ダイレクト出版の社員に向けて書いたレターを転載しています。
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To: ダイレクト出版のみんなへ
From: 小川忠洋
仕事をしてれば、日常のあらゆるところで、「判断」が求められ「意思決定」をする必要がある。
ってか、その繰り返しが仕事である。
事実を基に判断する
とベーシックスにもあるが、これをみんなもっと意識していかないと、やっているようで、できてないって事が多々ある。
じゃあ、そもそも論として事実ってのは何かって言うと、2つある。
- 一つは定性的情報
- 一つは定量的情報
定性的情報で一番よくあるのが「お客さんがAと言った」
まぁ、その人がAと言ったのは事実だから、これは間違いない。
一方、定量的情報ってのは何かって言うと、データだ。
上の例にかぶせていくと、Aと言ったお客さんが何人いる。
定量的情報、つまりデータである。
しかし、情報にはやっぱり良し悪しってのがある。
ここで出した情報は、どちらも事実だが、情報の質としては、低く、判断の基準にあまりならない。
判断をするには必ず、「比較対象」が必要だ。
人間は、ものごとを何かと比較しない限りは、その価値や中身を理解できない。
例えば、Aというお客さんが5人いた。
でも、
お客さん10万人のうち、Aというお客さんが5人いた。
お客さん10人のうち、Aというお客さんが5人いた。
では、全く意味が変わるよね?
情報や事実は、それ単体ではなかなか意味をなさず、コンテキスト(背景情報など)によって、意味が全く変わってしまう。
前者だったら、10万人のうち5人なので、言ってみれば、「ノイズ」のような情報。
ところが後者では10人のうち5人なので、貴重な「シグナル」となる情報。
%で言えば
50%の人がAと言ってるのと
0.005%の人がAと言ってるという違いになる。
そうすると情報の重みが違う。
こういう風に定性的情報と定量的情報データを両方見ないと、
「お客さんが、こう言ってるから対応しないと!」
「何人が言ってるんだ?」
「一人です」
というように反射的に、すべての情報に対応することになる。
そう。それは、考えて判断しているのでなく、「反射」しているにすぎない。
で、Aという人が50%いるなら、それに対策をしないといけないわけだが、この場合も、いくつくかの対策を考えて、比較検討して、その中から一つを選択して実行する、という風にやっていかないといけない。
どうしても人間、最初に思いついたものを別案(オルタナティブ)を考えずに実行してしまいがちである。これも、反射みたいなもんだ(笑)
論理的に判断するとは?
ちょっと長くなってしまったので、この話は次回にしたいと思う。
今日はとにかく定性的情報と定量的情報、データで判断するということを意識してほしい。