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これからの地方のまちづくりで必要な3つ。 1人で突破、ジェネレーター、ドローカル。

自分が話した内容って忘れがち。後日、聞いてた人から自分が話した内容について問われたとき、思い出せなかったりするとマズイので、書きとめることにしました。

先週、奈良女子大学「根本哲夫教授の研究室」でランドスケープデザインを学ぶ学生さん向けに、まちづくりについて話す機会をいただきました。

ランドスケープとまちづくりは、重なり合う部分が多いと思っていたので、自分が「まちづくり」について必要だと思ってることを紹介しました。

1.1人で突破する力(ソース)

ぼくにとっての、まちづくりは「そのまちに住んでる人が住み続けたくなる環境・しくみづくり」としたうえで、実際に1万人の過疎地、都農町でやってみての実感。

ヤン・ゲールさんのことば

『人間の街』より何も起こらないから何も起こらず、そして何も起こらない。何かが起こるから何かが起こり、そこからまた何かが起こる

コトが起こるかどうかって、まさにこんな感じ。

まちの課題は誰が見てもあきらか。人口減少・高齢化・若者流出・・・

ではどうするか?

考えることが山ほどある。少し意地悪に言い換えれば、考えてるだけで、まちづくりしてる気になります

ワークショップとかしたら、もっとまちづくりしてる気になりますが、実際には何もコトは起こらず、変わりません。

ではどうするか?

コトを起こすしかない。

以前、町の人たちと「まちを盛り上げる、何かやろうよ!」と、話し合いを重ねてました。ただし、専門分野はそれぞれ、みんな経営者なので時間もないのでなかなか進みません。

そんなときに、メンバーの一人のことばが本質を言い当ててました。

「これまで町で何かが起きた時ってのはこんな話し合いじゃなくて、誰かバカなやつがバカなこと言い出して突っ走っていった。まわりの仲間は仕方なくそいつを追いかけて助ける」「何かが起きるときはそんな感じやないか。」

一人の力で突破する

地方のまちづくりに限った話ではないですが、スタートは「個」の力で突破する。突破するとは突き破るということ。

スタートアップというぐらいだから、当たり前ですが、関係者が多くて対象が広範なまちづくりにおいては、なおさら意識したいこと。

何かを起こそうとすると、必ず否定的・消極的なことを言う人たちに囲まれます。「こんなリスクがあるよね」と、やんわりとやめるよう諭されたり。

話し合いすると、必ず誰か慎重なこといいはじめて、多くはそっちに流れが傾きます。

なので、何かを起こすのであれば、そういうモヤーッとした膜?霧?壁?を一人で突き破っていくしかありません

もちろん、「やりたい」「面白いはず」「役に立てる」という意志を伴わないと自爆行為ですが。

ちょうど同じタイミングで読んでいた本が「すべては1人から始まる」

ソース(創造の源)は誰か?がテーマ、自分が直面している日々のまちづくりに照らし合わせながら共感の連続でした。


すべては1人から始まる――ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力
Amazonでトム・ニクソン, 山田裕嗣, 青野英明, 嘉村賢州のすべては1人から始まる――ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力。アマゾンならポイント還元本が多数。トム・ニクソン, 山田裕嗣, 青野英明 ...
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トム・ニクソン「すべては1人から始まる」傷つくリスクを負いながら、最初の一歩を踏み出した創業者のことをソースといいます。

地方のまちづくりで必要だと思うことの1つ目は「ソース」の役割です。

2.焚き付けるジェネレーター

一人で突破して、コトを起こせそうになったとして、現実には一人でできることはたかだか知れています。

仲間が必要です。

どうなったら仲間になって助けてくれるのか。

情熱を振りかざして頼み込んだとして、よほどのもの好きやお人好しならまだしも、多くの場合は、お付き合い程度、言われたことは手伝った、で終わってしまいがち。

自分の意志で、主体的に関わってくれないと、本当の意味で、継続的に一緒にコトを起こす仲間にはなりません。

そのために必要な役割が、ジェネレーターです。

ジェネレーターとは直訳すれば「発電、生成」

ファシリテーターのひとつで、自分自身が内部に入り込んで自らアイデアも出しながら一緒に参加、参加者の意見を引き出して、ゴールに導いていく役割です。



地方のまちづくりや教育で求められる「ジェネレーター」というスタイル|中川敬文|まちづくり・地方創生|note
ファシリテーションにとどまらず、 自ら一緒に参加して盛り上がりをつくる人=ジェネレーター(生成する人) のあり方。 まちづくりやベンチャー経営の現場でファシリテーションをしていると、単に 円滑に進行して参加者の意見を引き出すだけでは問題を解決できない ことが多いものです。 立ち位置を模索していたときに、前職で共同研究をしていた 慶應SFCの井庭崇さんから「ジェネレーター」というあり方を紹介 ...
https://note.com/keibun_nakagawa/n/n6f137e060a28


一方的に言うだけでは受け身にするし、引き出すだけではあたらしいことは生まれにくい

面白いアイデアで惹きつけつつ、相手が自分で考えたかのように引き出しつつ、結果的に焚き付けていく。そんなイメージです。

地方のまちづくりで必要だと思うことの2つ目は「ジェネレーター」の役割です。

3.グローバルとドローカル

3つ目は、グローバルとドローカルです。

ここ3年のオンライン普及によって、どこにいても世界中の情報がとれて、直接コミュケーションを取ることが標準になってきています。

今年の都農中学校の総合的学習の時間「つの未来学」、3年生はゼロカーボンをテーマに、IDEAS FOR GOODの編集者さんたちが常駐している、オランダ・イギリス・フランス・ドイツの4カ国からZOOMで授業をしてもらいました。

これまで、なにごとも東京経由で進めてきたことが、地方の1万人の町がダイレクトに一次情報がとれるようになってきました。

この環境を最大活用できるよう、もっと加速させていきたいものです。

グローバルとセットで考えたいのがドローカルです。

”をつけているのは、ローカルだと地方的なもの全般をイメージしてばくっとしてしまうからです。

個人的なイメージですが、ドローカルは3万人程度以下の地方。市ではなく町村イメージ。

ドローカルにこだわる理由


・人の特徴・気質がわかりやすい・情報共有がしやすい・首長との距離が近い・変えようとすれば変えれるサイズ・スピード感

1万人のまち、都農町でしごとをしていての実感です。
以前に、10万人規模の市でもまちづくりのお手伝いをしていましたが、全体的な変化の実感をもつのは難しかったです。

これからの時代、ますますスピード感ある変化が問われてくると思っていて、そのためには、サイズが小さくて、”ド”にイメージされる土着的・濃いめの風習・文化が根づいていることが重要なのではないでしょうか。

そんなドローカルがグローバルと結びつく

そのためには、まずは1人で突破することが求められます。

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