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日本語教育チーム 最新現場のご報告~後編:JFT-basicA2試験 攻略法~

ナマステ~みなさんこんにちわ。

インドは首相選挙の真っ最中です。iTipsのあるタミルナドゥでは4月19日に投票があり、州境では、賄賂防止のための検問が行われています。
iTips訓練校の中では、生徒たちの選挙に対する色々な意見が聞こえてきます!

さて今回は、日本語教育チーム 最新現場のご報告「後編」とし、「JFT-basicA2試験 攻略法」についてお届けします。

「前編」では、4月からスタートした日本語教育チームがたどり着いた、新しい教育システムの確立についてお伝えしました!
まだご覧になっていない方は、ぜひこちらをご覧ください!!

さて、「理解の進度を測る可視化システム」を独自開発した日本語教育チーム ですが、
次に JFT-basic A2に合格するための、より実践的な試験対策に取り組みました。
今回もインターンの竹下さん・阿部さんに登場していただきインタビュー形式でお届けします。

どんな試験対策を行ったのでしょう??インタビュースタートです!

小西:
基礎勉強・問題集を繰り返し、最終的に過去問で総仕上げ!というのが試験対策の定説だと思うのですが、日本語教育チームも同様に取り組んだのでしょうか?

阿部:
実は「JFT-basic」には過去問というモノが存在しません。
ですので、国際交流基金が公表している問題構成の情報や、受験者の記憶に基づき問題を分析してオリジナルの問題を作成しています。

竹下:
さらに、YouTubeをはじめとしたネット上に存在している模試や、企業が提供している模試を全て分析し、共通項の洗い出しを行なっています。

具体的には、

  • 各問題の解答に必要な知識の出どころのチェック
  • 問われている知識の深度に基づく抽象化
  • トピックの傾向の把握など

(キャプション)国際交流基金が公表している問題構成のまとめ

小西:
この表をみると、語句については意味はもちろん漢字、会話表現、リスニングに読解、多岐に渡っていますね。

阿部:
そうなんです。
出題の予測を立てるのは難しいのですが、分析すると過去の問題と全く同じ問題が出ることもあるので、丸ごと暗記してもらうのも点数アップのちょっとしたテクニックです。

(キャプション)国際交流基金が公表しているサンプル問題。A2に合格するには8割解ける必要あり。
これは初学の人にとってなかなかの難易度!

ロープレの実施

小西:
過去問がない分、自分たちで出題傾向を分析し問題作成。合格へのショートカットはなく、容易な道ではないのがよく分かります。
ただ、このような苦労がiTipsの知見の蓄積となりますね。

受験対策として、その他にどのようなことに取り組んでいますか?

阿部:
オンラインでのロープレに取り組んでいます。
JFT Basicにはスピーキング試験はありませんが、国際協力基金の教材に基づいたロープレですので受験対策に直結していると考えています。

小西:
さらにロープレは、出題構成の一つである「会話と表現」対策につながりそうですね。

阿部:
第二言語の習得にはインプットした情報をアウトプットすることが重要だそうです。
私たち日本語教育チームの最大の目的は「JFT Basic A2取得」ですが、本来は来日を目標にしているので、最終的なゴールは「話せるようになること」にあると思います。
そのためにも実践的な学習であるロープレは意義があると考えています。

竹下:
話す機会は、理解の定着につながると思いますね。
ロープレの目的としては、
1周目は日本語を使うことに慣れること、及び決まった表現方法の暗記。
2周目は持っている知識を元に、自由に会話できるようになること。
具体的には、自分の演じる役の情報と相手に聞くべきことのみを記したカードを各自に配り、それに則って自由に会話してもらっています。

(キャプション)国際協力基金の教材に基づいたロープレ教材

小西:
ロープレを通じて、生徒の意識の変化や点数アップなど成果は感じられますか?

竹下:
生徒が積極的に発言するようになっていると思います。話す練習をすると、自信がつくのかもしれないですね。最近は後輩も入ってきて、教えている姿はとても頼もしいです。

小西:
このようなインプットとアウトプットの積み重ね、そして直接日本人と会話することにより、
訓練生は日本語の取得はもちろん日本語・日本への関心がアップしているように感じます。

(キャプション)ロープレ中の授業の様子

求める生徒像

小西:
日本語を教えれば教えるほど、カリキュラムに様々な工夫が必要であることがよくわかりました!
集まる生徒像についても理想がありますか?
たとえば、「スジがいい子」の特徴などありますか?

竹下:
「スジがいい」という点では、全般的に聞き取るスキルが高い方が多いように感じます。
インドではヒンディー語、ベンガル語、テルグ語など、500 万人以上が話す言葉だけでも 26 言語もあるようです。
聞き取るスキルが高いのは、日常的にいろいろな言語が飛び交っているからかもしれません。
そして、理想の生徒像としては、採用において英語力を特に重視することにしています。

小西:
確かに、JFT-Basicの問題をみると、問題文は日本語と英語ですね。

竹下:
はい。ヒンディー語やタミル語に対応していないことから、教材やテストを全て英語でこなさなければなりません。
そして、インドでは、英語を母国語とする人はほぼおらず全員第二言語として学習するため、英語が分かるということは、受けてきた教育の水準や言語センスが強く現れると考えています。

従って、生徒の採用においては、
今はインド南部の日本語学校やカレッジにアプローチし、その卒業生の紹介を受けるという形で採用活動を行なっています。

小西:
採用において、一定のレベルをクリアしている方、また意欲がある方を選考することも、日本語教育チームの大事な業務ですね。
それでは、意欲という点において、生徒の皆さんの「日本で働きたい!!」という強い意志は感じられますか?

竹下:
正直、個人差が大きいです。
海外に出て働きたいと考えている人には、日本をかなり魅力的な選択肢として捉えてもらえている印象です。
ただ給料を上げたい、生活を良くしたいと考えている人にとって、日本は遠い存在すぎるように感じています。

小西:
同じアジアでも日本は遠い存在なのですね。
ただ先日ニュースで、「インド工業連盟(CII)がインドの若者が3〜5年日本で就労することを後押しする方針を打ち出した」と、報道されていました。
今後、国の政策の後押しをうけ、日本で働くことの魅力・メリットがインドの方に浸透していく時流にはなると思いますが
iTipsとして、「日本で働くメリット」を伝えるためにどのような対策が考えられると思いますか?

竹下:
ずばり口コミを大切にすることです!
卒業した生徒さん達の口コミは、生徒数を増やす上でも非常に重要です。

そのためには、まずは来てくれた生徒さんにしっかりとリソースを割き育て上げること、地道ですが最も大切なことだと思います。

小西:
インド人は物事を決めるうえで口コミを重要な判断材料にすると聞いたことがあります。
日本人に触れる機会の少ないインド人にとって「日本」に対する印象は、iTipsメンバーの一挙一動に影響されることが大きそうですね。
なんとも責任重大な立場です!

インターンの二人からメッセージ

それでは竹下さん、阿部さん、
最後に、iTips事業に関心を持っていただいている方へ、お二人からのメッセージをお願いします。

阿部:
特定技能の動きがどんどん高まっている中で、これまでのテスト対策の日本語教育からいつか脱する日が来て欲しいと思います。
ロープレの導入まで入ったものの、今のゴールはまだJFT-Basicだと思います。
今後は日本で生きていくために必要な日本語が身につけられる仕組みが必要だと思います。そのためには、やるべきことはまだまだたくさんあります。
ゼロからイチを生み出す事業なので思い通りにいかないことも多々ありますが、チャレンジさせてもらえる環境にあります。
この事業に関心を持った方、ぜひチャレンジしてください。

竹下:
iTipsはまだ小さい会社で、日本語事業とその他の事業にほとんどボーダーはありません。社内のシステムもまだ未整備な部分が多く、やれることは無限大です。
またラトネッシュさんはとにかく任せてみる方針が強く、インターン生が提案したことはかなり前向きに検討してくださいます。
さらに日々接する人は社内も外もインド人の方ばかりで、毎日何かしら予想外のハプニングが生じます。そのため自分で考え、行動できる人にとってはこれ以上の環境はないと思います。

自分が描くキャリアにおけるインターン活動の位置付けを明確にし、経営者の目線で全体を俯瞰しながら、自分が今やるべきことを、日本語分野に限らず模索し続けていってほしいと思います。

小西:
お二人ともありがとうございました。
そしてみなさま、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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