ジャパンハートは、2010年に養育施設「Dream Train(ドリームトレイン)」を開設。
場所は、子ども達が今まで生活していた地域からは遠く離れたヤンゴン市内。人身売買に巻き込まれる可能性のある地域から敢えて子ども達を引き離すとともに、日本人による里親制度を開始しました。
現在までにDreamTrainで生活する子どもたちは増え、より多くの子どもたちを対象に施設への受け入れを行っています。
そんなDream Trainでは毎年5月頃に全ての子どもたちを4つに分けるチーム編成と、各チームのリーダー選出を行います。
そして、ここで選ばれた子どもたちによるグループは、日本の学校の生徒会のような役割を持ち、今年度のDream Train運営の一部を担うこととなります。
今年は5月3日に2024年度リーダー選出会を実施し、小学生から大学生までの子どもたちとスタッフが参加しました。
また、今回は子どもたちがより自信を持ってリーダー投票を行うことができるよう、会の前に以下の4つを目的とした学習会を実施しました。
①誰でもリーダーとしての役割を担うことができるという信念を育む
②優れたリーダーの資質について理解する
③チームリーダーを選ぶ際に大切なことや心構えを学ぶ
④チームワークを成功させるには、リーダーだけでなくチームメンバーも重要であることを知る
この学習会はまず始めに、前年度のチーム活動で直面した課題について話し合うブレーンストーミングセッションから始まりました。
子どもたちからは、「リーダーとチームメンバー間の対立」「不公平な業務分担」「各種動への参加率の低さ」といった問題が挙げられました。
その後、子どもたちは「リーダー」と「リーダーシップ」の定義について考え、みんなに共有しました。
このプロセスにより、子どもたち全体の興味関心は高まり、より考えを深めていくことができました。
次に行われたグループディスカッションでは、子どもたち同士で協力して、リーダーが持つべき資質と機能するチームメンバーの特徴を紐解いて行きました。
年上の子どもたちが年下の子どもたちへ積極的な参加を促す様子も見られ、全員が活発にディスカッションに参加することができました。
そして、この学習会のハイライトはチーム内での効果的なコミュニケーション方法や協力の重要性を体感するための、チームワークゲームでした。
子どもたちは7名一列になり、一番後ろにいるリーダー1名を除いた6名が目隠しをします。
そして、リーダーからの声以外の表現による指示を伝達してゴールまで辿り着くという内容です。
例えば、右に曲がるときには右肩をタッチするといった方法です。
子どもたちがこのゲームに真剣に取り組む様子や、ゲーム後の洞察力ある振り返りは本当に感動的でした。
今回のDream Trainリーダー選出会はこの学習会を実施したことにより、前年度から大きく改善されました。
昨年度までは人気投票になってしまっていた側面がありましたが、今年は子どもたちは学んだばかりの知識と深い考えを持って投票することができたのです。
そして、全ての年齢層の子どもたちからのフィードバックや感想からも、彼ら彼女らが、リーダーシップとチームコラボレーションに必要な資質について理解を深められたことがよくわかりました。
また、Dream Trainの子どもたちがこの会に積極的かつ熱心に参加している姿を見て、「私たちは、次世代を担う若者の中に、チームワークやリーダーシップの文化を育むことができる」と、そう強く感じました。
この一歩を、次の一歩に繋げていきます。