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Findy Team+ Award 2023を受賞!主役は現場のエンジニア 開発生産性向上の取り組みとその裏側
2023年10月、KINTOテクノロジーズは「Findy Team+ Award 2023」を受賞しました。この賞は、開発生産性向上に関して、優れた取り組みを行った企業などに贈られるものです。特に、グローバルプロダクト導入グループとモバイルアプリ開発グループが高スコアを記録しました。開発生産性向上の秘訣を、グローバルプロダクト導入グループの水野さん、モバイルアプリ開発グループの日野森さんにお伺いします。
■ 水野 グループマネージャー(グローバルプロダクト導入グループ)
20代でWeb開発エンジニアとしての経験を積み、基幹システムを扱う企業へと転職。ERPの導入に関するプロジェクトマネジメントやコンサルティングを、その後10年ほど経験した。事業・プロジェクトの全体を俯瞰できる開発やマネジメントに関わりたいと思い、車のメーカーでの仕事に興味があったことから、2021年3月にKINTOテクノロジーズへ入社。
■ 日野森 アシスタントマネージャー(モバイルアプリ開発グループ)
ドコモ「iモード」内のゲーム開発からモバイル業界に携わり、スマートフォンの登場をきっかけにiOSエンジニアへと転向。その後、10年以上の経験を積み2021年7月にKINTOテクノロジーズへと入社。KINTOテクノロジーズにおけるモバイルアプリ領域の内製化に、初期から関わっている。
無駄を省き、抜本的改革を目指してトライ&エラー
―最初に、お2人の所属しているグループや、グループ内での役割を教えてください。
水野:グローバル開発部のプロダクト導入グループで、グループマネージャーをしています。入社後は、日本KINTOの中古車リースのシステムを構築するプロジェクトにおりましたが、2021年11月にグローバル開発部プロダクト導入グループへと異動してきました。このグローバル開発部は、各国のKINTOビジネス展開が迅速に行えるように、ID・グローバルアプリ・デジタルクーポン・バックオフィスなどのプロダクトをワンストップの形でプラットフォームとして開発を担い、KINTO及びトヨタファイナンシャルサービスの世界展開・拡大をテクニカル面からサポートしています。
日野森:私はモバイルアプリ開発グループで、アシスタントマネージャーをしています。役割としては、世間一般でいうエンジニアリングマネージャーのような立ち位置です。このグループは、KINTOテクノロジーズのモバイルアプリ開発を全て担うエンジニア集団で、開発後の継続的なメンテナンスも受け持っています。
―お2人が入社された当時、各グループはどのような状況だったのでしょうか?当時から開発生産性向上に向けての取り組みはありましたか?
水野:当初は、今私がいるグループの前身である、グローバルKINTOの「グローバル開発グループ」に配属されました。その頃はアジャイル開発を掲げているプロダクトがいくつかあったのですが、どれもアジャイル開発にはなりきれておらず、無駄が多い形になっていました。また、開発の方法やボリュームなどさまざまな問題があり、1スプリント2週間では全く終わらないような状況でした。そのため、まずはしっかりアジャイル開発の形を踏襲して、一人ひとりがコストや生産性を考えながら動く姿勢を浸透させたいと考えていました。
日野森:当時、モバイルアプリ開発を基本的に外部パートナーへ依頼しており、かなり短期的な開発体制になっていました。内製化を目指していたものの、モバイルアプリの知見が社内にほとんどなく、エンジニアもいなかったため、パートナーへの指示方法もよく分からない状況でした。その状況を根本的に変えたいと思い、前職で得た知見やX(旧Twitter)で見つけた知見を活用しながら、私が主導でトライ&エラーを進めていきました。
自由な社風を最大限活用し、開発生産性を向上
―開発生産性向上のために、どんなことに取り組まれましたか?
日野森:githubの自動化やコーディングルールとプルリク生成ルールを厳格化を実施した上でプルリクエスト(以下、プルリク)に関して、レビュアーに対して敬意を払うよう、メンバーの意識改革を行いました。
水野:私のグループでもプルリクはかなり量があって、2週間のスプリント内に数十件発生していました。チームリーダー、社員それぞれがこれを見逃さないようにチェックするなど、地道な努力を積み重ねていった結果、少しずつ成果が出てきましたね。KINTOテクノロジーズが手掛けている開発の一部は、パートナーに依頼しています。するとプロダクトによっては、ウォーターフォールに近いやり方になるチームも出てきてしまいます。保守運用チームでは、パートナーともコミュニケーションを毎日とりながら、アジャイルに近い方法で開発を進めることにしました。
また、上記のプルリク生成ルールに則っているか?ユニットテストのカバレッジは満たせているかを静的解析していたり、TestFlightへの自動デプロイを行なっています。「効果的だ」と思ったツールを手軽に試させてもらえる社風があるからこそ、こうした取り組みが効果を発揮できるのだと思います。
KINTOテクノロジーズは、割とどこのチームでも、ある程度自由に取り組ませてくれますよね。私たちくらいの中間層の人間が、ある程度ルールを決めて運用できる点は、とてもいいところだと感じています。また一部パートナーに依頼しており、業界全体的に人の流動がありますので、エンジニアの皆さんが使うGitHubの自動化や割と厳しめのルールを策定しています。ルール化というより仕組み化に近いのですが、なるべく自動化して問題解決できるよう取り組みを進めました。
―取り組みにおいて、重視していたことはありますか?
水野:パートナーにお願いしているプルリクの範囲が膨大になっていたこと、それが常態化していたことから、取りこぼさないよう1週間で対応可能な量にプルリクを分割して、均一化しました。そして、それぞれを細かく見ていくフォローすることを重視しました。また、共通のチームがプロダクトを横断して処理を行っているため、共通するリポジトリやプルリクを把握したりチェックしたり、というフォローもリーダーたちに任せました。
日野森:私たちのグループでは、先程のルールをやや厳しめに設定しました。だいぶ見込み通りに進んでいると思いますが、新しくチームに参画してくれた方には、少しナレッジコストがかかってしまっている印象も多少あるため少し悩むこともあります。
水野:また、今回解析ツール「Findy Team+」を活用し、問題点を可視化するようにしました。その結果、私のプルリクの滞留時間がとても長いことが見える化しました。「なんとなく時間的に余裕がない」という問題の原因が可視化された結果、今はプルリクに細かくフォローを入れるようになっています。
問題の可視化で得たプランニング精度や開発スピードの改善などの恩恵
―開発生産性向上に取り組んだことで改善したことや副次的な効果はありましたか?
水野:保守運用チームでは適切なスプリントプランニングができるようになってきました。チームリーダーがプルリクのフォローやレビュー件数の確認を地道に行い、それをもとにスプリントプランニングを行うようになったからだと思います。それまではプランニングが推測に基づくものだったため、目標に到達していないことが多かったのですが、先月の終わりごろからかなり目標に近づくようになりました。副次的な効果としては、これまで「コストや納期がオーバーしても仕方がない」という空気があったのですが、それがだいぶ改善されてきたことです。
日野森:開発のルール化に伴い、メンバーが早くチームに馴染んでくれるようになり、パートナーに依頼する比率が100%から、20%ほどに減少しました。ルール化した分ナレッジコストはかかりますが、一回慣れてしまえば、ルールに沿って動くことである程度のクオリティを出せるようになります。それが、メンバーの早期活躍の秘訣になっているのでしょう。
属人化やコミュニケーションギャップを解消するための試み
―現時点での課題や、開発生産性向上について取り組みたいことはありますか?
日野森:チームの約半分が外国籍の方であるため、日本語が母国語ではない方とも、スムーズにコミュニケーションを取れるようになりたいです。2024年には、GitHubでプルリクの要約機能がリリースされると聞いているので、そういう機能やAIを上手く活用していきたいです。
水野:業務の属人化を脱していきたいです。まだまだ解決していないことがたくさんあり、特に保守運用チームについては、リーダーの地道なフォローが功を奏していますが、かなり属人化してしまっているのも事実です。今後もチームごとの状況に合わせて、少しずつ生産性を上げる必要があると考えています。
高くアンテナを張り自発的に動く姿勢が、受賞に繋がった
―今回の「Findy Team+ Award 2023」受賞において、どんな観点が評価されたと感じていますか?
日野森:モダンな開発にアンテナを張る文化と、意識づけができていた点だと思います。例えば、モバイル関係の大きなカンファレンスがあると、メンバーはかなりの比率で自発的に参加しています。そこでキャッチアップした内容が、「あの時の内容、ここで使えない?」という発想に繋がることが結構ありますね。あとは、輪読会やカンファレンス動画の見直しなど、グループ内の勉強会も活発に行われています。こうした自発的な勉強文化が少しずつできている気がしますし、なかなか他社にはない文化だと感じています。
水野:国内外問わずいろいろなバックグラウンドの方が集まり、それぞれの視点で課題を見つけながら取り組める点です。「KINTOテクノロジーズに入るために、海外から来ました」という方もいて、例えばEUや中国、インドから来た方もいます。特に外資系企業で働いていたメンバーは、これまでの会社で経験してきたことを自発的にシェアしてくれて、KINTOテクノロジーズの現状と比較しながら取り組んでくれます。こうして幅広い意見を取り入れていけるのは、KINTOテクノロジーズならではの強みだと感じます。
変革期を楽しみ、モダンな開発を追いたい方におすすめの現場
―最後に、採用候補者の皆さんへメッセージをお願いします。
水野:今後は、ITだけでなくビジネスにも興味がある人が、評価されていくと感じています。さまざまな国との接点を持ちながら仕事を進めていく中で、私たちの取り組みもかなり変わってきているからです。最近はカーリースに力を入れていくため、これまで以上にITの力を取り入れる必要が出てきています。もしKINTOテクノロジーズに興味をお持ちであれば、ITだけではなくリースやカーシェアへの関わりも考えてほしいです。そして、まだ変革期にあるという現状も楽しめる方に、ぜひ入社いただきたいです。
日野森:モバイル業界の歴史はまだ浅いため、エンジニア歴がそこまで長くない方でも問題ないと思います。そんな中、モダンな開発にキャッチアップしていきたい方にはおすすめの現場だと思いますので、そういう方はぜひ一緒に働きましょう。