ティール型組織実現のための新人事制度を発表しました! | 株式会社ネットプロテクションズ
こんにちは、ネットプロテクションズ(以下NP)広報担当です! 本日、ネットプロテクションズがこの春から運用を開始する新人事制度「Natura」を発表しました。他では類を見ないユニークな人事評価制度となっているので、ご紹介します。 ...
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こんにちは、ネットプロテクションズ(以下NP)広報担当です!
先日発表された新人事制度「Natura」。
新しい組織のあり方として注目されており、人事界隈では話題になっています。なぜこの制度を制定したのか、この制度によって働き方はどう変わるのか。制度制定に携わった人事の河西遼に聞きました。
社員にとっても会社にとっても幸せな働き方を目指して
この人事制度は、会社と個人がフラットな関係を築くことがひとつの狙いです。主従関係ではなくパートナーシップを結び、個人の目標と会社の目標が重なる状態を作る。そのために、上下関係を撤廃して成長支援と評価の仕組みを作り上げることが制度設計の肝でした。
従来のヒエラルキー型組織では、評価する立場の会社と評価される立場の個人に分かれてしまい、暗黙的に主従関係が生まれます。すると、会社が成長することが最大の目的となり、そのための手段としてしか人や組織を考えない搾取構造が生まれ、究極的には人を機械のように配置して効率的に機能するように設計するようになります。それは、一人ひとりの幸せや充実度を損なうことになります。
会社は、事業を成長させるためだけに存在しているわけではありません。ステークホルダーすべての幸せのために会社は存在している。少なくとも、NPではそう考えています。
一人ひとりの幸せのあり方は、社会の変化とともに、仕事やお金だけでは測れなくなっています。新しい人事制度では、それぞれが持つ価値観ややりたいことを尊重し、組織を使って個人の自己実現の度合いを高めたいと考えています。
本人がやりたいことをそのまま仕事にできて、個人でやるよりも、よりダイナミックに自己実現ができるというモチベーションを持って取り組んでいただく。その結果が副次的に会社の成長につながり、そこで得られた利益を再投資して、メンバーにより良い機会を提供する。そういう正の循環を生み出すことで、個人の自己実現や会社の成長を実現できるのではないでしょうか。
新人事評価制度で見込まれる効果
新人事制度導入の効果として、社内に「与え合う文化」が生まれるのではないかと考えています。従来のヒエラルキー組織に最適化された評価制度には、限られた報酬を分配する側面があり、賃金やポジションなどを巡った競争「奪い合い」が生まれがちです。新組織では、自分の目標と会社の目標が一致しているため、横の人と競争する関係になりづらい。むしろ、自分の目標を達成するためには他の人の助けも不可欠になり、協力関係が生まれると考えています。
抽象的な話ですが、物理的な効用だけではなくて、精神的な部分での効用も考慮すれば、与え合う環境がより実現しやすいと考えています。幸せの軸がお金だけではなくなり、いろんなことを嬉しいと思う人が増えるということは、自分がやりたいと思ったことが他の人にとっての貢献につながるような関係性も作れるんです。例えば人に手助けをしてあげた場合、助けられた方は当然、幸せな気持ちになれますし、助けた方も、自分が役に立ったという満足感を得ることができます。そのような精神的な効用であれば、数に限りがあるものでもないので全員が同時に得ることも可能ですし、その連鎖がうまく会社の成長にもつながれば、与え合うことによって、本当の意味で幸せの度合いをより高めていけると思っています。
だから、自分の幸せと社会への貢献を高いレベルで両立できる人を評価する設計にしています。そういう環境なので、個人はより大きなレベルでの自己実現のために必要な、対人影響力を伸ばせると思います。
対人影響力とは、簡単に言うと人を巻き込む力のことです。新人事制度ではマネージャー職が撤廃されるため、一般的な会社で行われる上司から部下に対する命令型のコミュニケーションができなくなります。自分の仕事に協力してもらうためには、巻き込みたい対象からしっかり納得してもらうことが求められます。短期的な成果だけではなくて、お互いの将来的な成長や幸福感なども踏まえた、より持続的でフェアな関係性を築く力が求められるので、対人影響力が鍛えられると思います。
ただし、あくまでも個人と会社はパートナー関係であり、個人が優先されるわけではありません。フリーライダー化と呼んでいますが、会社の資産を個人が自分のためだけに使う状態は避けなければなりません。NPの目指す組織を「自律分散協調型組織」と言いますが、「協調」がないと、ただ単に個人が好き勝手始めてしまい、会社の求心力たる経営資源が消費されていく懸念があります。
NPの組織は、あくまで性善説に基づいて作られており、制度を整えただけでは成立しません。内部にいるメンバーがどのように振る舞うのかが非常に重要になります。今の社内は若手が多く、新卒3年目までの社員が50%を占めるような状態なので、彼らが能力的にもマインド的にもより成熟していくために、お互いに成長を支援し、一人ひとりの成長スピードが上がることが必要不可欠です。
その成長支援を促すための仕組みを、新人事制度にも組み込んでいます。例えば、360度評価を行ったり、ほぼ全員が面談を担当したり、早い段階で評価する側に立つことで、全体意識を調整できればと考えています。
すべてのステークホルダーの幸福度を高めていくために
今回の制度改革は、新しい制度の施行ではありますが、会社の実態に制度を合わせたので、これまでの組織の価値観とほぼ一致しているものです。そういう意味では、これまで通り、他者とWIN-WINの関係を築くことだったり、全ステークホルダーの幸福度を高めていくことにもモチベーションを感じる人が、組織に合う人材と考えています。
明確な上下関係がないので、入社してすぐは何をしたらいいのか戸惑うことも多いと思います。ただ、言い換えれば、それは自由だということです。自分がやりたいと思っていることと会社全体として向かおうとしている方針を自分なりに捉えて、どうすれば自己実現しながら会社に貢献できるかを考えられる人であれば、この新しい組織にも馴染みやすいのかなと思います。
現在、ありがたいことに様々な会社様から新人事制度に興味を持ってもらえています。知見は隠すものではなく共有するものだと思いますので、今後はNP主催で説明会や勉強会などを開催し、この新しい制度をよりブラッシュアップしていけたらと思います。
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