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起業家にとって「俺も考えてた!」はダサい。2週間の起業プログラム、FUTUREPROOF "BootCamp"を作った背景

あけましておめでとうございます。ガイアックス人事支援チーム(People Empowering Team)の藤堂です。今回、2週間の起業・事業化プログラム「FUTURE PROOF ”Boot Camp”」を開催するにあたり、その開催の背景についてガイアックス STARTUP STUDIO責任者・佐々木喜徳に仕事初めの11時からインタビューしましたのでお届けしようと思います。

起業したいけどスキルが・・・、エンジニアだし無理じゃね・・・、起業スキルなんてなんの役に立つの・・・という方、是非読んでください!


起業予備軍に見えてダサい人

佐々木:あけましておめでとうございます。

藤堂:あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。今日は2週間の起業プログラム、FUTUREPROOF"BootCamp"を作った背景について新春インタビューしてみようと思います。シラフで(笑

佐々木:(笑

藤堂:では早速。今回事業化プログラムを行うわけですが、僕らは若い起業家を増やしたくてこういうプログラムをやるわけじゃないですか。その思いについて聞かせてください。

佐々木:「こういうサービスがあったらいいじゃないか」って考えてる方って、いろいろ気付いたり考えたりすると思うんですよ。その中で、ある企業が新規事業やったり、新しいサービスが出てきた時とかに、「あ、これ俺も考えてたやつやん!しまったー!」みたいなことあるじゃないですか。

藤堂:あるある。

佐々木:そこで「それ俺も考えてたやつだ!」って言った瞬間に負けだなって。何かダサいなって思うんですよ。そういうのにみんな気づいてほしい。

藤堂:つい言っちゃうけど恥ずかしいよね。若い頃って結構「俺も考えてたんだよね」みたいなことを言っちゃってマウント取っちゃったりとか。かっこよさそうに。

佐々木:そうそう。でもかっこ悪いよね。そうじゃなくて、ホントに起業ないしアントレプレナーとして仕事をする人はきっと「俺も検証したやつだ」っていう言葉が先にこなきゃいけないんじゃないか、って思う。そういう観点が、他の人から一歩リードする観点なんじゃないかって思うよね。

藤堂:「あれ、俺もやったけどあんまりうまく行かなったからダメなんじゃね?」って言う観点?

佐々木:そうそう。(自分がダメだと思ったのに)この企業はなぜそのアイデアがうまくいくと思ってこの時期にやり始めたんだ?っていう疑問を持つ感覚。この観点を見抜く力、学ぶ力が大切かなと思う。

実際、くだらないアイデアとか、ありきたりなアイデアとか、もうこれもしかしたら誰かやってるかもしれないなってアイディアでも実際にやってみないと分からないし、その先に成功の要因を見抜いてうまくいった例はたくさんある。例えばChatworkさんもそうだし、メルカリさんもLINEさんもそうだよね。

もうあるじゃん!じゃなくて、こういう理由で自分のアイデアの方が数段優れたソリューション(解決法)だ、って気づける考えられる、課題をみつけられる、そういう場にしたいと思っている。

「それ俺も考えたやつだ」じゃなくて「それ俺も検証したやつだ」って言える人が一人でも増えることによって、起業家になるような人が数%でも増えるんじゃないかと思ったりしますね。

エンジニアと起業について

藤堂:佐々木さんはエンジニアじゃん?先日エンジニアの子たちとたくさん話したんだけど、エンジニアってどっちかっていうと手段というところに結構こだわったりしますよね

佐々木:こだわるよね

藤堂:それが性質というか、ある意味素質というところもあるじゃん?ただ、こと起業って話になった時にその手段にこだわるっていうところでわりとプロセス間違いやすいところかなと思ってて。

佐々木:間違いやすいよね。

藤堂:なので、スタートアップ支援をしているエンジニア出身の佐々木さんから、エンジニアに向けてこういうことを知ってほしいとかありますか?

佐々木:優れたプロダクトに優れたコード・優れたUI・優れたアーキテクチャは必要だと思うけどでもそれは必要十分じゃない。エンジニアが結構忘れがちなのが「それは本当に存在する課題なのか?」ということ。これはやっぱり見落としがちですかねー。

藤堂:それはついつい「これあったらいいだろう、だから作ったよ」「自分が作ったものはいいものだ、だからきっと使われる」でやりがちってこと?

佐々木:そこまで自信あるエンジニアも少ないと思うけど(笑)、いいプロダクトは普通に使われるっていう過信をしてしまう。作り続けることによって自分の技術力もあがるし、優れたプロダクトになるのは間違いない。だからといってユーザーが使うってのは間違っている可能性がある。おごりの可能性がある。

藤堂:いいプロダクトになるはずだ、だから使われるはずだ、今は使われてなくても。

佐々木:そうそう。過信かもしれないね。例えば体には水分とミネラル、つまり塩でできているからって体にいいとうたってひたすら塩水を作ってるけど、そんなまずいものはユーザーは求めてないし売れるわけがないって感じ。優れた塩水を作り続けてもユーザーが求めていないと言うか。

藤堂:なるほどねー。この辺のたとえ話ってバシッとしたものがほしいよね(笑

今まで2日間だったのに、なぜ2週間にしたの?

藤堂:今までFUTURE PROOFって2日間でやってたじゃないですか。今回2週間でやるのはなぜなんです?

佐々木:2日間のFUTURE PROOFでは、最初のキックオフの説明のあとは、途中に何度かでメンターからのアドバイスがあるけど、そのまま二日目の夕方にピッチがあって投資判断してる。結果的に重要なのは、最初と最後、あと途中のアドバイス。その他は自走して検証を進める時間となる。そして、半分以上の人たちが時間切れで困っていた、ということに気づいた。

十分な検証するにはやっぱり「ヒアリングしてそれをまとめて作り直したまたヒアリング」っていうサイクルを2〜3回回さないと、いい課題とかいい解決方法に気付けない。さらに、1〜2時間で作った資料でピッチするっていうのは、完成度として1割ぐらいで発表しなきゃいけない状況を強いていた。だから自走する時間を長くしたら、いい検証ができてより良いアイディアをベースにした完成度の高いピッチが生まれるんじゃないかっという仮説となり、2週間にした。

なので、期間を2週間にしたと言っても、時間の使い方は2週間拘束されるじゃなくて自走する時間が2日間から2週間になった、ということ。自走する2週間になる。

藤堂:実際には2週間の間に何度か会うっていうことはあるんですよね?

佐々木:そうですね。初日と一週間後のレクチャーと、最終日のピッチ。実際に集まるのは3回だけですけどね。それ以外は自分たちに時間を捻出して検証してもらうことになる

藤堂:自由ってことは別に佐々木さんとかにアポとってもいいんですよね?

佐々木:もちろん大丈夫です。オンラインでいつも質問を受けるし、スタートアップスタジオの担当者がメンターにもつく予定です。

藤堂:なるほど。実際2日間のFUTURE PROOFのときも、ピッチの結果継続検証しましょうというチームは、結局2週間ぐらい延長して仮説検証やるっていうのが多いですもんね。

佐々木:毎回1〜2チームは継続検証しましょうというチームが出てきますよね。

藤堂:っていうところを、みんなにやってもらいましょう、みたいな感じのプログラムになったって感じかな。

佐々木:そうですね。対象とした市場とかターゲットによっては、結構アポが取りづらいアイディアがあったりして、二日間で判断するのはもったいないんですよね。1人2人しかインタビューできませんでしたみたいな。そういうケースだと全く何も成果出せない2日間になってしまうのでだったらちゃんと自分の時間を取って、5人でも10人でもインタビューしたら、いいピッチとかできるじゃないかな。


選考しない、全員参加の理由

藤堂:FUTURE PROOFって今までは割としっかり選考やってたじゃないですか。僕とか流くん(※人事支援チーム マネージャー)とか、10人参加とかだったら20〜30人ぐらい会っていたりとか。お断わりしてる方も多くいたんですが、今回は人数制限はあるでしょうけど、基本的に選考なしじゃないですか。ここら辺はどんな意図なんですか?

佐々木:過去にGaiaxから起業していった面々、特にスタートアップスタジオっていうのが始まる前からカーブアウトしていて、もうIPOされている面々を見ると面談で1〜2時間話して見抜けたか、っていうと絶対見抜けていないだろうなと思ったからですね。

藤堂:おっしゃる通りね。無理(笑

佐々木:まさかこいつが、みたいなケースが殆どだったんですよね。8割とは言わないけど半分くらいはそういうケースでカーブアウトしていったと思うし、一方でこいつはいける!と思ってもなかなか行かないケースもある。結果的に、見抜けない。

結局至ったのが、たかが僕たちの経験則で見抜けるほど市場は簡単じゃない!ってことで。僕たちに見抜けないような人が、逆に市場の中でうまく課題に気付いて面白いビジネスを生み出す可能性があるんじゃないか。見抜く必要はないんじゃないか、っていうね。

藤堂:逆に言うと市場に見抜いてもらおうということなんですかね。

それで、市場とのコミュニケーションの手段っていうところを最初のレクチャーで教えて、あとは市場に見抜いてくださいとお願いして、最後は僕らがそのアイデアに対してお金を出すかどうかを市場の一部として判断させてもらう、ってことですかね。

佐々木:まさに、そうですね。その通りです。

藤堂:人を見抜くってことは難しいですよね(※採用担当)

佐々木:わかんないですね。5年後にCXOクラスで活躍するだろうな、とかはわかりますけど、起業家として成功するかどうかってのは本当に見抜けないですね。

だからこそ、思いのある人に来てほしい

藤堂:最後に、こんな人にきてほしいですっていうのがあれば。

佐々木:働く上で、大企業の数千人の中のひとりとして働くのも、ベンチャーの中で100人の中で1人として働くのも、起業家として1人から働くのも多分戦う先は一緒。

藤堂:市場ってことね。

佐々木:そう。自分が「この人困ってるだろうな」「こういう人たちを助けたいな」「こういうたちにとって価値のあるものを作りたいな」っていうのはどの企業規模でも一緒。

起業家として取り組んだ時の違いは、成功したときの資産の大きさだけじゃなくて、成功しなかったとしても学びや成長の度合いが、1000分の1以上に1分の1の方が人生にとってめちゃくちゃ大きい。

藤堂:そうですね。・・・もうちょっとわかり易く伝えたいですね。

佐々木:例えば、移動手段という市場で戦おうってなったときに、車のメーカーの中でハンドルを作る部門でで働くのと、自分ひとりでプロジェクト立ち上げてパーツ組み合わせて電動キックボードを作ることを考えましょう。

移動という市場で戦うのは一緒でも、一人で演るときに得られるものはユーザーが移動に対して感じている課題とか、ユーザーにどう使われたか、どう作るか、とか・・・ビジネスにおける全てを学ぶことになる。
※ハンドルメーカーさんを揶揄しているわけではありません!あくまで「全体の一部」というニュアンスの例えですm(_ _)m

藤堂:それは、1000人に1人の方だとまあくまでハンドルという中でしかアクセスできないんだけれど、1人で全部やるとそういう本質的な課題にアプローチができるとかそういう感じ?

佐々木:市場の中のユーザーの課題と、それがどう使われるかというソリューション(解決法)をちゃんと考えることができる。これは結果的に自分が何かしらの組織のメンバーとして活躍するときにもめちゃくちゃ生きるはずですね。けど、ハンドルだけを作ってきただけじゃあ新しい移動手段のビジネスを作ろうと思っても、難しい。

自分でチャレンジでした経験を生かして企業の一員としてハンドルを作ってもいい。スキルを活かすことは絶対にできる。その1000分の1の経験を生かして0→1の起業っていう逆からは難しい。

藤堂:それは失敗する企業だったらよくありがちなんだけど、なかなか技術だけで本質を作って言うことはなかなか難しいよ、だから学生や若いうちに0→1の方を先にやった方がよいということですね。そっちの方が全体をつかめるという。そのうえで、ハンドルを作ってきた経験を生かしてスタートアップ的なすごいハンドルができるかもしれないけど。

佐々木:そうなんですよね。0→1の経験をしていたら、あるベンチャーとか大手の中で働いていても、ユーザーの課題や新しいビジネスに気づきやすい人になると思うし、こういう人たちが1回企業の中に入ってまたスキルを身に着けて2回3回と起業する・・・というストーリーが生まれていくと思うし、結果的にそういうものにチャレンジすることはマイナスにはならない。特に学生のうちはマイナスになるわけがない。経験の全てが活きるので。

藤堂:そういう意味では、専門職を目指す人の中でもチャレンジしてほしいところでありますよね

佐々木:ウェルカムですね!

藤堂:というわけで、皆さんチャレンジお待ちしています!

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