上げに携わりました。上場後は、執行役員CFOとして入社し、経営管理部長として経理・財務・法務を管轄しています。


―働いていく中で、ワンキャリアとの関係性がどんどん深まっていったのですね。

木村:せっかく仕事として関与するのなら、世の中が少しでも良くなることをしている会社に貢献したい。独立後そう思っている中で、代表の宮下に出会いました。当時の宮下はIPOの目的を「ガバナンスを強化したい」と語っており、「上場=ゴール」とは考えていませんでした。本気で大きいことをやろうとする意志を感じ、その一翼を担いたい、彼が実現するものを支えたいと思いました。
また、キャリアを選ぶためのデータを集め、情報の非対称性を解消していくというワンキャリアのビジョンにも、社会的な意義を感じました。学生時代、私は公認会計士を目指していたので、就職活動のタイミングや内容が周囲の学生とは異なりました。その経験からいろんなキャリアの歩み方があるんだと肌感覚で分かったので、個々人が納得してキャリアを決めるためのサービスは必要だと思いました。



バックオフィス発、事業の成長に寄与するアプローチ


―経営管理部の組織体制についても教えてください。

木村:組織はどんどん変化していますが、現状では経理チームなら、いわゆる経理(制度会計)と、FP&A(管理会計)の領域を分けています。財務チームはIRと、グループイン(M&A)・投資という2つの領域があります。法務チームは領域を分けていませんが、事業の成長スピードを考えると人員が十分とはいえず、現場メンバーを積極的に採用していきたいです。


―経営管理部としてのミッションは何でしょうか?

木村:「経営陣や各事業部への適切な意思決定の支援」といった攻めと、「将来の成長を見据えリスクを取り除くこと」といった守りの2つです。事業や事業部の成長にはさまざまな障壁が存在しますが、バックオフィスからアプローチすることでその障壁を取り除き、成長を加速させていきます。


―ミッションを体現できた事例には、どのような業務がありますか?

木村:経理の領域だと、2024年2月に始まった企業向けの新卒エージェントサービス「ワンキャリア新卒紹介」です。企業と学生との間に最適なマッチングを実現させるために立ち上がった新規事業です。
この事業の成長をどのように加速させるか検討した際、「売上をいつ計上するか」という論点がありました。内定承諾のタイミングか、入社時点か。入社のタイミングなら売上は4月に計上されるため、内定承諾から長くて1年くらいタイムラグが生じてしまいます。つまり、費用だけがかさんでいく構造になってしまいます。
監査法人との協議や、契約ひな形の作成時点から経理チームが関与し、結果的に内定承諾時に売上を計上する方向で論点整理ができました。これによって、新卒紹介サービスに必要な人員を早期に確保するという意思決定をスピーディーに行うことができました。


―お金の流れを設計することで、事業として成立する見通しが立った、と。

木村:売上計上のタイミングが分かっていなければ、人員確保の意思決定に時間がかかり、事業の成長スピードも遅くなっていたかもしれません。攻めの部分である「経営陣や各事業部への適切な意思決定の支援」を実現できたプロジェクトでした。監査法人側は筆頭クラスのパートナーが交渉の場に出てくるような案件でしたが、ワンキャリア側は入社して間もないメンバーもプロジェクトに参画しました。


―メンバーも経営へのインパクトを強く感じることができますね。

木村:そうですね。今後は組織が拡大していくので変化があるかもしれませんが、現状では経営陣との距離も非常に近いです。新卒入社から1年後に経理にコンバートされた若手メンバーは、経営メンバーに売上・費用・営業利益などをレポーティングする役割を担っています。他社と比較しても、若いうちから経営メンバーと対峙できる組織だと思います。

※経理チームの仕事はこちらの記事でも紹介しています

攻守の戦略で、事業成長を支える。上場スタートアップにおける経理の魅力とは? | 株式会社ワンキャリア


―他チームの事例はいかがでしょうか?

木村:法務チームだと、ワンキャリアが提供する就活生・求職者向けサービスを1つのIDで利用できる共通会員ID「ワンキャリアID」の導入です。ユーザーに安心安全に使ってもらえるように、個人情報保護の観点から規約の体系整理と新たな規約の作成を手がけました。複数のサービスが関わるため通常よりも難度が高い業務でしたが、2024年8月に導入することができました。
新卒・中途領域でシームレスにサービスが使えると、ユーザーの利便性が上がるだけでなく、当社の優位性にもつながります。事業をスムーズに進められる素地をつくり、その成長に寄与するアプローチになったと思います。


―事業的なインパクトが大きい反面、慎重さも求められるプロジェクトだったのですね。

木村:人材の領域で個人情報の問題が発生したら、会社の信頼は揺らぎかねません。法務が担う責任は大きいです。一方で、キャリアに関するデータを集め、活用することは、ユーザーの利便性向上の観点でも、ワンキャリアの事業を成長させる上でも重要です。安心して使ってもらえるプラットフォームを作った上で、キャリアデータをどのように利活用できるかを専門的知見から考えられるチームでありたいです。

第二のエンジンをつくり、企業価値を高める「勝ち戦」を仕掛ける


―会社や事業の成長とともに、バックオフィスも人員を増やしていくのでしょうか?

木村:必要なポジションは積極的に採用していきますが、組織が膨張して非効率にならないよう、プロ集団として専門性を発揮していきたいです。
ワンキャリアは2026年に売上高100億円以上、営業利益30億円を目指している中で、2023年の段階では売上高は40億円弱、営業利益は10億円弱でした。目標達成に向け、ここから3年間で倍以上の急成長を遂げる必要があります。組織規模も取引量もサービスも増えていくので、難しい論点はこれからも次々と出てくるでしょう。
その際、ただバックオフィスの人員を増やして対応するだけでは、人件費の増加によって利益率を低下させてしまいます。事業成長を加速させるためにも、より効率的に動ける組織にしたいです。


―事業・組織が成長する中で、バックオフィスでは、どのようなチャレンジが待っているでしょうか?

木村:どのポジションにもチャレンジングな業務が待っていますが、ここではグループイン(M&A)とIRの2つについて話します。

まず、グループインについて。本業が第一のエンジンとすると、私は非連続な成長につながるグループインが第二のエンジンになると考えています。まさにワンキャリアの成長を加速させます。

業務としても、グループインは会社・事業そのものが取引対象となり、より俯瞰的な目線が必要となる高難易度の取引なので、担当者が経験できるのは魅力だと思います。対象が小さな会社であれば、まだ整っていない管理部門を強化して企業の屋台骨をつくる経験もできます。
また、制度会計のスペシャリティーが高い人にも、活躍の場を提供できます。現在はワンキャリアに子会社がないため連結財務諸表は作成していませんが、グループインで子会社ができると、領域がもう1つ増えるような形になります。ここはまさに、制度会計の担当者の腕の見せ所です。


―IR に関してはいかがでしょうか?

木村:こちらも、担当者の活躍余地が大きい領域です。

ワンキャリアは2024年8月末現在、2021年の上場時の株価を上回っていますが、市場を見ると初値を下回っている企業も少なくありません。ワンキャリアのように成長中で、かつ財務余力がある会社は本当に少ないです。伸びている会社の魅力を発信するため、楽しさもありますが、利益成長と同等かそれ以上に時価総額を高めていく難しさもあります。企業価値を高めるために、さまざまな展開やアピールを常に考えている経営陣との関係も密になります。


―具体的にはどのような業務を行なっていくのでしょうか?

木村:アクション量がものを言うポジションです。現在のワンキャリアの規模感だと、機関投資家ももちろんですが、まだまだ個人投資家にきちんと知ってもらうことが大事なフェーズです。個人投資家向け説明会の開催数を増やすなど、ワンキャリアのミッションや事業内容、キャリアデータの持つ強み、成長余地を理解していただける方を増やしていきたいです。

常に変化するワンキャリアだからこそ、スペシャリティーが輝く成長環境がある


―お話を聞いていると、ワンキャリアのバックオフィスはプロアクティブさが求められるのではないでしょうか。事業・組織へのインパクトを理解して「あるべき姿」を考えたり、前例がない業務にチャレンジしたり。

木村:それは強く思います。特に今は成長フェーズなので、新しいことがどんどん生まれており、その時々の事業成長につながるよう制度を設計・整理していく必要があります。また、今後の成長余地も非常に大きいので、これまで踏襲してきた仕組みなどがボトルネックにならないように、先回りして課題を潰していくことも重要です。
いずれもバックオフィスのスペシャリティーが求められる仕事であり、メンバーは自分の価値を発揮して貢献していける実感を持てると思います。


―HRの専門性も入社前から求められるのでしょうか?

木村:業界の知識は求めておらず、知識がない状態からキャッチアップできる柔軟さを重視しています。
実際に、現場では業界未経験の社員が活躍しています。例えば法務チームのマネージャーは、労働局など当局側に問い合わせして見解を求めることで、疑問点を解消しています。好奇心があって自分で調べて学ぶことが得意な人は、活躍できると思います。もちろん、こういった姿勢は法務以外の職種も含めて重要です。


―最後に、どのような人と一緒に仕事をしたいですか?

木村:専門性や自分の強みを軸に、さらに高めていこうというマインドがあるのは前提として、「どうやれば会社がやりたいことを実現できるか」を考えられる人や、変化に柔軟な人ですね。新しいことがどんどん出てくる環境なので、主体性やリーダーシップ、オーナーシップがある人と一緒にワンキャリアを支えていきたいです。2021年に東証マザーズに上場して約3年経ちましたが、まだまだ成長中です。会社の成長とともに社員も成長していけます。



今回の記事では、経営管理部長の木村に、ワンキャリアのバックオフィス業務の魅力について語ってもらいました。ワンキャリアのことが少しでも気になった方、ぜひ以下のリンクから気になるポジションをのぞいてみてくださいね!


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企画・取材・撮影・編集:吉川 翔大
ライター:松本 浩司


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