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「リンクトは“挑み続ける姿勢”自体を肯定してくれる環境でした」6ヶ月、フルスロットルで駆け抜けたデザイナーの成長

2022年3月、製菓製パンのプロのための仕入れサービス「orderie(オーダリー)」がローンチしました。2年の歳月を要した事業構想。さまざまな領域のプロフェッショナルと共に試行錯誤を続けていくなかで、いよいよ大詰めを迎えたラスト半年、丸菱LINKedの一員として事業推進に力を尽くしたのが、デザイナーの安田浩一郎(やすだ・こういちろう)。諸事情により「半年」という期限付きの参画でありながらチームの要として活躍した安田に、福岡を去る直前の3月末にオフィスで話を聞きました。
orderie (オーダリー) | スモールビジネスのための問屋サービス
プロのためのオンライン製菓製パン材料マーケット。5000品以上の材料や、ものづくり・店づくりが深まる情報との出会いで、全く新しい仕入れ体験を。
https://orderie.jp/

デザインを手段に生き方を考えたい

元々大学でデザインを専攻してたんですけど、それも当初は軽い気持ちだったんです。なんかカッコ良さそうだし楽しそうだなって。なので初めのうちは手を動かして実際にものをつくったりもしていましたが、徐々に自分の関心がそこにはないと気がつきました。でも、じゃあ何をしたいのかはわからなくて、しばらくモヤモヤしてたんです。そんな時に今の恩師と出会い、「姿勢としてのデザイン」を知りました。ウィリアム・モリス、ジョン・ラスキン、ブルーノ・ムナーリ…色んな本を通じてその領域の巨匠たちの考え方に触れて、デザインを手段に人の生き方を考えるってめちゃくちゃ面白いなって思うようになったんですよね。

それ以来、考え方のベースとしてデザインを学びながらこの先やりたいことを模索してきました。リンクトに出会ったのは2021年の4月ごろ。Wantedlyでたまたま募集記事を目にしたのがきっかけです。

「“仕入れ”ってすごく良い問いだなと思ったんです」

まだチームに入る前に社長の宗太郎さんとオンラインで何度か1on1をしたんですけど、そこで聞かせてもらった事業のビジョンやその背景にある業界の課題って僕からすると新鮮で、すごくワクワクしたことを覚えています。なんていうか、食べることも個人店も元々大好きだけど、それでも「材料がどう仕入れられるか」なんてこれまでの人生のなかで考えたこともなかったから。

でも、だからこそ「仕入れ」ってすごく良い問いだなと思ったんです。僕自身何をするにせよまず自分のなかに問いを持つことってすごく大事なことだと思っていて、その上で「仕入れ」という問いは深掘りのし甲斐がありそうな予感がしたんですよね。なんでかってまあ直感なんですけど、とにかく「これは面白そうだ」と。

事情があって半年しか居られないことははじめから決まっていましたが、それでもやってみたいと思って元々住んでいた関東から福岡に拠点を移しました。とはいえ、今思えばはじめのうちはまだ外野席で眺めているようなスタンスでしたね。「宗太郎さんとこのチームがつくろうとしてる世界を見てみたい」…って、なんか他人事っぽくないですか?

過去には業務委託で複数の会社と仕事をしていた時期もあって、そういう時の僕は「依頼主が抱えてる課題をデザインで解決する」ことが己の役割だと考えていました。つまり、基本的には相手次第のスタンスで、「自分がどうしたいか」という意識は当時なかった。「僕はあなたの課題を解決をするための存在ですよ」って、常にちょっと離れたところから俯瞰していたような気がします。目の前の相手の期待に応えたり、その期待を超えるために考えていくことは楽しかったし、そこにはやり甲斐を感じていたんですけど、それでもあの時はまだ仕事というものを自分ごとにしきれてなかったなと今振り返ってみて思います。

挑戦者を応援する環境で見つけた新しい自分

リンクトって、人の成長をすごく大切にしてくれる環境なんですよ。だから僕も変われました。この半年で、自分でも驚くくらい“自分主体”の人間になりましたね。

これに関しては本当に色んなことがあったけど、特に印象的だったのはサービスのブランド戦略構想。外部パートナーのデザインチームとサービスのUI/UX設計について考えていく過程で、議論が停滞して三歩進んでは二歩下がるような状況が続いていた時期があったんです。当時はブランドのコンセプトについて話をしていたんですけど、良いコミュニケーションができてないなー、と個人的にも内心焦りがありました。

デザインチームの皆さんはすごく優秀で、毎回めちゃくちゃ面白い提案をしてくれます。だけど、なんか違うんだよなあ…って。この「なんか違う」に関しては個人的にも反省があって、当時の僕たちは「提案されたものに対してジャッジを下す」というのが基本姿勢になってしまっていたんです。イメージとズレがある部分に対して具体的な策を返すでもなく「なんか違う」を繰り返して、それを汲み取ってもらって良い方向に修正していく努力は「あのチームならきっとどうにかしてくれる」と、期待するって言えば聞こえが良いですけど、要は丸投げ。たとえその領域を任せるパートナーとして業務を委託していたとしても、当事者は誰でもない僕たち事業者側のはずなのに、それってマズいですよね。

そんな時にある人が「じゃあ皆で決めたらいいんじゃない?」って言ってくれたんです。どっちが事業者でどっちが受託側とか、どっちのほうが実力があるとか、そんなことは関係ない。皆で考えれば一番速く一番良い答えにたどり着くじゃんってことだと思うんですけど、煮詰まった会議中に放たれたその一言にハッとしたことを覚えています。

その後、リンクトの代表として僕とメンバー数人で一週間フルに使ってブランドコンセプトの構想を練りました。毎日朝から晩まで悩んで、他のメンバーにも壁打ち相手になってもらって…答えを教えてくれる人は誰もいないので、がむしゃらに考えてはアウトプット、の繰り返し。

宗太郎さんたちの食事の席に乱入して夜中にプレゼンを聞いてもらったこともあります(笑)。とにかく必死でしたね。

あのやり方が正しかったのかどうかは、今でもわかりません。もっとうまいやり方があったのかもしれない。だけど、仮にそれが正攻法じゃなかったとしても、リンクトは「挑み続ける姿勢」自体を肯定してくれる環境でした。好きなようにやってみな!って。むしろ「こっちのほうが話が早くまとまるんじゃないか」とか空気を読んで気持ちを押さえたりする方がよほど厳しいことを言われます。

それに、リンクトには各領域の第一線で戦うパートナーがいます。僕たちがどれだけ好き勝手やって万が一その場を大きく掻き乱してしまったとしても、本気でやればそれを受け止めて応えてくれる懐の深いカッコイイ大人がたくさんいるんです。だからこそ、好きにやれる。こんな贅沢な環境ないですよね。

そんな経験を通じて、いつの間にか僕自身がこの事業の当事者になっていました。「僕はこうあるべきだと思う、だからこうしたい」って、はっきりと口にできるようになったんです。社長がこう言ってるとか、周りのムードも関係なくて、この事業のことを本気で考え抜いた僕個人の主体的な意志で戦えるようになった。リンクトに入って、本当に変わりましたね。

ものづくりから体験づくり、そして事業づくりへ

昼礼でどんな話をどんな風にするか、1時間のミーティングを45分にしたら組織はどう変わるか、どんな大きさのホワイトボードをどこに置くとコミュニケーションが活発になるか。大なり小なりその一つひとつの判断が人の行動を変えるし、それぞれの考え方やアウトプットにも影響を及ぼします。経営者である宗太郎さんと対話していくなかで自分がこれまでやってきたデザインという領域と事業創造の重なる部分を感じるようになって、デザインを超えて事業をつくる面白さにも気付かされました。

こんな経験をさせてくれた宗太郎さんとチームの皆には感謝しかないです。まだ入って数ヶ月、どこの馬の骨かもわからない、なんなら半年で抜けることが決まっていた僕に、責任のある大事な仕事を何度も背負わせてくれた。その責任の重さがあったから、本気で自分ごとにできたし、最後の最後まで考え抜けたんだと思います。

悩み苦しんだことも沢山ありましたが、それを上回る楽しさに満たされ続けた半年でした。この先リンクトのメンバーになる人には正直嫉妬すると思いますけど(笑)、リンクトの皆がこの先もどんどん変化して成長していく姿を応援しています。

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