こんにちは、デザイナーの榧谷です。
6月21日から2日間にわたって、サンフランシスコで「Config 2023」が開催されました。
今回は、私を含め、フェンリルのデザイナー3名で参加。
Figmaを起点として世界中のデザイナーの話を聞くことができました。とても有意義なカンファレンスだったので、その様子をレポートします。
Configとは
デザインツールである「Figma」のグローバルカンファレンスです。
Figmaの新機能が発表されたり、世界中のFigmaユーザーがスピーカーとして登壇したりします。この規模のイベントが開催されるのは今回が初めてで、当日、アメリカ・サンフランシスコの会場、Moscone Centerには8000人以上が集まり、大変賑わいました。
出発前の準備
私はアメリカに行くのも初めてだったので、準備も英語も不安でいっぱいだったのですが......。
WWDCによく参加しているフェンリルのエンジニアにアドバイスをもらったり、渡航前にFigma Japanさま主催の説明会に参加したりしたので、それらの情報からスケジュールを組んで準備を進めました。
Keynote以外のセッションは同時刻に6つほど開かれるので、メンバー3人で分担してスケジュールを組みましたが、会場が非常に混雑していたため、定員オーバーで入場できないセッションもありました。そんな事態でも、現地で情報共有できる仲間がいることで作戦を立てられたのでとても助かりました。
また、Config 2023専用のアプリが配信されていたので、自分用のアジェンダを組むことができて便利でした。
ノベルティがかわいすぎる
Figmaの魅力の一つはグッズの可愛さですよね?
写真のほかにもバッジや帽子、ステッカーが配られていたので、ばっちりゲットしてきました!
中でもトートバックはちょうどいいサイズで使いやすく、デザインも目立つので、街中を歩いていてもConfig参加者なんだなということがひと目で分かり、話しかけるきっかけにもなったのでとても助かりました。「今回のカンファレンスで一番の成功は、このトートバックでは?」という声も聞こえるほどでした。
お祭りのような盛り上がりだったKeynote
私の普段の業務からすると、新機能の「Variables」はデータが整理されて開発連携もスムーズになるなんて、夢が広がります。プロトタイプの機能拡張も、デザイナーの領域で精度の高いプロトタイプが作れるのであれば、ユーザーテストも気軽にできるようになり、より良いアウトプットにつながりそうです!
また、開発者向けにさまざまな機能が追加されたDevModeについては、フェンリルのエンジニアに感想を聞いてみたいと思いました。デザイナーからエンジニアへ、デザインデータをスムーズに連携するにはどうすればいいのかというのは長年の課題です。
セッションも良かった!
AI and the future of Design
「UIが今どのように変わってきているか」についてや「AIはプラットフォームである」という話が素敵でした。自身の業務にAIをプラットフォームとしてどう組み込んでいくか、私たちは脳のリソースをどの仕事に使ってデザインしていくべきなのか考えさせられる内容でした。
Using color at scale for aesthetics and accessibility (ASL version)
「黄色を扱うのが一番難しいよね」との語りかけからぐっと引き込まれたセッションでした。Metaが HSL(色相、彩度、輝度)ではなくLCH(明度、彩度、色相)の色空間を使って設計している話や、背景画像のトーンに合わせたカラーを表示するアルゴリズムの話など、色について考えない日はない私たちにとってはとても興味深かったです。
Design at the speed of the news
The New York Timesのニュースをより早く、正確に届けることを使命としたデザインへの目配りやレイアウトの使い分けなど、ユーザーのため、信念のためにデザインが考え抜かれていることに感動しました。
Figmaのオフィスも見学しました
カンファレンスの前日には、Figma Japanさまに、会場のすぐ近くにあるFigmaオフィスをご案内いただきました。Figmaオフィスは、Figmaらしさが存分に感じられる内装で、たくさんある会議室にはそれぞれにユニークな名前(Bigmaなど)が付けられていたり、素敵な家具やカーペットがあったり……。大きなモニターのある会議室では数人が集まってマリオカートをプレイする様子も見られ、フェンリルでもやっているゲームのコミュニケーションっていいなと思ったりしました。
いろいろな方との交流も
Figma Japanさまが、日本からConfigに参加している企業との懇親会を企画してくださいました。同じ業界でもこうして話しをできる機会はめったにないので、仕事の話からキャリアなどの個人的なことまで、たくさん話してとても有意義な時間を過ごせました。最終日にはFigmaのCPOである山下祐樹さんと話す時間を作っていただいて、ブランドについてどう考えているかや、趣味は何かなどいろんな話を伺えました。
他にも、会場で声をかけたLAのデザイナーや、アイルランドから来たというFigmaプラグインのエンジニアなど、現地ならではの交流ができて、来てよかったなと思いました。
今後サンフランシスコのカンファレンスへ行く方へ
今回、私がサンフランシスコで経験したことを踏まえ、皆さんにとっても役立つと思われる情報をまとめてみました。
参考になれば幸いです。
- 配車アプリはUberよりもLyftがお手頃価格
- 英語セッションの聞き取りはポケトークアプリが有用
- 6月は意外に寒いので上着が必要
- プリペイドSIMを事前に購入しておくと便利
- 支払いはカードしか使わなかったのでチップ以外の現金はほとんど必要なさそう
(2023年6月時点)
おわりに
私は今回初めて参加する海外カンファレンスだったので、全てが初めての体験でとても刺激的な5日間でした。カンファレンスの内容についてはConfigのサイトでアーカイブを視聴できます。デザインの力を信じている人が世界中にいるという感動と、現地の熱気、そこにいる人たちと関われたことが自分にとっていい経験となりました。
フェンリルには、渡航費や滞在費など、カンファレンスにかかる費用は全額負担してくれる制度があります。会社にこのような機会をいただいたことを感謝するとともに、社内へのフィードバックやツール導入の整備を進めていきたいと思います!