プロジェクト管理と子育て

長らくプロマネをやっていると「プロジェクトをうまくまわすコツってなんですか？」と
若手に聞かれる事があります。

これって結構難しい質問で、画一的にプロジェクトをうまくまわすための手法って実は存在しない、なぜならこの世に同じプロジェクトは存在しないから。
※この難しさって、子育てにも通ずる。どんな子育て書・子育て番組見ても最後は
「正解はありません、子供の個性にあわせてご自身で判断してください」
そりゃそうだ、自分の子と同じ子なんてこの世に存在しないし、どんな専門家より自分の方が子供の事知ってるんだから。

で、本題に戻ると、プロジェクトも子供育てと一緒で、それぞれ個性にあわせて柔軟に対応しなければなりません。
”コレだけやってればそのプロジェクトは安泰です”っていう特効薬や手法は無いのですが、一方で子育てにしろプロジェクトにしろ、”コレだけはやっておかないと大変な事になるよ”というポイントはいくつかあると思ってます。
私の経験上、比較的スムーズにプロジェクト運営されているプロジェクトは間違いなく以下のポイントがおさえられています。

１）プロジェクトの目的、日程、コストが当たり前のように整理されている

２）誰が何をする、が整理されている
（外部のステークホルダーも含む。この会社のこの人はXXの成果物の最終承認者です、等）

３）指揮命令系統・プロジェクトの基本運用ルールが徹底されている
（資料はここに格納しなさい、コミュニケーションにはこのツール使いなさい、週に一回レポートしなさい、問題があったらこの人にXX日以内に連絡しなさい、不在になる時は事前に連絡しなさいよ、等々）

４）定例会を開催している
（お互いが定期的に顔をあわせ、状況を理解しあっている。何かあった時に頼み事をする場がある）

５）プロジェクトのスポンサーおよびマネージャーが普通の人間である
（変態がプロジェクトをドライブしていたり、プロジェクトのスポンサー（社長や経営者）がコロコロ方針変えない）

これに加えて

６）プロマネが仕切り上手
（普段は柔和だがダメなものはダメと言える。決断できる。）

７）リスクの洗い出しができている（少なくともメンバーの知りうる限りでは）

８）問題に対して手を打つ前に、リスクに対して手を打っている（つまり問題が起きる前に、何かできる対策をとっている）

こんなあたりがポイントな気がしています。（もちろん他にも色々要素はありますが）

見ていただけると分かるのですが、１〜５までって、新入社員でもわかるくらいすごく普通の事なんです。当たり前の事が、当たり前に出来ている事、これがプロマネの原点であり、成功するプロジェクトの条件だと思います。その先にプロマネのセンスや行動力、メンバーの知識やコミュニケーション能力、外部要因がくると思っています。
（そして子育ても一緒。暴力をふるわない、人に会ったら挨拶をする、人のものを取らない、悪い事してしまったら謝る、、全部普通の事が最初に教えるべき事です。）

よくいる、いつもトラブル続きで忙しそうにしているプロマネ、火消しが上手だと言われているプロマネ、これは基本的な事のどれかを怠っている２流のプロマネなんです。１流のプロマネはそもそも問題が大きくなる前にその芽を潰せる人。

繰り返しになりますが、火種を潰す方法は一つ、毎日当たり前の事をし、気がついた時点でベストな対策をとる、不必要に待たない、自分だけで抱えない。

この辺りは会社経営も一緒だと思っています。

プロマネを長らく営んできた私からすると会社はプロジェクトの集合体。

当たり前の事を当たり前にやっていれば必ず成功する、必ず解決策がある、そう信じて毎日少しずつ”当たり前の事”を積み重ねています。

という事で、プロマネから話を始めましたが、最終的には会社経営と子育ては一緒、という事です。
我が子を育てるように、ダメなものはダメ、良い事は良い。子供にはわからない難しい事ではなく、簡単な誰でもできる当たり前の事を徹底する事が重要だと思います。
（ちなみにプロマネ論については私自身熱い思いがあるのでまた後日）

で、写真はちょっと”当たり前”では無い、会社で作ったオリジナルビール。

私がビール好きと知った社長が「オフィス移転祝いにビール作ろうぜ！」と言ってくれて、全てを私に託してくれました。（私＝オリジナルビール制作プロジェクトのプロジェクトマネージャー）

私自身オリジナルビールを作るなんて全く初めての経験でしたが、まずはプロジェクトのスコープをクリアにして（いつまでに何本、誰にどのような味のものが必要なのか）、日程をひいて、予算も予実管理しながら進めました。
途中当然リスクも見つかり、その場ですぐに代替え案探しなんかもしました。
おかげさまで大きな問題なく納品完了。
（個人的に成功の秘訣はビール作りだからと後回しにせず、1日1分でもいいからこのプロジェクトに関して何か作業したり考える事をし続けた事だと思います）

最後にだいぶ話が飛躍しましたが（笑
こんなちょっとトリッキーなこともさらっとできるMOYAIで楽しく働いてみませんか？