令和2年7月豪雨で被災した企業経営者が伝えたい、災害時に大切な3つの必要性|瀬崎公介/KousukeSezaki|note
7月4日未明に熊本県南部を襲った豪雨。球磨川水系が広範囲に渡って氾濫し、人吉市を始め球磨村や八代市など甚大な被害となりました。熊本南部豪雨に際し被害を受けられた皆様やご家族、関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。 ...
https://note.com/irukaoyaji/n/n54cb6e7b61e0
※この記事は当社の代表瀬崎のnoteからの転載となります。
私のnoteで度々お伝えした観光複合施設”HASSENBA"について。正式な開業日が令和3年7月4日に決定しました。令和2年豪雨災害からちょうど1年での開業となります。これまでの苦労はnoteでずっと書き続けてきたので、今日は明るくどんな施設になるかをご紹介したいと思います。再開までの経緯はこれまでの記事をご覧ください。
観光複合施設”HASSENBA"の施設名の由来は球磨川くだりの出発場所である”人吉発船場”から。遊覧船が出発する場所だから発船場なんですが、今回、壊滅的な被害を受けた人吉発船場をどう再建していくのか。再建チームのメンバーとアイデアを出し合いながらコンセプトを決めていきました。
今回のブランディングの中心となったのが”PREODESIGN”代表の古庄真吾さん。私の経営する2つの会社”シークルーズ”と”球磨川くだり”両社のWEBサイトも手掛けて頂いている私の大切なビジネスパートナーです。HASSENBAがこれまでの川下りやラフティングなどのアクティビティの受付メインの施設から、飲食部門や物販部門も兼ね備えた複合施設としての再開が決まり、新たなコンセプトが必要となりました。そこで古庄さんから提案があったのが下記のコンセプト。
このコンセプトを見た瞬間、鳥肌が立ちました。
”俺の想いをパーフェクトに言語化してくれた!”と。
流石ブランディングのプロであり、長い付き合いの中で私の考え、球磨川くだり再建にかける情熱、人吉球磨の復興にかける想いを本当に理解して頂いてるんだと心の底から感じ嬉しくなりました。この3つのワードには勿論明確な意味があって、詳細は下記の通り。
「発見」
人吉球磨の新しい魅力を発見する場。
球磨川下りの文化を守りつつ、これまで地元の人ですら見落としていた価値を発見し人吉球磨の魅力ある街づくりに貢献する。
「発信」
人吉球磨の新しい魅力を発信する場。
自然、文化、食などで新たに見出した価値を県内外に発信し
人吉球磨のPR に貢献する。
「発展」
人吉球磨の新しい魅力を発展させる場。
球磨川下りだけではなく食やアクティビティを楽しめる場にすることで
人吉球磨の観光や地域の在り方を発展させる。
読んで頂くだけでHASSENBAの目指す方向性が理解できるとても素晴らしいコンセプトとなっています。
HASSENBAの設計・デザインを担当してくれたのがリノベーション業界では知る人ぞ知る北九州の設計事務所”タムタムデザイン”代表の田村晟一朗さん。リノベーションオブザイヤーの総合グランプリを2度も受賞している凄腕の建築士です。そして建築・施工管理を担当したのが熊本市にある建築会社”ASTER"代表の中川正太郎さん。当社のアパートメントホテル”SEACRUISE HOUSE NAVIO"も手掛けて頂いている旧知の中です。九州リノベーション業界のリーダー的な存在の2人がタッグを組んでHASSENBAの改修に取り組んで頂いています。
デザインは当初リゾート風の案もあったのですが、人吉城址の目の前にある立地、日本遺産に認定されている歴史・文化を大切にする人吉球磨地域に相応しいのは”和+モダン”のコンセプトだろうとなりました。
人吉発船場は築30年以上というだけでなく、経営難だったことでメンテナスをほとんどやっていなかったこともあり傷みが目立っていました。そこに水害で建物が1.2mの浸水をしたこともあり、厳しい条件でのリノベーション工事となりました。しかし、2人は流石リノベーションのプロ。条件が悪い建物ほど燃えてくるというマニアックな嗜好を存分に発揮し、私の希望をどんどん具現化してくれました。
今回の私のリクエストは次の3点
①晴れの日中でも暗い建物だったので明るく
②和風だけどモダンでカッコいい
③人吉市内随一の眺望を誇る立地を生かしたい
その中で田村さんから”川側はカーテンウォールを取り入れ、屋根の一部を切り取ってテラス席を作りましょう”と提案がありました。カーテンウォールはすぐにイメージできましたが、屋根を切り取ったテラス席は正直びっくりしました。しかし、パース図を見ると”なるほど。これは確かに眺めが良さそうだ”と理解できました。発船場は人吉城址の木々から四季を感じることができ、春は桜、秋は紅葉を楽しむこと出来ます。また、夏は恒例の花火大会を観覧するのに最高の場所。その立地のポテンシャルを最大限に発揮できるのがテラス席な訳です。やはり一流の建築士は凄いですね。地元の人間でも思い付かない様なアイデアを提案してくれます。
完成間近となったHASSENBAですが、パース図を遥かに超える仕上がりとなっています。あまり詳しい写真をあげると皆さんの楽しみが減ってしまいますが、本気で素晴らしすぎる建物になりましたので、宣伝したい気持ちが抑えられません(笑) 少しだけ紹介させていください。
2階テラス席からの眺望。雨の日に撮影してもこのクオリティ。
カフェキッチンからも素晴らしい景色が広がります。
HASSENBAのプレスリリース後、最も反響が大きく地元の皆さんが楽しみにしているのが”九州パンケーキカフェ人吉HASSENBA店”。九州パンケーキとは九州の素材にとことんこだわったパンケーキで、生みの親は”一平ホールディングス”を率いる九州随一の起業家”村岡浩二”さん。著書”九州バカ”でも書かれている通り、誰よりも地元九州を愛し一部の方からは通称”九州国王”とも呼ばれています。村岡さんとは共通の知人でもあるまちづくり専門家”木下斉”さんを通じて知り合い、実は水害直前の6月末には人吉での九州パンケーキカフェの具体的な構想を立ち上げる準備をしていました。
その中で被災し、一旦は白紙になったのですが人吉発船場の再建を目指す中でやはり施設の核になるのは九州パンケーキカフェしかないと思い、村岡さんに相談したところ即断即決で一緒に復興頑張りましょう!と快諾して頂きました。タムタムデザインの田村さんをご紹介頂いたのも村岡さん。村岡さんはHASSENBA再建計画の実質的なプロデューサーとしてブランディングや飲食・物販に関することなど幅広い分野でアドバイスを頂いています。村岡さん無くしてHASSENBAの開業はあり得ませんでした。現在も当社の新人2名をお預かり頂き、MUKASA HUBおよび九州パンケーキ宮崎本店にてご指導を頂いているところです。九州パンケーキカフェ人吉HASSENBA店では人吉球磨の豊かな農作物を活用したメニューをご提供していきたいと考えています。
先日宮崎本店で食べた台湾パイナップルを使った九州パンケーキ
3月に武雄店で食べたイチゴを使った九州パンケーキ
MUKASAーHUBで研修を受ける社員。調理だけでなく座学もあります。
【ツアーデスク】
営業時間09:00~17:00
・川下り ※運休中。7 月下旬再開予定
・ラフティング ※要予約
・人吉はっけんサイクリング ①9:00~12:00、②13:00~16:00
【九州パンケーキカフェ人吉HASSENBA 店】
営業時間09:00~18:00
・ドリンク 09:00~18:00 ※17:30ラストオーダー
・フード 10:00~18:00 ※17:00 ラストオーダー
【HITO-KUMA-STORE(ヒトクマストア)】
営業時間09:00~17:00
いよいよ残すところあと1ヶ月を切りました。
当記事でご紹介した方々以外にも再建チームにはたくさんの優秀なメンバーいます。そしてチームメンバーのサポートがあったからこそわずか1年での再建にたどり着くことができました。本当に感謝の気持ちしかありません。
開業当日は多くのお客様にお越しいただき、笑顔が溢れることを心から願っています。人吉球磨の新たなランドマーク”HASSENBA"を宜しくお願いいたします。