こんにちは、ブランディング部の島田です。
2013年の設立から11年を経て、2024年6月にフェンリル島根支社のオフィスを全面的にリニューアルしました。大阪本社をはじめとするオフィスブランディングを踏襲しつつ、島根で感じられる自然、和の雰囲気を取り入れ、これまでになかった木製の仕切り、機能的なグリーンなどを配置。デザインと技術をとことん追求するフェンリルらしさと島根らしさとが融合した空間が完成しました。オフィス改装のデザインディレクターを務めた加藤と、島根支社に所属するエンジニア4名に話を聞きました。
コンセプトは「愛着が湧くオフィス」
—デザインディレクターとして、どんなオフィスにしたいと考えていましたか?
加藤
今回のオフィスリニューアルで目指したのは「愛着が湧くオフィス」でした。
島根支社は他の支社に比べて、移動に時間がかかる面があり、業務効率を考慮してリモート勤務を選択するメンバーが多い状況が気になっていました。そこでデザイン面だけではなく、オフィスの機能性や設備も大幅に見直し、オフィスに来たら居心地が良く、仕事に集中することもできて、自然とオフィスに集まりたくなるような空間をイメージしました。チームビルディングの一環として、島根支社のメンバーにもフォローいただきながら、みんなが納得できて、愛着が湧くオフィスを実現させたいと考えました。
—オフィスで働く人たちに事前にヒアリングしたそうですね?
加藤
はい、まず私も島根支社で過ごしてみて、皆さんがどういうふうに普段オフィスを活用しているかを体験してみて、ヒアリングを実施しました。メンバー間にチームとしての絆があり、隣に座っていると自然に会話が生まれる関係性が出来上がっていると感じましたが、ミーティング中に周りの声が入るので、もっと集中して作業できるスペースが欲しいといった共通の思いがあることが分かりました。そこで現状の重点配分を考え直し、「集中できる」が60%、「コミュニケーションが取れる」が40%ぐらいになる環境をかなえるという方針が決まりました。
新オフィスお披露目の日、エンジニアたちと談笑する加藤健紘(左から2人目)
島根の「価値」を明文化して整理
—本社や他の支社とは違う、島根らしさはありますか?
加藤
ヒアリングの中で島根の価値とは何か、あらためて整理してみました。
・水がおいしい
・自然が良い
・温泉が多い
・小泉八雲
・歴史が面白い
・和っぽさ
・焼き物
・水を感じられる場所が多い
・食べ物がおいしい
・交通量が少ない
・人柄が良い
・茶の湯文化、和菓子も良い
・素直で謙虚で素朴
・都会すぎず田舎すぎず
・美肌ランキングNo.1
最終的に「自然」「和」「柔らかな空気感」というキーワードを抽出し、島根の魅力が感じられるデザインをオフィスに落とし込もうと考えました。構想から1年以上の時間がかかりましたが、とても良い仕上がりになったと思っています。なによりも島根のみんなが喜んでいる姿を見て、今回ディレクターを担当させていただけて本当に良かったなと、喜びと感動が心に染みました。
出社するのが楽しみ! ワクワクする!
エンジニアたちの実感トーク
(左から)
山根康太|ND部サービス課エンジニア
井上勇登|ND部コンテンツ課シニアエンジニア
杉谷拓実|ND部サービス課エンジニア
荒木さくら|ND部サービス課エンジニア
—デザインディレクターの加藤さんに話を聞き、しっかりとした考えに基づいてリニューアルに取り組んだことが分かりました。皆さん、どうですか、働きやすくなりました?
井上
なりましたね。気分が全然違いますし、出社するのが楽しみになりましたよ! 基本的なことですが、収納スペースが整えられ、物の管理がしやすくなりました。ディスプレイとか、働くために必要な機材がきちんと整った点についても申し分ありません。会議室が増えたことに加え、個室ブースが設置されたのも助かります。周囲から隔離された環境で、静かにオンラインミーティングができます。あと、これは働きやすさとは違うかもしれませんが、この仕切りのデザインの感覚とかすごい気に入っていて。
—この仕切りは、ありそうでなかった意匠ですね。
井上
はい。細い柱があるので、目隠しになるんだけど、空間として遮られてない感じが、すごく広々と感じるというか。そういう風に、気に入ってます。机の上に緑が多いのも気に入っています。大阪と共通性がありますよね。
窓際の集中スペースにはルーバー(羽板を平行に並べた戸)の仕切りがあり、昇降式デスクを配置している
井上
あと、この飲食用のスペースがすごく好きなんですよ。喉が乾いたときに水を飲んだり、ちょっとお菓子をつまんだりするんですけど、人とコミュニケーションが取れるというか、自然に会話が生まれるのがいいですね。
—以前、こういうスペースはなかった?
井上
こういう空間にはなってなかったですね。電子レンジや冷蔵庫が置いてあったんですけど、話をする場所ではなかったです。こういうスペースが重宝するのは、例えば、呼び寄せて相談することもないようなモヤモヤを抱えてるときですね。偶然の会話で「そういえば〜」と、自然に相談したい話につながっていくことが何回かありました。すごくいいスペースだなって思っています。
島根もフェンリルの空気になった
杉谷
大阪本社も島根支社もテナントビルですから、廊下とか建物の外の風景とかは違うけど、オフィスの扉を開いたら、ああ、島根も大阪と同じフェンリルの空気になったなとは思いますね。
井上
確かに! 今までは島根! そう、あの島根という感じだった。
杉谷
今までは、本社に行ったら「本社すげえな」という感じだったのが、リニューアルした後は、会社に来たなって感じで。大阪でも島根でも、あ、会社に出勤したなっていう感覚に変わりました。
井上
面白い。確かにそうですよね。
山根
あと、採用関連で学生に向けてフェンリルを紹介する機会がありますが、実際のオフィスとのギャップが大きかった。オフィスの外でいろいろ説明したり、きちんと整ったフォーマットの資料を用意したりして、すごいいい会社だなっていう印象を持ってもらえたとしても、オフィスに来たら、「オフィスは意外に普通だね、そうなんだ」といった印象を持たれてしまうことがあった。
杉谷
分かるー。
荒木
ふふふ。
井上
そうだね。「おー!」とはならなかったよね。
山根
そう。今は結構、フェンリルらしいオフィスになったと思います。
井上
どうぞ!という感じだよね。
杉谷
自分が就活やアルバイトで島根オフィスに来たときは、「あ、机と椅子がでかい」ぐらいは思ってたけど、それでもまあまあ、一人のスペースが広いオフィスかなって感じだったんですけど、当時このオフィスだったら全然違うイメージを持っただろうなと思います。
井上
そうだね、まず机と椅子とはならないよね。
向かい合うデスクの間にグリーンを配置、環境改善と目隠しの一石二鳥
山根
あと、細かいですけど、そのテーブルの真ん中に緑が置かれていて、対面との抜け感がなくなったんで、何て言うんですか? 目が合っちゃう感じとかがちょっと減った気がします。
その他、全員
あ〜!
山根
モニターがこうあると、斜めの人とかちょっと近いと、目の端でお互い見えちゃったりみたいな。
井上
気になる人は気になるよね。
杉谷
なんか目が合って、見ちゃうとか。
山根
そういう細かいストレスが結構なくなった感じがしますね。
—なるほど。荒木さんはどうですか?
荒木
出社するのがワクワクするようになりました! オフィスが新しくなって、個室ブースが設置されたおかげで、働きやすくなった気がします。島が分かれたので、程よい距離感が持てたり、しゃべるスペースが結構増えたりして。
車椅子の移動にも細かい目配り
杉谷
車椅子目線でさ、行動のしやすさとかはどう?
荒木
そうですね。前は机がギチギチに並んでいて、後ろのほうの席に行きづらかったんですけど、改装の際に、どこの席でも行けるようにサイズを決めて、ちゃんと計ってレイアウトしてもらったので、移動が快適になりましたね。あと、前は入口にボコッとした段差があったんですよ。それを緩和するためにスロープにしてもらいました。ほんの少しだけど、そこも改良してもらって助かりました。
出入り口のドアの下部にあった段差をなくし、なだらなかスロープにした
松江でエンジニアとして働く魅力
—ところで、松江に住んでエンジニアとして働く良さって、どんなことがありますか?
荒木
通勤電車がない。満員電車に乗らなくていいですね。
杉谷
バスで座れる。
山根
まあ、そもそもここが地元なので、地元にいながら、何て言うんですかね。都会と変わらないような仕事ができるっていうのはいいとこどりしてるなって思っています。
井上
そうだね。
—ワークライフバランスが取りやすい環境だということですね。もう少し踏み込んで、フェンリルならではの強みはどんなことだと思いますか?
杉谷
やっぱり、地域内に閉じていないというのが、一番強いところかなとは思いますね。例えば県外から仕事を受けていたとしても、開発での関わりは拠点にいる人だけになってしまう場合もあるかと思いますが、フェンリルは完全に他のオフィスと融合して仕事しているので、それはすごい強いところかなって思います。知り合いで、県外に本社のある島根オフィスで働いている人がいるんですけど、フェンリルのように本社の人たちとやりとりしたり、行き来したりは、あまりしないって言うんですよ。
荒木
私が前に勤務していた島根の会社は、東京に本社があったのですが、本社には一度も行ったことがなかったですね。
杉谷
僕が就活を始めた頃は、島根のソフトウェア開発会社は「ニアショアやってます、ニアショア拠点です」という言い方がされていました。アメリカとインドがやるような時差をなくして、かつコスト低減できるのが強みと言っている会社が多かったと思います。
井上
フェンリルも最初はニアショアだった面もある。自治体が誘致していて、助成金が出るという。
杉谷
でも今のフェンリルは、多分そういうのはないですよね。
—フェンリルは逆に、多拠点で、チームがばらけているから、なるべく交流しようとしていますよね。
井上
そうですね。
杉谷
コロナ禍で変わりましたよね、そこら辺って。僕がアルバイトしていた2019年頃は、まだ島根は島根のチームでやっていましたよね、基本的には。
井上
案件の関わりで、交流がないことはなかったけど、確かにデザイナーさんと交流することはなかったですね。
杉谷
そういう意味では、今の案件は、チームの規模が大きくなっただけで、そんなに変わりはないのかな。あんまり僕も把握できていないですけど、Zoomで会議したりすると、関西の人が多くて、都会の人との交流があって。でも、このオフィスの中には、同じ町に住む人たちの結束感みたいなのもあって、みたいな。
井上
オフィスのおしゃれさとか目新しさとか、ワクワク感があるというのは、「いいな、ここで働きたいな」という前向きな評価に直結しそうです。あと、フレックスタイムがあるおかげで時間の融通が利き、他の会社と比べても働きやすそうな気がしますね。そこは島根オフィスのいいところではないかなって思います。
オフィスが一新され、出社率が上がったと口をそろえるエンジニアたち
いかがでしたでしょうか。エンジニアがオフィスの快適さを口々に語る様子から、「愛着の湧くオフィス」を目指した今回の改装が大成功だったことがよく分かりました。この記事を読んでフェンリルに興味を持たれた方、ぜひ応募してください!