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「本格的にさむくなってきましたな。かぜなんか引かないようにねぇ。」先日、母と電話したんですよね。あるよね、なんだか寒い夜、親と話したくなる時って。
ちなみに母はカバー写真みたいにぼくを連れていろんなところに行ってくれるカジュアルな母。そんな母とひょんなことから親子で人材業界をいっしょに考えたんです。
● ぼくは1980年にうまれた子なんだね
ぼくは1980年の1月20日にうまれました。その年には元ビートルズのジョン・レノンがダコタアパート前で亡くなりました。
世界におおきな衝撃をあたえた出来事だったそうです。(母のりこ談)
ぼくはビートルズな親に育てられた子です。ちょうどそのころ、日本の高度経済成長時代が曲がり角を迎えていました。
人材サービスが産業として認知されたのもこの頃です。
1984年、「日本リクルートセンター」が「リクルート」に変わります。1988年、リクルート事件発覚で一躍「リクルート」の名前が売れます。
皮肉なことに人材サービスの認知を一般に引き上げたのはリクルートの創業者江副さんの逮捕劇でした。「リクルートって超儲かってるよね?」「リクルートって求人の会社なんだ」「求人ってビジネスになるんだね」
そういう風にね。
● 人材サービスは何故成長したか
その後の人材業界の成長っぷりはみなさん御存知の通り。
何で急成長を遂げたのか。それは「仕事を探す人が大量に生まれたから」です。
フリーターということばが一般に定着したのは1986年3月31日、朝日新聞に「フリーアルバイター」ということばが紹介された時からだそう。
でもそのころのフリーターは「フリーランサー」という感じで少数のひとたちでした。本格的に人材業界が役割を果たし始めるのは「バブル崩壊」のころです。
このころから「就職氷河期」が始まります。毎年大量の「仕事を探す人」をうむ社会構造ができあがります。
この氷河期の学生達がついた職業が「バイトや派遣」みたいだよ母さん。
● 親のために子たちは働いてるのかもしれないよ
偉い人によると就職氷河期のしくみはこうです。
企業が雇用や生活水準を守るためには新卒正社員の採用を抑え、労働力をバイトや派遣に置き換えることで人件費削減を図ります。欠員はピンポイントで即戦力となる中途採用を増やします。
これが円高の時も国際競争力になります。
でも新卒の入るスキマは非常に少なくなる、それを「就職氷河期」と呼びます。
なぜ、子世代の平均年収水準は下がるのに親世代の平均年収水準はあまり下がらないのか。なぜ、職場には子世代のバイトや派遣ばかりいるのか。
それは親の世代の雇用や生活水準を守る代わりに、子達は新卒ゴールデンチケットを使えなかった一面もあるからです。労働構造がかわってしまったのですね。
親世代に憂われながら子たちは親を守って働いているのかもしれないよ。
● みんなにご飯のタネをわけるステキなしごと
書いていたら、腹が減りました。
お腹をいっぱいにするためにぼくらのしごとはあります。わかい子はスグお腹が減る。でもしごとはない。だからぼくらのようなしごとが存在できるんですな。
実際、世の中の仕事との出会いの30%は人材サービスから生まれます。腹をすかせた人間にパンの糧を与える、それは昔、神様のしごとでした。(キリストは脇腹からパンを作ります。スゲェ)
それくらいステキな仕事なんだと思います。
人材業界のありかたについてはいろいろ議論があります。
ぼくは「善でもなく悪でもなく必要」だと思っています。それはすべてのしごと共通のことでしょうな。道徳なんてものはすぐかわるし必要の前には、んーふん。
必要だということは喜ぶひとがいるということ。
それで十分でないかしら。
ニーズがなければビジネスは生まれない。ニーズが生まれたのはなぜか。派遣、フリーターのひとたちがいらない、というなら、人材サービスなんかいらないと思うんですよね。
お母さん、ジャストイマジンっす
「フリーター、派遣」かわいそうだなんて思う必要はないですね。自分の子だと思って考えてみるといいんじゃないかな。すきなビートルズに乗せて、ジャストイマージン。
ちなみに、お母さん、子世代の平均年収水準に親世代を慣らすとどうなるでしょうか。お母さんが憂う低年収問題は解決しちゃうかもしれませんよ。
ぼくはヒッピーな教育を受けているので年収200万でも十分くらしていけます。親となかまと仲良くくらせるならなお、いいです。
年収がすべてではないし、こんな風に思ってる子もたくさんいるんですよ。じっさい。
なにせビートルズ世代のこどもですから。
Imagine all the people
Living life in peace
You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will be as one
さあ想像してごらん みんなが
ただ平和に生きているって...
僕のことを夢想家だと言うかもしれないね
でも僕一人じゃないはず
いつかあなたもみんな仲間になって
きっと世界はひとつ