"Be Positive , Do Positive" まちづくりをポジティブに面白がるコツ|中川敬文|まちづくり・地方創生|note
"Be Positive , Do Positive" まちづくりをポジティブに面白がるコツ
https://note.com/keibun_nakagawa/n/n8dd333023347
2年ぶりに新卒社員を迎えた入社式で、地方の1万人の町に移住して起業したまちづくり会社で食べていくための仕事術を話しました。
これまで地方でまちづくりをしてきて個人的に思うバランス
ベース部分はマインド①(精神論・心構え)ミドル部分はスキル(企画力やデザイン力、運営力)トップ部分はマインド②(視点・思考法)
スキルをマインドでサンドイッチにする感じです。
ぼくが、地方でまちづくりをしていくうえで、一番大切にしている思考・行動特性です。
ポジティブといっても、もともと順調な状況で前向きなのは、単なる能天気、ただの明るい性格。
必要なのは、ネガティブな状況を打開する「積極的」で「前向き」な行動特性=ポジティブだと考えています。
地方でまちづくりをしていくと、前例がなくて進まない、関係者は多いけど当事者がいなくて決まらない、は日常茶飯事。
積極的、自発的に行動を起こし続けないと、まわりの人たちは動きだしません。
役場や自治会など、リスクをおそれる人たちの理解を得ていくには、どんなに後ろ向きなことを言われたても、前向きに翻訳しつづけて、歩みをとめない動きが求められます。
地方にきて、まちづくりの仕事といっても、実態はイベントの設営・清掃、膨大な資料のコピー、果てしない草刈り。。
そんな労働集約的な作業を効率化して早く終わらせ、自分がやりたい楽しい仕事の時間をつくる、ってなりがちですが、ここに落とし穴があるわけで。
この作業の時間に、まちづくりのベースを整えるきっかけとヒントが溢れてる、というのがぼくの経験則です。おそらく、一般企業における事務作業とは少し様相が違うんです。
誰でもできる作業=町のいろんな人が関われるので、知りあえたり一緒に汗をかけるチャンス。変に効率化していくより、この時間をどんな意味にするか?一緒にやってる人との関係性がどうなると理想か?に頭を使ったほうが、結果的に仕事は楽しくなります。
ぼくが新卒で入社した化粧品メーカーの上司に教わったことは、いまでもぼくの仕事観の大黒柱。
仕事は楽しくやるもの。楽しみ方を見つけよう!
まちづくりの仕事で、町役場からの委託業務はグランドデザインや、廃校活用など、大規模で長期的な案件が多いです。
一方、町民として暮らしていくと、日々の課題や、自治会の課題など、解決すべき目の前のことが見えてきます。
大きなまちづくりと、小さなまちづくりと捉えることが必要で、
・どちらかだけ
・大きいのと小さいのが重なってない
ということがないよう意識をしています。
会社経営をしていた祖父の言葉で、一番印象に残っているのが
「着眼大局、着手小局」
当時、東京のベンチャー企業を経営していたとき、とても腹に落ちて、日々意識はしていました。
都農町でまちづくりをするようになって、ここでもやはり、大局観が問われるな、と痛感してます。
でも、大きなことばかりやってても、まちは変わりません。
まずは、小さなことでも、できることからどんどんやっていきながら、大きなまちづくりにつなげていくことが必要であり、ベンチャー企業の経営と本質は同じなんだなと考えるようになりました。
もうひとつ、経営で学んだことが、まちづくりにも当てはまったこと。
元ジョンソン&ジョンソンなどの経営者、新将命さんから教わったことば、『多長根』(多角的、長期的、根本的)でものごとを考えること。
まちづくりの仕事で、町長とご一緒させてもらうとき、いつも勉強になるのが、話題が経済から農業、福祉、デジタル、観光、移住など、町全体に関わることばかりで、本当に範囲が広く、ついていくのに必死になります。
つまり、まちづくりはそれだけ総合的な範囲の中で資源配分や優先順位を決めていくことなのだと、都農町にきて体感できました。
したがって、ものごとを考える際に、
・「他に選択肢はないか?」多角的な視点が問われます。・「人口政策やゼロカーボン」など、何十年先の長期的な思考力も必須・町としてそもそも何を一番大切にしたいのか、根本的な方針も不可欠
都農町のような小さな町には、まちづくりプレイヤーが少なく、新しいことへの経験値もそれほどない状況なので、何かをやろうとするときに「できる」か「できない」かを考えても始まらないし、もったいないです。
基準は常に「やる」か「やらない」か。
町で成果をあげてきた人たちの行動特性を見ると「すぐやる」。
まさに、都農町で成功するコンピテンシーと言えます。
都農町に来たからには、「すぐやる」力が身につけやすいのでチャンス。
「すぐやる」の阻害要因は「失敗がこわい」。
会社の破綻を2度体験、プロジェクトでも失敗の方が多いぼくとしては、失敗はたしかにこわいし、しないにこしたことはないけど、得られる学びもは半端ないレベル。
都心の大企業に入ると、やることが決まっていたり、細かなルールが多数あり、同期入社も多いため、失敗しようにも、自分らしいアクションを起こすチャンスそのものが少ないのではないでしょうか。
地方のまちづくりにおいては、前例がほぼないですし、ルールもない、同業のプレイヤーもいなければ、同期もいない。チャンスしかありません。
チャンスを活かして失敗するには、それを許容する町や会社があってのこと。そのことへの感謝を忘れずに、おおいに失敗をおそれずチャレンジしてほしいものです。
最後は、ぼく自身が現在進行形で意識してること。
過去の実績ではなく、未来の何を語れるか?
新卒だと、学歴ぐらいしか過去のことはないけど、年を重ねていくと、実績が増えてきて、その実績が信頼、ブランドになっていきます。
一方、地方のまちづくりで、過去の実績から入ってしまうと、どこか他の町のコピペになったり、自分自身、過去の切り売りで、新しいスキルや成長がなくなるリスクが出てしまいます。
まちづくりの仕事で大切なことは未来に向き合っていくことです。
50代も20代もなく、地元、ヨソ者関係なく、この町の未来をどれだけ語れるかで、その町の可能性に差が出ていくし、未来を語れば属性、出自関係なく、フラットで多様性のある関係ができていきます。
これから地元の人とたくさん会って、ユルフワでもいいので、未来をこうしたい!と熱く語って、少しずつ会話にしめる未来比率が過半を超えるようにしていきましょう。