はじめに
みなさんは「教育」と聞くとどんなイメージを持たれますか?
「学校」、「塾」、「子供」など、様々な言葉が思い浮かぶかと思います。
今回は、「教育」という分野に携わるキャリアに興味を持たれている方へ、私の経験を通じて「こんなキャリアの考え方もあるのか」と 1 つのご参考になればと思い筆を取りました。
プロフィール
名前 : 並木真人
2009.3 明治大学経営学部 卒業
大学では経営学を専攻し、新卒でユニオンツール株式会社(精密工具機器メーカー)へ入社。
組織の中で活躍できる人材をどう育成するかということに興味を抱き、人事業界へ転身。
2013.3
レジェンダ・コーポレーション株式会社(人事コンサルティング・アウトソーシング事業)へ入社。
企業の採用活動、人事労務の支援事業に従事。
2021.9 株式会社キカガク
ベネッセコーポレーション株式会社、株式会社コトイズムにてパラレルワークで教育事業に従事した後、
株式会社キカガクに参画し機械学習の講師を担当。
※写真は2列目の一番左です!
人事業界の中で見えてきた「教育」と「社会」との大きな隔たり
私はキカガクに入社する以前、人事コンサルティング・アウトソーシング事業を展開する会社に務めていました。
大手企業の新卒採用活動の支援に従事することが多く、主に採用計画の立案や選考方法や基準の設計などに携わっていました。
ときにはクライアント企業の人事担当者として、プレゼンテーションや採用面接も行っていました。
そして毎年多くの企業人事担当者と話をする中で、いつも人事の方が良く口にする言葉があることに気づきました。
「今年もなかなか求める人物像と、学生のスキルとにギャップを感じることが多い」
業界を超えて、多くの人事担当者の悩みに向き合う中で見えてきたのは、学生が身につけたスキルや培ってきた経験と、企業が求める人物像との大きな隔たりでした。
もちろん、学生自身のスキルが低いなどということではありません。彼ら彼女らはとても真面目で優秀な人材ばかりです。
ただ、企業が求める人物像に照らし合わせると、そこにギャップが生じることが良くありました。
選考に応募してくれる学生は、暗記や試験で高い点数を取ること、言われたことをきちんとこなす能力はとても優れていました。
一方で、企業が求めるのは、自律的に行動する力や失敗を恐れずに挑戦する力などであるケースが多く、学生がアピールする力とは少なからず隔たりがある場面を多く目にしてきました。
その結果、内定がなかなかもらえなかったり、入社しても上手く行かずにすぐ会社を辞めてしまったりする彼ら彼女らの姿を数多く見てきました。
そんな中で、
「これは学生側と企業側、双方にとって不幸な社会問題ではないのか?」
「では社会で活躍できる人材ってどんな人なんだろう?」
「教育を通じて社会で活躍する力を身につけることはできないものか?」
そんな思いを抱くようになり、教育分野に強い興味関心を持つようになりました。
今後のキャリアの道として、教育を通じて人が社会で活躍する力を身につけることに貢献したいと考え、様々な可能性を探りました。
教育分野のキャリアを考えたときに見えてくるのは、学校の教師や、塾講師などの職業が主な候補でした。とても魅力的な選択肢ではあるものの、既存の教育制度に携わることは、自分が本来目指す教育のあるべき姿とは違うのではないかという感覚を払拭することができず、まずは今の教育の現場を自分の目で見てみたいと思うに至りました。
人事業界において労務管理支援事業に携わった後、「小中学校へのICT導入活用支援の仕事」と、「放課後保育事業でのロボット・プログラミング教室の仕事」とのパラレルワーカーとして教育分野に踏み出す決意をしました。
学校現場とロボット・プログラミング教室の現場
今の学校現場を自分の目で見ることで、これまで頭の中でしかイメージできていなかった多くのことが実際に解像度高く見えてきました。
学校の先生は業務量が多く、常に雑務に追われ、授業の準備時間を確保することがとても難しい状況をリアルに目の当たりにしました。
そして、1 クラスで先生が担当する児童の数は最大40名程度に達するため、個別対応が難しく、個性豊かな子どもたちに対して一律に対応せざる負えない状況がありました。
更に、教える教材や内容にもやはり一定の制約があります。
そのような環境の中で自分がやりたい教育を実現させることは非現実的なのではないか、ということを学校現場を通じて痛感しました。
一方、もう一つの仕事として講師を担当していたロボット・プログラミング教室の現場では、子どもたちがキラキラした目で取り組む姿を目の当たりにしていました。
上達するために順を追ってステップアップするためのカリキュラムはありますが、カリキュラムに沿ってワークシートに取り組んで進めることができる生徒は少数派でした。
大半の生徒は、誰に指示されるでもなく。自由にパーツを組み合わせて自分なりに試行錯誤しながらオリジナルの作品を作っていました。
そんなとき子どもたちの目は輝いており、自分でイメージを膨らませた不思議なタワーを組立てたり、車に色々な機能を追加しようとし過ぎて全く動かなくなってしまったり…、と苦戦しながらも楽しそうに取り組む姿がそこにありました。
そんな中で、ある生徒にこんな言葉を掛けられました。
「このロボットはね、AI が入ってて自動でゴミを拾って分別してくれるんだよ!」
今は小学生でも AI(人工知能)という言葉を知っていることに驚くととともに、自分が子どもたちに教えてあげられることの限界をその時に痛感しました。
「もし私が AI や最新のテクノロジーに精通していれば、生徒たちにより良い学びを提供できたのではないか?」
学校現場で感じた教育制度のなかで自分にできることの限界、そしてロボット・プログラミング教室で感じた新しい教育への可能性から、このように思うに至りました。
「まず自分自身が最新のテクノロジーを習得して、それを子どもたちへの学びに繋げていこう!」
そして、AI や最新のテクノロジーを活かした事業への参画を次のキャリアとして考えていた中で出会ったのがキカガクでした。
キカガクとの出会いで「教育」を再定義
キカガクのバリューやミッションに触れた際、自分の価値観を揺さぶられるような衝撃を受けたことを今も良く覚えています。
キカガクが目指す「あるべき教育」については、ぜひこちらの記事をご参照ください。
ベンチャー社長が日本の成長を3年間本気で考えてたどり着いた『教育』という答え。 | 株式会社キカガク
これまで私は、「教育」の対象をあくまで小学生から大学生くらいの若年層を対象にしたものであると自分の中で定義し、知らず識らずのうちに自分ができることに枠をはめてしまっていたことにそこで初めて気付かされました。
今の教育制度の枠組みの中でできることを考え、その限界にぶち当たって藻掻いていたのです。
キカガクの定義する「あるべき教育」の対象は、年齢で定義しているわけではありません。
大人も子どもも関係なく、学びを通じて成長したい全ての人を対象としています。
そして更には、教えられる側だけでなく、教育者自身も成長しつづけ、より良い学びを提供し続けることを目標としています。
この考えに触れたことで、私自身のやりたかった「教育」に対する考え方、想いが大幅にアップデートされ、体の奥深くから使命感が湧き上がるのを感じました。
「子どもたちが社会で生き生きと活躍できる力を育てる!」というこれまでのミッションが、
「大人も子どもも社会で活躍できる力を育て、教育者自身も成長してより良い学びを提供し、その能力を社会へ還元する!」という新たなミッションに昇華しました。
今私たちを取り巻く地球環境や国際情勢の状況は目まぐるしく変化し、様々なテクノロジーも日々目覚ましい進化を遂げています。
20 年後の未来はどんな社会が待っているのか、誰も想像することができない 「VUCA (あらゆる環境が目まぐるしく変化し、予測できない状態)時代」に突入したと言われています。
大人自身もこれまで学んできたことが数年後には役に立たなくなってしまうリスクがあり、社会で活躍し続けるためには、生涯を通じて学び続ける姿勢が求められています。
私はアップデートした新たなミッションを胸に、多くの人へより良い学びを提供すべく邁進していきます!
キカガクでの学び
キカガクは非常に若い会社で、入社した時点で私が最年長(35 歳)でした(2021年12月現在)。
多少の不安はありましたが完全に杞憂でした。キカガクでは「Be As One」のバリューを共有し、メンバー同士助け合い、チームで価値を発揮していくという文化が醸成されております。
私も未経験分野ながら多くのメンバーに支えられて、「文系でプログラミング経験ゼロから、2 ヶ月で AI の講師として登壇できるようになる」という高いハードルをクリアして大きく成長することができました。
キカガクでは、お互いに切磋琢磨しながら高め合う選りすぐりのメンバーが揃っています。
これからそんなメンバーとともに様々なことに挑戦していきたいワクワク感に溢れています!
最後に
みなさんは「教育」というものをどのように定義していますか?
今回は「教育」というキーワードでキカガクに参画した私のストーリーを紹介しました。
「教育」に興味関心がある方にとって、今回のストーリーが少しでも参考になれば嬉しいです。
キカガクには、「教育」に対して様々な観点から強い熱意を持ったメンバーがたくさんいます!!
「教育」に対して熱い想いを持っている方や、「教育業界」でのキャリアに興味関心がある方は、ぜひ一度お話してみませんか?