今回は、細川さん同様に看護師からビジネスサイドへ転身した、医療統括部の菊地瑠璃子さんによる投稿です。
ぜひご覧ください。
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菊地 瑠璃子プロフィール
筑波大学卒業後、筑波大学附属病院に看護師として入職。ICUに配属され、救急や院内急変の患者、心肺蘇生後の患者、心臓血管外科手術をはじめとする術後急性期の患者、ECMOや他補助循環装置、人工心臓装着患者などの診療補助業務を経験。チューターとして新人指導や、業務改善にも携わる。2019年日本集中治療医学会にて学会発表を行い、海外誌American Journal of Critical Careに掲載される。小児ICUに異動後は、成人と同様の急性期患者に加え、先天性心疾患や悪性腫瘍等の患者を担当。リハビリチームや感染チームに所属し、看護の改善に向けた活動に従事。医療現場で培った専門性を活かしながら、事業会社で日本の医療環境の改善に向けた仕事をしていきたいと考え、2021年ファストドクターに入社。
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コロナ禍で自分の原点に立ち返る
幼い頃、「病気のおじいちゃんを助けたい!」というきっかけから医療職を志した私は、筑波大学を卒業後、看護師として同大学附属病院に就職しました。入職当初は重症患者の集中的な治療を行うICUに配属され、4年目には小児のICU(吉沢亮さんの主演ドラマで話題の『PICU 小児集中治療室』)に異動となりました。これまで私は、看護師として働いてきた時期の全てを集中治療領域で過ごし、心肺蘇生後の患者さんや心臓外科手術後の患者さんなど、多くの重症患者さんの対応を経験してきました。
そして、ちょうどPICUに異動してすぐに訪れたのが、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックです。例に漏れず、私のいた病院もECMO適応の重症患者さんの受け入れを求められ、特に第5波ではICUの病床が立て続けに埋まりました。さらに、コロナ以外の重症救急患者さんも重なり、元ICUメンバーにヘルプが出るほどの逼迫する現場を経験しました。今思い返すと、大変なことがたくさんあったように思います。それでも、目の前の患者さんを救うこと、一瞬一瞬を大切に全力で取り組むこと、そうした私たち看護師の仕事自体にとてもやりがいを感じていました。
ところが、コロナの感染拡大により行動制限や経済活動の制限が数年続き、遠方に住む家族になかなか会えない状況もありました。そのなかで、私の祖父母が立て続けに入院治療となったのです。結果として大事には至らなかったのですが、日々病院で目まぐるしく働くなかで「今、目の前にいる患者さんに何かできても、大切な誰かのためには結局何もできていないのでは…」と考えるようになりました。
私が医療を志したきっかけは「大切な家族を救いたい」でした。その想いが一番強かったのに、このままの働き方で「私は家族のために何かできるのだろうか」と、思い悩んでいました。だからといって、地元に戻って看護師をすれば解決するのかといえばそう簡単な話ではなく、身体一つで看護師として貢献できる限界があるのも事実でした。
そこで、さまざまなことを考えるうちに現場のいちプレーヤーとしてではなく、医療としてより大きなインパクトを与えられる仕事をしたいと思いました。ちょうど転職を考え始めた私は、自分の貢献できる幅を広げたいと、病院ではなく企業での仕事に興味を持つようになったのです。
救急往診の先駆け×リアルタイム変革×新たなキャリアの形
ファストドクターに転職を決めた理由は主に3つあります。
①『不要不急の救急車利用をなくす』という創業のきっかけに共感したこと
『救急外来のコンビニ受診』の問題は、私が高校生だった頃にはすでに話題になっていたにも関わらず、現在に至るまで改善しきれていない状況があります。ファストドクターでは本当に医療が必要な人に、適切に届けられるような事業を目指して展開しています。これは、現場にいる医療スタッフと実際のユーザーである患者さんの双方にニーズが高いサービスであり、全国に広がっていくメリットは大きいと感じました。
②コロナ禍でどこよりも早く対応を始めていたこと
新型コロナウイルス感染症の流行り始めに、国からオンライン診療の指針が発表された直後にファストドクターではオンラインサービスをいち早く展開したと知った際には、その発想から実行までのスピードに驚きました。
医療業界では時代の変化に合わせた臨機応変な対応力が低く、時間がかかる傾向があります。もちろん時間をかけることが必要な場面もありますが、それゆえになかなか体制を変えられないことが多いのが現実です。そのような業界の中で、ファストドクターは常に変化をもたらし、リアルタイムでニーズに応え、世の中に貢献しています。そうした人たちがこうして間近にいるのだということに、とても感動しました。
③看護師としての新しい活躍の場があったこと
今の上司である上柳さんの存在を知ったときには、「こんな看護師が世の中にいるのか!」と衝撃的でした。手作業レベルから業務を効率化するためにシステム化する、そしてデータを根拠に改善を続けていく…これらを0からのスタートで成り立たせていることにまず驚きました。臨床での経験が主な私にもできるようになるのかと、少しの不安はありましたが、「どんどん吸収してやれるようになる!」と、ワクワクした気持ちの方が強くありました。
ファストドクターには信念を曲げずに医療業界でさまざまなことを実現している熱いメンバーがいます。
面接過程で「ここで私も共に働きたい!」という思いがどんどん強くなり、入社を決めました。
未経験ながらやり遂げた「機動力の高い訪問看護ステーション」の設立
私にとって入社後の最初の大きなミッションは、ファストドクターとして『訪問看護ステーション』を設立することでした。とはいえ、訪問看護も在宅医療も経験のない私は、まずは情報収集や勉強するところから始めました。特に、機動力の高い訪問看護ステーションを実現させるためにはさまざまな制約が障壁となることも多く、試行錯誤した部分もありましたが、なんとか運用まで辿り着きました。結果として、コロナの第7波では多くの自宅療養の方への支援を行うことになりました。
また、訪問看護ステーション以外にも往診やオンライン診療と連携して、患者さんのご自宅に出向いて処置や検査を行っている現場の看護師が大勢おり、各地域の看護師の統括を行っています。最近ではファストドクターの理念やサービスに共感して応募してくださるメンバーが増えてきており、ありがたく思っています。
2022年度に入ってからは、新たな取り組みとして『地方デジタル往診』の事業が発足しました。この事業は『オンライン診療+現地の看護師による訪問看護』により、地方にお住まいの方に、往診に限りなく近い診療体験を提供するもので、2022年9月から福島県福島市でスタートしています。私はこの事業において、看護師チームの立ち上げや業務フロー作成を行いました。立ち上げにあたっては、まずは現場に出向いて想定される業務を確認し、その後実際に勤務するメンバーにとって働きやすいように展開していきました。
先に述べた福島県での取り組みのように、看護師が介入することでより提供価値を高められるものは、実はまだまだ他にもあるのではないかと考えています。医師も看護師もリソースが限られている一方で、今後さらに医療の需要は高まっていきます。特に地方においてはよりこの傾向は顕著です。地方出身の私は、このファストドクターのサービスが日本全国津々浦々に届く日が来て欲しいと思っています。既存のオペレーションの効率化はもちろんですが、新たな看護師の在り方について可能性を模索していきたいです。
医療統括部では現場との間に立ち、医療品質の中心を担う
そのなかで、医療統括部では主に以下のような仕事をしています。
- 現場に赴く医師・看護師の統括と医療品質の管理
- 診察後の経過観察をする看護師チームの統括
- 医師・看護師がより良く働ける環境構築
社員メンバーは現在(2022年11月時点)7人ですが、それぞれのプロジェクトを持って働いています。
ファストドクターで何か新しいことが始まるとき、そのほとんどに現場の医師や看護師が関わります。どの部署も必要不可欠ですが、実行可能な状態に整えるという部分では、特に我々医療統括部は重要な役割を持ちます。
現場との間に立ち、
- 想定している運用は実際に実行可能か?
- 実行可能な場合、それをどのように現場スタッフに周知するか?
- 運用開始後、ねらい通りの結果が出ているか?改善ポイントはあるか?
など、これらを考えて関わっていくことが必要なため、単に医療知識があるだけではなく、広い視野を持って物事を捉えることが必要です。
一方で医療品質の中心を担うという意味で、個々の医療的視点や倫理観は欠かせない大切なものだと考えています。メンバーが増えてきたことで、一つのケースに対してあらゆる視点でディスカッションできるようになり、より良い組織になっていると感じます。
専門性が異なるメンバーで「どうやればできるか」と考え行動し続けるポジティブな組織
ファストドクターは「なぜやれないか」より「どうやればできるか?」を考えるポジティブな組織であるところが良いところだと感じています。新しいことを始めるとなると、時に障壁もありますが、そこで屈せずに物事を進めていく強さがあると思います。
またここに来なければ出会うことがなかったであろうメンバーに会えたことは、自分にとって大きな財産です。医療・ヘルステックの会社とはいえ、医療職者ではない方も多く、専門性が異なるメンバーで構成されていて、それぞれに得意分野があり尊敬する人ばかりです。
ファストドクターに入職して、実際に1つの医療行為が行われるまでに、企画からシステム開発、物資の調達やリソース管理といったところで多くの人が関わっていることを実感しました。病院の中では現場として医師やコメディカルとのチーム医療を経験しましたが、今は現場を含め、より大きな意味での「チーム」を感じながら日々働いています。
また、チャレンジ精神が強いこと、それを応援する文化があることもファストドクターの特徴だと思っています。例えば、業務を改善・効率化するにはデータを扱い、見える化することが必要です。私を含め医療統括部には医療職者が多く、最初は表計算すら満足に触ったことがないところからスタートしていますが、「学んでやる!」という意気込みが強い人が多いです。入職するまでは、その言葉すら知らなかったSQL(Structured Query Language)やGAS(Google Apps Script)などのプログラム言語やアプリケーション開発のプラットフォームにも少しずつチャレンジしています。まだまだ勉強中ですが、全く知らないのと少しでも理解しているのでは、より専門的なメンバーと会話するときに話し方・伝え方が変わるものだと思っています。
このように0から学んでいくことにも寛容で、「まずはやってみよう!」と周りも背中を推してくれる、良い組織です。さまざまなことにチャレンジしてみたい人にとって働きやすく、刺激的な環境だと思います。
ファストドクターの医療統括部では、医療的バックグラウンドの有無に関わらず、患者のため、そして現場の医療スタッフのため、日々「より良くするためには」を追求しています。自宅で体調が悪くなり困っている方に適切な医療を提供できたとき、この事業が現場の医師看護師のやりがいとなっていると聞いたとき、それは嬉しい瞬間の一つです。こうした医療的な課題に取り組み、社会に変化をもたらしていくことは私にとっても大きなやりがいです。ぜひ一緒にチャレンジしていきましょう!ご興味がある方からのご連絡をお待ちしております。
※瑠璃子さんの上長である上柳さんの記事はこちらから!
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