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営業だった私が感じる「お客さまのため」を貫けるカスタマーサクセスの魅力とは

お客さまのために動く。お客さまの目線で考える。

どんな仕事をするにしても大切なことだと思います。一方で、そうした思いを純粋に貫き通せる仕事はどれくらいあるのでしょうか。「目標達成のため」「自分たちの業務フローを優先するため」……そうした事情から顧客志向を貫き通せず、モヤモヤした経験がある人も少なくないのでは?

サイボウズのカスタマーサクセスで活躍する粟田友紀子さんは、前職時代、顧客志向の強い職場で営業としてのキャリアを積みました。その経験を振り返っても「お客さまの成功をいちばんに考え、しがらみなく行動できる」カスタマーサクセスの仕事には、これまでにないやりがいがあると話します。

粟田さんが知ったカスタマーサクセス職の魅力とは? お客さまとのエピソードを交えて聞きました。

(プロフィール)

粟田 友紀子(あわた・ゆきこ)さん

2011年にITメーカーへ新卒入社し、病院向けシステムの提案営業に従事。2016年8月に第1子出産、2018年10月に第2子出産。2020年4月にサイボウズへ転職して発足直後のカスタマーサクセス部に所属。2021年8月よりkintoneCS オンボーディングチームリーダー。顧客支援や業務分析などを担う。2022年1月よりメール管理・共有システム「メールワイズ」のCSのリーダーとしてチームの立ち上げに従事。





子育てと仕事。全国を飛び回れない自分へのモヤモヤ

――粟田さんは新卒でITメーカーに入社しています。当時はどんな仕事を担当していたんですか?

粟田:大学病院などの医療機関へ電子カルテを中心とする医療情報システムを提案する営業職です。電子カルテをスムーズに運用していただくためには、納品後の保守がとても重要。ユーザーの課題を把握し、フォローしていくことに努めていたので、現在のカスタマーサクセスの仕事につながる要素があったのかもしれません。

――転職を考えるようになった経緯とは。

粟田:子どもを産んで、仕事との向き合い方が変わったことがきっかけでした。

私が所属していたチームの担当エリアは全国で、全員が揃うのは月曜日の午前中くらい。あとはみんなが各地を飛び回っているという多忙な部署でした。でも、子どもを出産した後はさすがに全国を回るのが難しくなってしまって。

会社やチームはそんな私の状況に理解があり、上司が私の代わりに出張するなど、対応策を取ってくれていました。とはいえ私自身は、前と同じようには働けない状況にずっとモヤモヤしていたんです。「本当にこのままでいいのかな」って。


きっかけはサイボウズの働き方。やがて「仕事そのもの」への興味へ

――サイボウズと出会ったきっかけを教えてください。

粟田:私は前職時代から、電子カルテを提案する関係でサイボウズ製品のことを知っていました。以前kintoneがリリースされた際のプロモーションでは、都心の駅前でバナナを配っているシーンに出くわしたこともありましたね。「面白いことをする会社だなぁ」というイメージを持っていました。

多くの人がイメージしていることと近いと思うのですが、転職先として真剣に考え始めたのは、「サイボウズなら子育てをしながらやりたい仕事ができそう」と思ったからです。それからサイボウズについて詳しく調べ始め、「kintone hive」(*)のレポートを見ているうちに、「この会社なら本気でワクワク楽しく働けそうだ」と、仕事そのものに興味が移っていったんですよね。

(*)キントーンハイブ。業務改善につながるkintoneの活用ノウハウをユーザー同士で共有するライブイベント。

――興味が仕事そのものへ。詳しく教えてください。

粟田:私が前職で扱っていたのは基幹システムだったので、ユーザーから「このシステムはすごい!」「ありがとう」と直接言ってもらえる機会はほとんどありませんでした。

一方でサイボウズは、業務改善を通じて職場にチームワークをもたらすシステムを作っています。kintone hiveではユーザー企業がkintoneへの熱い思いを語っていました。「ユーザーからこんなにも熱量を持って接してもらえる会社があるんだ」と驚きましたし、この会社で働くことができたら幸せになれそうだと思いました。


売りたいのではなく、課題解決したい。その思いが伝われば熱量が高まっていく

――粟田さんは営業職として経験を積んできましたが、サイボウズの面接では当初からカスタマーサクセスを志望したそうですね。

粟田:はい。私が経験した営業職では受注そのものより、受注後にユーザーと一緒に動くプロセスが重視されていました。システムは導入することが目的になりがちですが、本当に大切なのは導入後に使いこなすこと。システムが生きるのはカスタマーサクセスがあってこそだと思い、この仕事に就きたいと思ったんです。

私と同じように、受注後のフォローに重きを置く営業職を経験した人なら共感する部分があるのではないでしょうか。

――入社後はどのような流れで動いていったのでしょうか。

粟田:基礎的な研修を受け、研修を受けた後から実際にお客さまへ電話をかけていきました。導入直後のお客さまへ、「お困りのことはありませんか?」とおせっかい焼きをしていくイメージです。課題が聞けたお客さまとは、オンラインで打ち合わせをして解決していく。それを半年くらい続けました。

最初のころは、私たちのおせっかい焼きに対して戸惑うお客さまもいたと思います。いきなり電話がかかってきたら「何か追加商材でも売りつけられるのかな……?」と感じても無理はないですよね。

だけど、私たちは何かを受注しようとしてやっているわけではありません。追加でサービスを案内したいのではなく、お客さまにkintoneを使いこなしていただきたい一心でコンタクトしています。それが伝わればお客さまは課題感を話してくれるようになるし、一緒に解決していくための熱量も、互いにどんどん高まっていくんです。

入社1年後の2021年4月からは、企業規模の大きいお客さまへ個別対応する「ハイタッチ業務」を経験。また8月からは、企業規模の小さいお客さまへ運用開始までの支援を提供する「kintoneCS オンボーディングチーム」のリーダーを務めています。

運用開始までの限られた期間で、いかにお客さまの課題を把握し、必要なサポートを提供していくか。まだまだ試行錯誤を続けていますが、必要な資料やアンケートフォームなどを整え、質の向上と仕組みの改善に取り組んでいるところです。





「通知が来たよ!」と満面の笑みで喜んでくれたお客さま

――これまでのお客さまとの出会いの中で、特に印象に残っているエピソードを教えてください。

粟田:あるとき、システム全般へのリテラシーがかなり高い担当者の方とお話する機会がありました。「システムに詳しいなら導入に困らないのでは?」と思うかもしれませんが、お客様の使っているシステム用語と私たちのkintoneの表現が共通言語になっておらず、最初はなかなか意思疎通できませんでした。

それでも、kintoneについて丁寧に説明し、打ち合わせの回を重ねるうちに、最後の打ち合わせで話した際にはとてもスムーズにやり取りできるようになりました。「なぜ無償でこんなにフォローしてくれるんですか? すっかりサイボウズのファンになりました」とも言ってくださって。製品だけでなく、その裏側にいる私たちを含めたサイボウズそのものを好きになっていただけたことが、とてもうれしかったのを覚えています。

一方では、「システムなんてほとんど分からないんだよね」というお客さまも少なくありません。北海道でガソリンスタンドを経営する方との打ち合わせでは、少しずつkintoneの機能を理解していただきながら、一緒にアプリを作っていきました。

その方が一生懸命にkintoneを運用しようとしていることは、次第に従業員のみなさんへも伝わり、活用されるようになっていきました。打ち合わせ中にアプリへの通知が来ると、その経営者の方はスマホの画面を見せて、「通知が来たよ!」と満面の笑みで喜んでくれました。

――入社前にあこがれていた「ユーザーの熱量が高まっていく瞬間」を、まさに体験しているんですね。

粟田:そうですね。お客さまの成功をいちばんに考え、しがらみなく行動できるのがカスタマーサクセスという仕事の魅力だと感じます。純粋にお客さまの組織の一員になったつもりで入り込み、同じ目線と立場になれることが、お客さまの熱量を高めていく要因になっているのではないでしょうか。

前職時代の営業では、何だかんだと言っても「失注しちゃいけない」「他社に取られちゃいけない」という思いが払拭できなかったように思います。結果的にそれがお客さまのためになる部分はあっても、根本的な目的意識は、今とは違ったのかもしれません。


子育てと仕事の切り替えポイントは自分で組み立てる

――前職でのモヤモヤの一因だった「子育てと仕事」については、現状どのように感じていますか?

粟田:コロナ禍に突入した2020年4月に入社した私は、「フルリモート入社の1期生」でした。これまでにオフィスへ出社したことは3回しかなく、基本的には自宅で仕事を続けているので、以前と比べれば時間的な余裕は比べものになりません。

とはいえ、2人の子どもに対応しながら仕事をするのは簡単ではないのですが(笑)。

毎日、保育園へ迎えに行った帰りには近所の公園に寄っています。そこで過ごす時間が、私にとっては重要な切り替えポイントになっていますね。そうしたスケジュールも含めて、働き方を自分で組み立てていくことが大切なのだと感じています。

――「自分で考えて動く」のは、業務全般を通じて重視される点でもありますね。

粟田:特にサイボウズのカスタマーサクセスはまだまだ発展途上のチームなので、一人ひとりが考え、意見を出していくことが大切です。

それは入社直後でも、新人でも同じ。自分の意見をどんどん出すのは、最初は抵抗があるかもしれません。でも、みんなで同じ目標を追いかけ、同じ目線を持っていれば、言いたいことも自然と出てくるようになると感じています。

どうすればお客様の熱量を高めて、どうしたら製品を活用いただけるのか。今後も一生懸命に考え、みんなで実現していきたいです。

【編集後記】
こんにちは。カスタマーサクセス部の山路です。
記事を読んでいただきありがとうございます。

ライフイベントと仕事のやりがいでモヤモヤを感じたことがある方も
いらっしゃるのではないでしょうか。

今回の粟田さんのインタビューでは、転職を通じてそのモヤモヤを解決するだけでなく、
仕事を通じてやりたいことを考え、カスタマーサクセス職として顧客と向き合う仕事に
就いたキャリアの一例として、参考にしていただけると幸いです。

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