HiO ICE CREAM 代表の西尾です。
12月に入り、東京は晴れの日が増え、気持ちのよい日が続いていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
自由が丘のアトリエ(工房)では、冬のシーズンフレーバーや限定メニューの試作、冬ギフトに向けた準備で、スタッフ一同バタバタと元気に頑張っております。
今日は、この冬限定フレーバーで準備しているイタリア・シチリア島ブロンテ村のピスタチオ農家「ヌーツィオさん」について紹介させて頂きます。
目次
- ■きっかけはお客様。ピスタチオアイスクリームを作るために。
- ■2年に1度しか収穫できない『幻』のブロンテのピスタチオ。
- ■ヌーツィオさんのピスタチオ農園
■きっかけはお客様。ピスタチオアイスクリームを作るために。
まず最初に、ヌーツィオさんの紹介にあたり、ピスタチオアイスクリームを作ることになった背景を簡単に説明させてください。
遡ること約4か月前の8月、HiO ICE CREAM初となるクラウドファンディングを行いました。
HiO ICE CREAMはこれまで『手間を惜しまず、昔ながらの製法を大切にした素材本来の良さを引き出すアイスクリームを作る』ことを追求すべく、日本各地の生産者さんとの出会いを大切に、様々なフレーバーをお届けしてきました。
その中で、多くのお客様から「HiO ICE CREAMのピスタチオアイスを食べたい」と声を頂きました。日本でピスタチオの生産は行われていないことから、海外まで買付してまで作るべきかしばらく悩みました。
そんな時に、とあるお客様から「クラウドファンディングで声を集めてから決めてみたら?」とアドバイスを頂き、8月から9月にかけてMakuakeでクラウドファンディングを実施しました。結果は、当初予想の2倍を超える206名の方にご支援頂き、海外へ買い付けに行くことになりました。
■2年に1度しか収穫できない『幻』のブロンテのピスタチオ。
もし買い付けにいくならば、イタリア・シチリア島ブロンテ村のピスタチオにすることは決めていました。ブロンテのピスタチオは、以前イタリアに訪れた際に食べたことがあり、
鮮やかな緑の実がもつ甘さとコクは数あるピスタチオのなかでも群を抜く美しさで、できるならこれを使いたい、と前々から思っていたからです。世界シェア約1%かつ世界レベルの品評会で最高金賞を受賞した2年に1度しか収穫しない、まさに『幻』といってもよいピスタチオです。
シチリア島は長靴のカタチをしているイタリアのつま先と対岸にある島です。ヌーツィオさんが住むブロンテ村は、カターニア空港から車で1時間強かけて内陸に走ったところにある人口1万人強の小さな村になります。
※エトナ山は今でも年3~4回は噴火する活火山
ブロンテ村は、エトナ山という標高約3300メートルある活火山のふもとにあり、地下を流れる溶岩が鉄分を多く含む栄養価が高い土であることから、ワインなどに使う葡萄が良くとれる地域でもあります。
■ヌーツィオさんのピスタチオ農園
ヌーツィオさんの畑は、エトナ山のふもとに2箇所(20ヘクタール)あり、2年ごとに約10トンのピスタチオを収穫されています。
しっかりと養分を与えて育てるため、木を休ませてあげる必要があり、隔年の収穫なのだそうです。今年はその収穫の年であり、9月の1か月で収穫を行うため、僕がお伺いした10月はちょうど収穫を終えたひと段落ついた時で、ゆっくりと畑を案内して頂けました。
※写真:ヌーツィオさんは収穫したピスタチオを併設するショップで販売もされています。
ピスタチオ畑は、市街地からさらに山間部に車で20分ほど走ったところにあり、溶岩が冷えて固まった相当な傾斜の中で育てられています。
ピスタチオというと緑のイメージがあるかと思いますが、殻からとった摘みたての生のピスタチオの実はピンク色です。
その場で試食させてもらったですが、ピスタチオの香りはほんのりしつつ、みずみずしい感じでした。
ブロンテ村は傾斜地にあるため、どこのピスタチオ農家も収穫作業を機械化できずスタッフの皆さんが協力して山奥に入って手摘みされています。
その後、殻とピンク色の生のピスタチオに分けられ、天日干しにしたものが料理・製菓用に使われることになります。ほとんどが手作業で急に生産量を増やすことはできないため、市場流通がほとんどなされない理由がよくわかりました。
ヌーツィオさんに、日本からピスタチオを求めてやってきたと話すと、「そんな熱心な人は初めてだ!また来年も待ってるよ!」と嬉しそうに歓迎し、ピスタチオを分けてくださいました。
分けて頂いた、収穫したてのピスタチオを真空パックで日本に空輸し、自由が丘のアトリエでローストして『美瑛シングルオリジンミルク』のベースと混ぜてピスタチオアイスクリームを作りました。
ペースト状でミルクベースに練りこむ他、粗めに砕いたピスタチオの実を後入れしたので、僕がイタリアで感じたピスタチオ自体が持つ香りとコク、そして食感を楽しんでもらえると嬉しいです。
クラウドファンディングでご支援くださった皆さんのおかげで、ヌーツィオさんに出会うことができ、おいしいピスタチオを使うことができました。本当にありがとうございました。
ピスタチオのアイスクリームは、まずは今月、Makuakeのクラウドファンディングで支援いただいた皆さんへお届けします。そして、月1回異なるフレーバーが2種類届く、アイスクリーム定期宅配サービス『Pint Club(パイントクラブ)』1月のフレーバーとしてお届けします。いつもアイスクリームを楽しんでくださる皆さま、そして僕たちを応援してくださる皆様に楽しんでもらえたらと思います。