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「もうやめる」から「次なるステージ」へ 〜ある教育者の成長物語〜

コノセルでは「一生モノの成功体験をすべての人に」というビジョンを掲げ、その実現に向けて全社員が一丸となって取り組んでいます。 しかしこの「一生モノの成功体験」とは一体何なのか、そしてそれが教室空間でどのように生み出されているのか。 本記事ではある一人のメンバーの成長の軌跡をたどりながら、その正体を探っていきます。


教育への目覚め〜内なるコンプレックスから芽生えた想い〜

— 今日はよろしくお願いします。まずはお名前と今の役割を教えてください。

内田拓弥と申します。ずっと学習塾に勤めてきていて、コノセルに入社したのは2022年の秋になります。これまでは三鷹下連雀校の教室長として、新規教室の立ち上げに注力してきました。この春からは異動して中河原駅前校の教室長を務めながら、複数教室をマネジメントするユニットリーダーを務めています。

— 内田さんが教育に目覚めたきっかけを教えてください。

僕自身、勉強ができない劣等感を学生時代抱えていたのですが、それを隠してきてしまった人生だと思っています。例えば、英語の文法問題も、本質的には理解していないものの、この単元が不定詞の単元だから、toを入れておけばいいんでしょという感覚で点数を取っていました。

進路においても同様で、表面的にはうまくやって名前は知れている普通科高校、私立大学へ進学しました。側から見たら良さそうに見えるのかもしれないけど、自分としては「それなりの努力でうまくやったな」という感覚しかありませんでした。

自分の「わからない」から逃げずに、本気で努力していたらどんな景色が見れたのだろう

そんなことを思いながら塾講師アルバイトをする中で、ある男の子に出会いました。すごくいい子でしたが、宿題ができていないことや、わからないことを隠す姿を見て、「昔の自分と同じだ」と感じました。

「生徒たちには自分と同じような思いをしてほしくない」そう思いながら、「わからないことは恥ずかしがらずに言っていいんだよ」と自分の失敗談とともに伝えていました。

それと同時に、気づくなら可能性が無限にある今のうちに早く気づいてほしいと思ったのが教育に目覚めたきっかけです。

教育の世界への挑戦〜アルバイト先の塾の問題点に気づき、自ら塾を立ち上げる〜

— そこから教育の世界にのめり込んでいったんですね。

はい。しかしながらアルバイトしていた個別指導塾では淡々とテキストをやっているだけで、生徒の志望校に合わせたカリキュラムがない状態でした。それでも200人近く生徒がいて、その状況に自分はずっと疑問を抱いていました。そこで何を思ったのか、「自分の方ができる」と思っちゃったんですよね。

— ずいぶん活きが良かったんですね。

恥ずかしいですが、自分で塾を作ればいいと思いました。知り合いに自分で塾を立ち上げた人がいたので、その人に話を聞きに行きました。そうしたところ、その個人塾で働くことになり、後々経営を任されることになりました。

教育ビジネスの現実〜教育理念とビジネスの両立の難しさを実感〜

— そうだったんですね

ただそこは色々あって一度抜ける形になったのですが、塾を立ち上げたいという思いは変わりませんでした。そこで振り返ってみたときに、教務のことはわかるものの、ビジネスの側面を理解してなくて、経営者としては何をやればいいのかわからず、一度武者修行しようと思って、ビジネス色の極めて強い大手個別指導塾にあえて入社しました。

その塾での経験を通して、お金という指標で教室を見れるようになったのは大きかったです。生徒数が何人を超えたらビジネスとしても成立するのか、この時期にいくら売り上げればいいのか、講師の比率をどのくらいに抑えるべきかなど、一般論としての経営の部分を学べました。

一方で、教育への思い入れから、僕は当時の部長と喧嘩をしてしまいました。なぜ売上に対しては熱意を持って話すのに、生徒の成績アップには何も触れないのかと社内のオープンな場で質問をしました。当然ながら入社して半年ぐらいの若造がそんなことを言い始めたので、相当に叱られました。ただ僕には譲れない部分があって、そこから組織への違和感を抱くようになりました。

例えば講習の提案に際しては、目標売上を達成するためにどの生徒に何コマ提案するかを考えていて、生徒への価値が起点になっていないことに相当ストレスを抱えていました。

新たな教育モデルへの挑戦〜動画授業を取り入れ、新たな指導スタイルに挑戦するも限界を感じる〜

— そこから新たな教育モデルに挑戦したわけですね。

どうしようかと考えていた時に、以前いた個人塾から声がかかり、また一緒にやらないかと言われて、再チャレンジしてみることにしました。もう一度真剣に生徒への価値に向き合った時に、生徒数も増える中で、講師により授業の品質にばらつきが生まれることに大きな課題感を感じました。そこで思い切って自らの授業の動画を撮ってみることに挑戦しました。

そこからの一年間は本当に大変でした。午前中に動画を撮りまくって、午後は普通にマンツーマンで授業して、その間に授業プリントを作るみたいなことをしていました。楽しかったですが体力的にはきつかったです。努力した甲斐があって、学習成果の点では結果は出ました。しかしながら、驚くことに退塾者は増えてしまったんですよね。

—成績は上がったけど、退塾も増えたと。

そうなんです。なぜだろうと思った時に、今まで成績が上がらなかった生徒がずっと通い続けてくれたのは、この場所と人としての魅力があったんだろうなと推測しています。この先生だからついていく、みたいなところがあったんだと思います。その先生が直接授業しなくなり、学習とは別の側面の満足度が低くなって、そこで退塾が生まれたのだと思います。

今振り返ると、動画授業は作ったものの、生身の人間である講師の役割まで考えずに、自分の分身を作ることだけを目的にしてしまっていたことが失敗の原因だと考えています。さらには動画の授業に関しても、元々専門性高くやってきたわけではないので、どうしても付け焼き刃的な部分が出てしまっていました。1教室ならまだいいけれども、自分を知らない人たちに見せた時に、これが本当にコンテンツとして成立するのかと悩み、もっとこうしたいと思った時に、それを実現できるお金も人も自分にはありませんでした。残念ながら、自分の限界はここだと感じ、教育に携わるのはやめようとも思っていました。塾はおしまい、やりきったと。

コノセルとの運命的な出会い〜教育への情熱が再燃する〜

— 限界を感じ、教育の世界から離れようとしたんですね。

全く別業界に転職しようと転職サイトに登録をしたものの、僕の経歴上、届くスカウトは塾ばかり。もう塾はやらないと言っているでしょと思っていた矢先に、コノセルからスカウトメールが届いたんです。また塾かと思いながらポチポチやっていたら、塾の中でも聞いたことのない企業だと思い覗いてみました。見てみたら圧倒的なスタートアップであることがわかり興味を惹かれました。

さらに詳しくみてみると、動画授業があって、問題演習の時に先生が入るという授業スタイルで、自分が試行錯誤していた塾と全く同じ形式でした。その上設立も自分が動画を撮り始めたのと全く同じ2020年。我ながら、自分は見る目があるなと思いました(笑)

— 相変わらず活きがいいですね。

恥ずかしいですが、世の中が見えているなと思ってしまいました。僕のいた学習塾でも高校生に対してスタディサプリを使っていたので、それを作っていた人が思い立って、会社を辞めてまでやっている事業だと知り、一度話を聞いてみようと思いました。

そうしてカジュアル面談をした結果、やりたいことを強力な人材を揃えて本気でやろうとしているのを感じて、「これはまだ諦めちゃいけない」と言われているのかなと思いました。「お前がやりたいことを本気でやろうとしている集団があるのだから受けてみなよ」というメッセージだと思いました。

生徒中心の組織に感動〜コノセルの生徒ファーストの姿勢に感銘を受ける〜

— 実際入社してみてどうでしたか?

一番感じたのは、会社全体が生徒中心で動いているということです。入社してすぐの全社員が集まるイベントで、お金を管理しているCFOの立場にある人が、「教室長が1秒でも長く生徒と向き合う時間を作るために僕らはいるんです」と言われて、衝撃を受けました。会社が掲げているStudent Successを達成するために、本気で全社員が動いているのを感じました。

さらに驚いたところで言うと、教室長同士のオンラインMTGですね。教室運営の悩み事は、普通は教室長一人で解決するものだと思っていました。それがコノセルでは、例えば入会を検討している方に対してコノ塾の価値を届けるためにどう提案するか、体験授業の設計をどうするかということを、皆で真剣に話し合っていることを目の当たりにしました。年次や役職に関係なく、本当にフラットに本音でぶつかり合える環境だと思いました。

理想の教育の実現〜生徒の感謝の声に教育者としてのやりがいを実感〜

— そんなコノセルで教室長を務めて、理想の教育を実現できた瞬間はありますか?

はい、この春卒業した中3生のお話になります。結果として目指してきた都立高校の合格は果たせなかったんですが、都立本番が終わって自己採点する前に、「先生、私やりきった。やってきたことに全然悔いはないです。ありがとうございました!」と言われたのです。

受かっているかどうかもわからない、丸つけもしていない状態で感謝されたのは人生で初めての経験でした。気づいたら自分が涙を流していて、生徒たちに笑われました。

彼女がこのような言葉を口にした理由を考えると、自分自身も彼女の目標達成のために今何をすべきか、彼女の状態をしっかり見ながら、何が足りないか、どこを向上すればいいかを一緒に考え、時には褒め、時には厳しい言葉をかけながら、本気で目標に向かって伴走することができていたからだと思います。

— 素敵なエピソードですね。コノセルでは「一生モノの成功体験をすべての人に」というビジョンを掲げていますが、この生徒さんのエピソードも踏まえると、内田さんはこのビジョンをどのように解釈されていますか?

私は「先の人生で、自ら意思決定・実行ができるようになるような自信をもたらしてくれる経験」と解釈しています。多くの中学生にとって高校受験は人生で初めて対峙する大きな壁です。全部一人で乗り越えていくというのは厳しいですし、当然ながら人の手助けを受けながら乗り越えていくべきだと思います。

ただ必ずしも、乗り越える=合格する、ではないということです。志望校合格に向けて自分の現在地を知り、志望校までの距離を測り、いつまでにどのレベルまで到達すべきか決め、それを実現するために日々何をしていくのか、やったことをどう振り返り改善するのか、そういったことを考え、実行していく過程こそ大きな経験であり、結果云々ではなく、志望校合格に向けて最後に「やり切った」と思えたとき、それが生徒にとっての「一生モノの成功体験」なんだと思います。

— ついつい結果に着目しがちですが、それ以上に過程が大事だと言うことですね。

その通りです。やり切った経験をもてた生徒は、その先の人生で何かチャレンジしたいことや、新たな目標ができたときに「高校受験のあのとき、あんなに頑張れたのだから、次もできる!」という自信が出てくるはずです。そう思える人はいつか必ず結果も伴います。

また自信というと精神論っぽくなりますが、自信を裏付けるのは「再現性のある計画と行動」だと考えています。精神論や認識というより、スキルの積み上げに近いイメージです。一瞬の高揚感よりも、次もこうしたらうまくいくと思える具体的なスキルと、それに裏付けされた自信こそが大切だと考えています。

組織の中での成長〜スタートアップならではの悩みを乗り越え、組織人としても成長〜

— コノセルに入って2年弱ですが、もがいていた時期もあったと思います。今振り返ると、どうでしたか?

ストレートに言うと、コノセルに入った時に、事業も組織も未完成だと頭では理解しつつ、「完璧」を求めすぎる癖がありました。目の前に生徒がいて、やりたいのにできないことに、なんでだよと思い、組織に対しても疑心暗鬼になっている時期がありました。今思えば、もっとこうしなきゃいけないというところにばかり目が行きがちで、日々一歩ずつ事業も組織も成長しているという部分に目を向けられていなかったと思います。

そんな時、教室のマネジメントと教材制作を担っているお二人とお話しする機会を持ち、自分が思っていることを全部吐き出させてもらいました。そうして対話したところ、事業としてはきちんと改善することを目指しているにも関わらず、自分の中で「どうせできない」と決めつけてしまっていたことを痛感しました。その経験から、自分なりに背景や根本的なところを知りに行こうという意識を持つようになりました。振り返れば、これまで大きな組織で一緒に何かをやっていく経験が少なかったので、組織人として成長した瞬間でした。

— 組織で価値を生むことの難しさと大切さを学ばれたんですね。そこからのモチベーションはどうでしたか?

相変わらず自分としてこうしたい、という思いは強かった中で、マネージャーと話した時に、「自分がやりたいことがあるのはわかるが、新しいプロジェクトが立ち上がった時に、客観的にみて、今の内田さんをアサインさせたいと思いますか」と言われました。その上で、「内田さんがやりたいと思うプロジェクトや役割ができた時に、そこに選ばれる状態になっておいてほしい」とも言われました。そこからは今任されている役割に本当にコミットしないといけないと思って、気持ちを切り替えました。

— それまでは「もうやめる」とか言ってましたもんね(笑)

本当にやめようと思っていましたね。そう考えたら、長く塾業界で働く中でも、もがいてもがいて、人としてちゃんと成長した感じがします。

教育への情熱を胸に、次なるステージへ〜全社の講師育成という新たな挑戦〜

— 沈むからこそ、高いジャンプがあるということなんでしょうね。では、今後の内田さん自身の目標を教えてください。

コノ塾の講師育成に関わるプロジェクトに参画することになったので、ここで役割を果たすことが一番の目標です。生徒への提供価値にダイレクトに関わる部分ですので、コノ塾のサービスが少しでも良くなるように、役割を全うしたいです。

またこの春より校舎を異動しましたので、ここで出会う生徒、保護者の方、講師と関係を一から作って、成果を届けていくことに尽力したいです。入社してからの一年間で、社会人になってから一番成長を実感しました。それを超えるというか、今与えられている役割をしっかり全うした時に、もう一段、二段とレベルアップできるんだろうなという確信があるので、そこにチャレンジしたいです。

コノセルへ入社を検討されている方へ

— 最後に、今後どんな人と働きたいですか。

働いていて気持ちいいなと思うのは、しっかり芯を持っている方だと思います。何かこだわりだったり、目的がはっきりしているとか。人数が多くなってきたとはいえ、まだまだスタートアップなので、自分で色々考えて発信して、自分の仕事を面白くできることが大切だと思います。

— どんな人がコノセルやコノ塾教室長という役割に合いそうですか。

そうですね、成長意欲の高い人は合っていると思います。最初から営業や経理と決まっているわけではなく、教室長は教務の面のみならず、講師の採用・育成や集客など色んな側面があります。だからこそ自分次第でさまざまな領域の仕事を任される可能性があるんじゃないかなと思います。

— 入社を考えている人へのメッセージをお願いします。

コノセルは普通の会社じゃないと思います。まず塾経験者の方だったら、驚くぐらい横の繋がりがある会社です。困った時に助けてくれる人がたくさんいます。自分も散々助けられたし、その分助けてあげたいと思います。こんなにフラットに相談できる塾はないと思います。チームでやっていくというカルチャーがすごく強い会社なので、一人で抱え込む必要はなく、たとえ未経験の方でも安心していただければいいかなと思います。

— ビジョン、ミッションで始まり、最後はチームの良さに行きつくわけですね。本日は素敵なお話をありがとうございました!

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