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【社員インタビュー】酪農から農業への転身。自分が食べるものを自分で育てる日々はかけがえのない体験。

長野の大地で米づくりに情熱を注ぐ、信州ファーム荻原の細田敦也さん。北海道での酪農を経て、現在は日本人の主食であるお米の生産に携わっています。農業の枠を超えた幅広い経験を持つ細田さんに、農業への想いを伺いました。新たな環境で自然の尊さを感じながら、おいしいお米作りに邁進する。

◾️プロフィール
細田 敦也(ほそだ あつや)
東京都出身。情報系の大学卒業後、北海道で酪農を営む企業へ入社。4年経験した後、生き物だけでなく植物を育てることにも興味を持ち、長野県の信州ファーム荻原へ転職。

体を動かすことが好きで、若いうちに強い忍耐力を身につけることを意識

これまでの細田さんについて教えてください!

信州ファーム荻原には去年の6月に入社したので、まだ入社して1年目で11ヶ月になります。

子供の頃は、野球やサッカーなどいろいろなスポーツをして活発な少年でした。どれか一つに特化するというより、その時その時の興味で夢中になれるものを見つける、といった感じでしょうか。中学ではサッカー部、高校では体操部に所属し、勉強よりも体を動かすことが好きで、文武両道とまでは言えませんでしたが、常に体を動かしていたい学生でした(笑)

現在は主に、農業機械の操作とその補助的な作業を担当しています。もともと機械いじりが好きだったので、トラクターなどの大型機械を扱えるのは、この仕事の醍醐味の一つですね。


信州ファーム荻原と出会うまではどんな経験をされていたんですか?

高校卒業後は、情報系の分野に興味を持ち、関連する4年制の大学に進学しました。プログラミングなどを学んでいました。ただ、どうも自分には向いていないと感じていて、もっと体を使った第一次産業のような仕事がしたいと考えるようになりました。そんな中、新卒で北海道の酪農の会社に就職を決めました。

実家が東京なので、遠くまで行きたいというのもありましたが、とにかくできるだけ厳しい環境で自分を試したかったんですよね。酪農の仕事は想像以上にハードで、休みの少なさにも悩まされましたが、働きながら次第に農業の魅力に気づかされていきました。

ただ、やっぱり想像以上に過酷な労働でしたね。一年中休む間もなく働き詰めで、心が折れそうになることもありました。でも、牛たちの命を預かる責任の重さは、私を強くしてくれました。

早朝の搾乳から始まり、エサやり、牛舎の清掃、そして翌日への準備。一日の大半を牛たちとの触れ合いの中で過ごす。命のサイクルに寄り添って生きることの尊さを、身をもって学びました。

4年間勤めた後、家畜ではなく植物、もう少し実家に近いところで米か野菜づくりがしたいと考えるようになり、農業求人サイトでいくつかの法人を探してみたところ、信州ファーム荻原に出会ったんです。

酪農から農業へ転身した理由とは

ズバリ、信州ファーム荻原に入社を決めた理由を教えてください

正直申し上げて、特別な理由があったわけではありません。

ただ、縁を感じたのは事実です。一度きりのWeb面接で、荻原社長から「うちに来てくれたら嬉しい」と言っていただいたのが印象的でした。

あとは、メンバー同士の仲の良さが募集要項からも伝わってきて、人間関係が良好な職場なんだろうなと直感しました。アットホームな社風に惹かれた部分は大きいですね。それと北海道よりも長野の方が住みやすいイメージがあって、実際来てみてもやっぱり利便性が高くてよかったです。


入社してから今までで大変だったことについて教えてください。

酪農とはまったく異なる稲作の世界に飛び込んだので、入社当初は何をしていいのかわからない日々の連続でした。初めての田植えシーズンは、目まぐるしく忙しい農繁期真っ只中。ひたすら言われたことをこなすだけで、自分の成長なんて考えている暇もありませんでしたね。

変なこと言うと、生き物を育てる仕事をしてたので、まあ植物になったらちょっとは楽になるかななんて安易に思ってたんですけど、全然そんなことはなくて。
農繁期は目まぐるしく色々が変わっていく感じで、初めてのこともありつつだったので、これは前より大変だというのはすごく実感しています。

牛の場合は、だいたい1週間周期で同じような作業が繰り返されるんです。
搾乳したり、牛を移動させたり。1ヶ月を通して規則正しいサイクルが回っていく。だから、何度も同じ仕事をやっていれば、自然と要領も掴めてきました。

一方、米作りは、1年がかりの営みなんですよね。
田植えにしろ、稲刈りにしろ、1シーズンに1回しかない作業が多い。同じことの繰り返しができないから、なかなか要領を掴むのが難しいと感じます。
覚えることも多くて、機械の扱いにしても一つひとつの動作を体で覚えるしかない。トラクターの運転も田植えも、たくさんの数をこなせるわけではないので難しいですね。現場の感覚を身につけるには、もう少し時間がかかるのかなと思っています。

そんな中で一番大変だったのは、夏場の草刈り作業ですね。
炎天下の中、1日中草刈り機を振るうという、終わりが見えない作業の繰り返しに、体力的にも精神的にも何度も限界を感じました。

でも、北海道時代を通して学んだ教訓があります。
「3年は絶対にやり通す」という意志を曲げないこと。たとえ自分に合わなくても、よっぽどのことがない限り簡単に辞めるものかと。そう自分に言い聞かせて、ただただ頑張ることに専念しました!

農業を経験してはじめて感じたやりがいとは

細田さんが農業でやりがいを感じるのはどんな瞬間ですか?

自分たちで自分たちの食べ物を作っているという実感です。自給自足の理想郷とまでは言いませんが、自分の手で育てた作物を食べられるというのは当たり前のようでとても難しいことだと思うので、本当にやりがいのある体験ですね。日々の苦労が報われる瞬間であり、農家としての存在意義を感じずにはいられません。

お米一粒がどれほどの手間暇かけて作られているか。

収穫の喜びを知るまでは、私も他の多くの人と同じように、その深い意味を理解していませんでした。いつでも当たり前のように食卓に並ぶご飯の尊さを伝えていくことも、これからの私の使命だと考えています。


石垣島での経験もかなり大変だったのではないでしょうか?

ゼロからのスタートで、右も左もわからなかったので、、、

品種の選定一つとっても、気候風土の違いから、長野とはまったく勝手が違いました。害虫の対策も手探り状態で、何が正解なのかわからないまま、ただひたすらに作業をこなす毎日でした。

特に印象に残っているのは、鴨に苗を抜かれてしまった時のことです。
補植といって、抜かれたところに手で苗を植え直す作業が必要になるんですが、これが本当にしんどい作業で(笑)。泥まみれになりながら、腰を折りそうな重労働で、しかも雨の中という…。
もうぐったりするほど過酷でしたね。

でも、昔の人はみんなこうやって手作業で稲作をしていたんだと考えると、先人への尊敬の念が芽生えてきます。彼らに比べれば、機械の助けを借りられる現代は楽なもんだ。そう自分に言い聞かせて、なんとかモチベーションを保ちました。

振り返れば、北海道、長野、沖縄とさまざまな土地で農業を体験できたことは、掛け替えのない財産になってます。水稲栽培の一連の流れをつかめたのは大きな収穫です。過酷な環境で鍛えられた忍耐力は、これからの農家人生に必ず生きてくると信じています。

「細田に任せておけば大丈夫」と言ってもらえるような存在に

細田さんの今後の目標を教えてください。

何より、一人前の農業者になること。圃場の管理から収穫まで、すべての工程を任せてもらえるレベルに早く到達したいです。「細田に任せておけば大丈夫」と周りから信頼される存在になることが、当面の目標ですね。

そのためには、若手を育成する立場にも積極的に関わっていきたいと考えています。自分が苦労して身につけたことを、少しでも後輩たちに伝えていけたらと思います。自分ももちろんまだまだなのですが、経験を次の世代に橋渡しできたら、それは自分にとっても大きな糧になると思っています。


最後に、農業を始めることや信州ファームに入社することを悩んでいる方へ、一歩踏み出せるような一言をお願いします!

農業をするしないに関わらず、好奇心を大切にして欲しいです。「未知のことにチャレンジする勇気」それがあれば、きっと道は拓けるはずです。

信州ファームには、農業系の学校出身者は半分もいません。みんな異業種からの転職か、農業をゼロから始める人ばかりです。だから、知識や経験の有無を気にする必要は全くないですよ。

スタートラインに立てば、誰もが対等です!

農業は、ロマンあふれる仕事だと私は思います。自然と向き合い、命を育む。その過程に関われる喜びは、他の何物にも代えがたいです!

少しでも興味がある方は、ぜひ一緒に頑張りましょう!

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