2023年、八百鮮の新年がスタート
八百鮮の成長を加速させた名古屋2号店
「ホームセンターとの併設店舗をやってみないか。」この言葉から2023年の八百鮮はスタートした。
商店街へ出店を続けてきた我々にとっては、新しい出店形態はまさに挑戦。不安もあったが、とにかく新しいことへの挑戦が大好きな僕は、ホームセンターとの併設店舗…是非やってみたいと二つ返事で新店舗立上げを決めた。
名古屋で2号店目をやりたいとずっと言ってきたので、場所が名古屋であったことも後押しした。
即断即決即実行が、八百屋の重要スキル。これは社長も同じ、僕は決めたらすぐやる。
さっそく2月のオープンにこぎつけた。
2023年を振り返ってみると、新店舗の立上げが一大イベントだったなと思う。
初日からおよそ600万の売上をつくることに成功し、
翌日も500万を超え…大成功となった。
ビジョンにある通り、八百鮮は60億を達成することを目標にしている。
ビジョン策定時は30億だったから、5ヵ年で倍にする計画だ。
そのためには、破壊力のある店舗展開が必要だと踏んで、ビジョン策定後に2021年に空堀店、そして、2023年には名古屋北店(ホームセンターコーナンとの併設店舗)を立ち上げた。
この2店舗は、思惑通り破壊力のある売上を上げてくれて(2店舗で20億)、売上は2023年はついに50億を超えた。
そして、既存店も堅実に売上を伸ばしてくれたおかげで、経常利益はついに1億5千万を超える勢いだ。
前年は9000万ほどの利益だったことを考えると大きく伸ばすことに成功したのではないかと思う。
2023年はまさに実りの年となった。
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この業界では経常利益率が3%を超えると、超優良企業と言われている。
3%をビジョンに掲げてきたこともあり、2023年12月を終えた時点で3%をついに超えて、心から嬉しく誇りに思った。
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八百鮮の成長を加速させたのは若手社員
2023年の大きな成長の原動力になったのは、何といっても社員たちの成長だった。
新卒で入ってきた社員の中には、入社半年足らずで仕入れをすでに任されている者も現れたし、当社が新卒採用を本格スタートさせた20卒~22卒の社員たちの中からはチーフ職に就任し、ひとつの部門を任せられるものもたくさん出てきた。
( ↑ どうしたらもっとお客様に手に取っていただけるか、を部門の垣根を越えて試案中)
みんなの頑張りのおかげで新店を短期間に展開することができたし、破壊力を付けることができたと確信している。
中途採用では、ビジョンに共感して、同業種から転職してくれる人もたくさんいて、マニュアルに縛られた仕事から脱却し、八百鮮らしく自由な商売環境を手に入れて、力をいかんなく発揮してくれている。
これからの八百鮮に社長として期待していることは、まさに社員の成長だ。
あえて属人化を良しとする、八百鮮スタイル
バイヤーを持たず、プロセスセンターも持たない八百鮮のスタイルは、同業界の中では異質。各店舗ごとに仕入れをすべて一任し、商品化のプロセスもすべて店舗単位で完結させている。仕事は属人化する部分が大きくなるが、それを良しとしている。
仕事の標準化を進めすぎたこの業界は、どのスーパーに行っても同じようなものが、同じような値段で、同じような陳列で売られているという面白くない店舗運営になってしまっている。
マニュアルに縛られ、値段は自分で決められない、陳列を自由に変えることもできない、値引きにも一定のルールが設けられてしまえば…働く側としても面白くない。
僕は、これでは商売人は育たないと思っている。
あくまでも八百鮮がやっていきたいのは商売だ。組織人を育てるつもりはない。
何をいくらで仕入れて、何ケース売るのか。
いくらの値段で、どこに並べて、どうやってお客様にアプローチするのか。
これはまさにガチなマーケティング。店舗運営をしながら、お客様の生の声を売場に反映させていく仕事こそ商売の醍醐味であり、商売にとってこれ以上に重要なことはない。
それが現場レベルでできるように権限移譲を進めることで、属人的にはなるが、モノを売るという商売のセンスに長けたものを輩出していくことができる。
そして、その商売のセンスを有したものが現場にたくさんいるという事実こそ、他社との圧倒的な差別化につながると思っている。
これから、市場環境はますます厳しさを増すと言われている小売業界において、僕がこの業界に大きな可能性を感じているのは、あくまでも人の可能性にかけているに他ならない。
これから先も、独自のスタイルを貫いて、優れたスーパーをつくるのではなく、異なる商売人集団を形成することこそ、八百鮮に期待していることだ。
( ↑ 店舗壱武道会(12月の売上利益・利益を競い合う八百鮮社内企画)の表彰式。賞金総額は50万円)
加速を続ける八百鮮
2024年は神戸に3店舗の新規出店を決めている。
現状苦しんでいるスーパーとの事業譲受契約を結び、3店舗を譲り受ける形となっている。
課せられたミッションは、売上を倍増させて、黒字化することだ。
事業を八百鮮スタイルに転換し、屋号も八百鮮に変更し、黒字化どころか優良店舗まで持ち上げるつもりだ。神戸への進出を果たした先には、60億の達成はもちろんのこと、70億をたたき出すビジョンを超えたビジョンを描いている。
こうして、毎年のように挑戦を続けていくことで、八百鮮最大のビジョンである「八百屋を、日本一かっこよく。」という夢を実現していきたいと思う。
( ↑ 3か月に1度は各店の代表者が集まり、ビジョンや今後の施策・現状を共有)