人口1万人の町、宮崎県都農町(つのちょう)で、昨年開業した「まちづくりホステルALA」の敷地に、新たにトレーラーホテルを増設しました。
20代地方女子の挑戦、トレーラーホテルが9月1日に開業!株式会社イツノマのプレスリリース(2022年9月1日 10時01分)20代地方女子の挑戦、トレーラーホテルが9月1日に開業prtimes.jp
ホステルをつくったのは、観光客狙いというより、自分たちが都農町で実践してるまちづくりのプロセスを、大学生や若手社会人で地方創生・まちづくりに関心ある人とリアルにシェアできたらいいな、という想いでした。
自分たちでやっておきながらなんですが、開業してみて驚いたのがADDressさんやHafHさんのユーザー、つまりはアドレスホッパーやリモートワーカーってこんなにいるんだ!でした。
テレワーク、リモートワーク、アドレスホッパーということばは、どちらかというとメディアでよく見るトレンドで、都農町と結びつけてはあまり想像できてませんでした(もちろん結びついたらいいな、という願望はあり)
で、実際に利用していただいてのニーズは、ZOOMやったりPC作業するスペースや環境が欲しいというもの。
もともと、まちづくりについてワイワイ話したり、町内外の人たちとの交流を念頭においてたし予算もなかったので、築20年の2階建てのホステルはドミトリー式で音はツーツー状態。
そんな背景もあり、個室で集中してテレワーク、一歩外に出れば交流、そんな環境をつくりたいなと思ってたところ、ALAの敷地の元オーナーさんが所有していたトレーラーをお譲りいただけるという話が重なって、トレーラーホテルをつくることになった次第です。
目次
- 1.ワーケーション市場
- 2.ワーケーションのニーズ
- 3.地域課題解決型ワーケーション
- 4.今後の可能性
1.ワーケーション市場
矢野経済研究所が2021年3月に公表した調査結果によると、2020年の国内のワーケーション市場規模は699億円と予測されてます。
2020年度から2025年度までの年平均成長率は約40%で推移し、2025年度の国内ワーケーション市場規模は2020年度の約5倍となる3,622億円に成長すると見込まれています。
一方、実際にどれぐらいの利用者がいるのかとみると、テレワーク経験者は40%近く、ワーケーションは6.6%とまだまだマイノリティ。
実施場所で一番多かったのは「自宅や会社から離れた観光地(ホテル・旅館・キャンプ場等)」で49%。
実施効果や感想を見ると「リラックス」「リフレッシュ」できたようで、気分転換と仕事の両立が大事ってことなんでしょう。
ALAを利用される人たちは、仕事がメインでありながら、少し息抜きでぼくらが地元をガイドしたり、一緒に食事に行ったりすることがとても楽しい!と言ってくださってるので、このデータは実感値こみで納得。
2.ワーケーションのニーズ
今後のニーズがどうなっていくのか、いまの職場ではリモートワークとワーケーション両方OKは7.5%と少数派。
両方だめなところが半数を超えているので、まだまだ障壁は高そうです。
ただし、4分の3以上は、ワーケーションを利用したいという意向で、社員側のニーズは高まってます。
企業側も、採用や定着を考えた際、あるいは同業他社との競争優位性をつくるために、今後、ワーケーションに対して寛容になっていくんじゃないでしょうか?
「ワーケーション企画入門」によれば、
ワーケーション企画入門ワーケーションの定義は、仕事と休暇を重ねることで可能になったり、価値を生み出したりするワークスタイル・ライフスタイル。企画や事業化のポイントは、ワークとバケーションが重なることで生まれる付加価値を高めること。
面白いなと思ったのは、ユーザーを個人と集団、環境を日常と隔離、接続のマトリックス
ワーケーション企画入門①個人×隔離|文豪モデル・集中して自分のしごとに取り組める②個人×接続|趣味人モデル・オフィスとつながり自分の好きな場所で好きなことをしながら過ごす③集団×隔離|合宿モデル④集団×接続|コミュニティモデル
ALAが目指す方向は、②でしょうか。
旅するように働く、遊ぶように働く人たちに向いていると思いました。
今後のニーズのひとつとして、記載があったのが、
ワーケーション企画入門ワーケーション利用者に対し、お客さんにとどめず社会課題に関わるための余白、関わりしろを残す。というところに、ALAが目指す姿との一致をみました。
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3.地域課題解決型ワーケーション
前述の社会課題に関わるための余白、関わりしろを、もう少し体系的にみてみると、観光庁がまとめてるワーケーション実施形態の分類の中の、「地域課題解決型」が近いのかなと。
ワーケーションとして利用しながら、地域関係者との交流を通じて、地域課題の解決策を共に考える、というものです。
個人としてのメリットで挙げられているのは
・地域に入り込むきっかけとなる・地域のキーパーソンや参加者とのつながりが作れる・問題解決スキルが得られる
企業としてのメリットで挙げられているのは
・SDGsの実現に貢献できる・人材育成につながる・新たな事業機会につながる
自治体としてのメリットで挙げられているのは
・地域課題の解決リソースの獲得・域外企業との関係構築・投資呼び込み・移住・定住促進のきっかけづくり
まさに個人・企業・自治体の三方よしですね!
理想論・机上の限りではありますが、ぼくらが目指す姿には近いので、これから日々チャレンジ、実践していくテーマと位置づけます。
鍵を握るのは、個人と企業、自治体を結びつけるコーディネイターの存在であり、一度訪れた個人と、継続的な関係をどう構築できるかになりますね。
4.今後の可能性
世の中の働き方が変わりつつあり、企業の福利厚生促進と、ぼくらのような地方プレイヤーが、受け入れ環境を整えていくことで、今後、ますますワーク&ライフスタイルに新しい選択肢が出ていくと予想してます。
ということで、トレーラーホテルを実際にワーケーションの拠点として利用してくれる人たちがいるのか?来てくれるのか?
定期的に続報していきます。
ご予約もお待ちしてまーす。