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顧客は“世の中に影響を与えられる人たち”。だからこそ自分ももっと成長したいと素直に思える。

学生時代に立ち上げたビジネスで、「お金は儲けようと思ったら儲けられる。
大切なのは“どう仕事がしたいか”という自分のスタイルだ」と認識した高木君。
新卒で入った会社には裏切られたけれど、それがあってこそ今の仕事の真価が分かる。

高木 仁也 Jinya Takagi

1992 年、京都府生まれ。関西大学卒業。大学時代からアフィリエイトやマニュアル販売等のビジネスを始める。ダイレクト出版には第二新卒として2016年入社。現在はマーケティングマネージャー兼セールスライターとして、販売プロモーションの企画、広告運用、セールスコピーのライティングを統括している。

理想を抱いて就職した会社なのに……

 僕とダイレクト出版との付き合いは、大学生のころに遡ります。僕は独立志向が強く、当時、自分でアフィリエイトビジネスなんかをやっていたんです。ある程度、稼げるようになったときに、ビジネス面での師匠筋から勧められたのが、ダイレクト出版の「ザ・レスポンス」というブログでした。その後はブログを読むだけでなく、書籍を注文したり、教材を購入したり。熱心に学んでいたので、周りの友人たちと話が合わなくなって困ったくらいです。

 その後、師匠から「アフィリエイトだけでなく、商品を作って販売したほうがいい」とアドバイスされ、「自分が作れるのは何だろう」と考えていたころに就職活動が始まりました。まずは就職して経験を積み、独立するのはそれから……というのが僕の構想でした。
 実は僕、こう見えてかなり多くの企業から内定をいただいたんですよ(笑)。学生の平均内定取得社数が約2社のところ、10社ほど。そこで、「これを就活生に向けて売ってみたらどうだろう」と思いついたんです。自分の就活を振り返ってメソッドとマニュアルを作り、学生に向けて販売を開始。そのビジネスをやりながら、自らも就職。副業でビジネスを運営していくことにしたのです。

 さて、就職は選びたい放題でしたが、僕が選んだのは「もっといいとこから内定が出ているのに、なんでそこ?」と誰もが疑問に思う会社でした。とりたててお給料がいいわけでもない、すごく刺激的な人たちがたくさんいるわけでもない、平凡な会社です。
 なぜ、そんな会社を選んだかというと、ひとえにその会社のミッションに共感したから。「顧客を大事にするためにも、従業員を大切にする」という内容で、僕にはすごく新鮮に映りました。自分でビジネスをするなかで、「お金を稼ぐだけでは楽しくない。きっと自分は誰かに貢献できたり、お客さんに笑顔になってもらうことにやりがいを見出すんだな」と感じていたからです。
 僕は、他の人が達成したいことの手助けをしたり、チームメンバーが活躍できるようにサポートすることに価値を感じるタイプのようなのです。たしかに子どものころからやっていたサッカーでも、エースの力を最大限に活かすためにはどんな試合運びがベストかを考えながらプレーするのが一番の楽しみでした。

 そんなわけで、「従業員を大切にする」と謳っている会社であれば、自分の喜びを満たして非常に大きなやりがいを感じながら、世の中に対しても貢献できるのではないかと感じたのですね。そこで、並みいる一流企業を蹴ってその会社を選んだのです。
 でも、現実は違いました。従業員は二の次、僕が意見を言っても「お前はまだ入社1年目だろう。何も知らないくせに意見するな」と一蹴されてばかりで、とても従業員が大切にされているとは感じられません。僕は仕事にやりがいを感じられなくなっていました。


僕らが届ける「知識」のチカラ

 順当に考えれば、会社に失望した僕がとる次の選択としては、すぐに独立して、自分のビジネスを拡大していくことだったでしょう。そのとき就活マニュアルの販売で、すでにサラリーマンとしてもらうお給料以上の額を稼ぎ出していたからです。
 でも僕は、もともと自分が顧客であったダイレクト出版への就職を決めました。なぜ事業の拡大を狙わなかったかというと、ダイレクト出版の代表の小川が書いた本のなかに「儲かるマーケットの3条件」というのがあり、これ以上、自分のマーケットで拡大路線をとるのは難しいとまざまざと突き付けられたからです。

 その条件とは、「顧客に熱意があること」「顧客にお金があること」「リピート性があること」の3つ。就活は学生にとって人生を決める一大イベントなので、1つめはクリアしています。しかし、問題は2つめから。学生相手ですから、みんなお金はありません。「お金は払えないけど就活の秘訣はどうしても知りたいので、無料でほしい」と言ってくる人がいるほどです。それに就活って、そんなに何回も繰り返すものじゃありませんよね。新卒となれば人生で一度だし、転職するとしても数年後。リピート性があるとは言えません。
 さらに、自分がターゲットにしている人たちへの不満もありました。前述のように、熱意だけはすごいけれどお金がない学生さんには、特別に無料でマニュアルを渡すこともあったのですが、その後のレスポンスが一切ないのです。行動に移したのかどうか、僕のマニュアルが役に立ったかどうかもわからない。一部には意識の高い学生さんもいますが、広く一般的な学生さんを対象にしていると、そもそも行動に移さない人が多いのです。これは起業したいサラリーマンの方にも当てはまる法則ですね。

 現在、僕はダイレクト出版で、アメリカの一流マーケターであるリッチ・シェフレンのコンテンツを扱う「ストラテジックプロフィッツ」というチームをメインに担当しています。そこでしみじみと感じるのが、顧客の方々が本当に素晴らしいということです。
 お客さんには中小企業の経営者が多いので、世の中への貢献度や責任感、自分自身を高めることに対する熱意が非常に高いのです。まず自分が変わって行動し、ビジネスの在り方が変わり、そこで働く従業員さんが変わり、彼らのクライアントさんまで変わる。
 僕らが商品として扱うのは「知識」ですが、それってすごく大きな力を持っている。知識がついて考え方が変われば、物事の捉え方も変わるし、仕事への向き合い方、人生への向き合い方も変わります。そういう人が増えていけば、社会そのものまで変わってしまう。

 行動しないサラリーマンは、「“今”が嫌だから、何かを変えたい」というモチベーションが大きいでしょう。出発点がネガティブだし、そもそも行動に移さなければ意味がない。それで商品が売れても、僕はあまり嬉しいとは思えないのです。それよりも、「もっとみんなを幸せにしたい」「会社を大きくして、世の中への貢献度を高めたい」と考え、実践する人に販売するほうが100倍面白いでしょう。
 そういう方々に知識を届けるために、僕の課題は今も昔も「セールスライティング」です。自分のコピーによって売上が変わり、引いては世の中への貢献度が変わるので、真剣にならざるを得ません。



 こんなふうに、ダイレクト出版では新人のころから「自分の仕事」が与えられます。一般的な会社と比べても、新人に与えられる権限は大きいでしょう。スキルが上がれば、任せられる仕事も大きくなるので、自分を成長させようというモチベーションも高くなります。
 また、1人1人の意見も非常に尊重してもらえます。基準は「誰が言ったか」ではなく、「何を言ったか」。みんながフラットな立場で意見を言い合えるのは、すごくいい環境です。だからこそ、仕事が面白くて仕方がない。 もう今は、独立したいと思う気持ちはなくなりました。なぜなら、ここで働いているほうが、世の中に大きな貢献ができるからです。自分自身、お金を稼ぐだけでは満足できませんから、独立する理由がなくなってしまった。それほど今の仕事に価値を見出しています。

 今の僕の目標は、壮大な夢ではありますが、ダイレクト出版の年商を1000億円にすること。そのための自分の一歩としては、みんなが力を出せるように自分の強みを活かしつつ、自分自身のセールスライティングのスキルも高めていく。そうやって自発的に目標を定めて仕事に取り組めるのは、本当に素晴らしいことだと思うのです。

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